「ぱぷぅ、ちゃんとドアが閉まってから、車運転しないとあかんやん」
そんな叱咤が後部座席の、まだチャイルドシートが手放せない小奴から飛んで来る。
事の成り行きは、義母が乗り込んでドアを閉めかけたのを見て、僕が車を発進させたことについて。
確かに一理ある。悪いのは僕だし、危険だとも思う。
でも、なんか腑に落ちん・・・。
家に帰ってくる。
「ぱぷぅ~」と駆け寄って抱きついてくる娘はとてもかわゆい。あまりにかわいいので、すぐに抱き上げて、ほっぺにだたいまのチューを見舞う。
その柔らかさに腰が砕けそうになることも厭わずに、ひたすら愛情表現をする。
その後、さりげなくほっぺをぬぐうのは許そう。
目線を避け、まるで汚いものがついたような動作をするのも、まあ、許す。
(僕的にほっぺ欲が満たされているので、そのくらいでは傷つかないのである)
しかし、その後、おもむろに「ぱぷぅ、帰ってきたら、すぐに手を洗わなきゃあかんやん」と言い放つのはどうか?
そして、洗面所に僕を押しやると、「はい、石鹸付けて!」と後ろから指導が入る。
確かに帰ってきたら石鹸で手を洗い、手ぴかジェルにて殺菌をする必要性はわかる。
これからの時期風邪も流行るし、うがいもしてきちんとした方が良いのも良く分かる。
でも、なんか腑に落ちん。
なぜなんだろう???
例えば、食事中、僕がぽろっとご飯をこぼす。
すると、すかさず「すぐに拾わなきゃあかんで。汚れたらあかんから」と指導が入る。
朝、新聞を読みながらパンを食べる。
「ちゃんと食べなきゃあかんやん。新聞、ここに置いて食べ!」
夜、TVに夢中になっていて、妻が言ってることを聞き逃す。
「まむぅの言うこと、ちゃんと聞いてるの?聞かな、あかんやん」
奴は帰ってきてもなかなか手を洗わないときも多く、まむぅにかなり叱られている。
ご飯もぽろぽろこぼし、「もう、これ服に付くと落ちないのに!」とまむぅを怒らせている。
TVを消し忘れていると、ご飯を食べながらTVに夢中になるので、さらにこぼしてまむぅを怒らせている。
そして、奴こそが、まむぅの話を無視して、「話、聞いてるの???」と、さらに逆上させることも多いのである。
今日の教訓。
「自分が出来ていないことで、人に何か言うことはやめよう」
問題は、この教訓をいかにして奴に覚えこませるか。
きっと、僕が何かを叱ったときに
「ぱぷぅはちゃんと出来てるの?出来てないことで人に言うたらあかんやん」
と返されるに決まってるからだ。
身が引き締まる思いがする。
父親というのも大変だ。