短所(欠点)は直してはいけない(1)~長所/短所は○○で決まる~

「この休み中に苦手教科を集中的に強化しよう!」みたいな進学塾の広告を見かけます。
確かに受験ではそれが大事なことかもしれませんが、こと人生においては苦手教科はものすごく大事なもので、それを克服したり、直したりすることはお勧めしてないんです。

でも、なぜか、欠点を直さなきゃいけないような気がしてしまいませんか。
長所を伸ばすよりも欠点に注目してしまいませんか。

「ダメなところ探し」「ダメ出し」が癖になってるからなんですよね。
自分もそうだし、周りも。
悪いところを見付けて指摘したり、それを噂したりする文化の影響かもしれませんし、何かと嫉妬深く、足を引っ張りやすい国民性によるものなのかもしれません。

さて、短所と長所って何で決まると思います???

衝撃的な事実を一つお伝えしましょうか?

それは【気分】です。

「それは君の悪いところだよね」と指摘された場合、それがどんな客観的データに基づいたもののように見えたとしても、それは指摘者の【気分】に過ぎないのです。

だって、「わがまま度指標」なんてデータ、ないでしょう?
どのくらいわがままを言ったら客観的にダメなのか分からないでしょう?

例えば、「時間を守らないのはよくない!遅刻なんてすべきじゃない!」って思っているあなたがコンサートに行ったとします。
そのアメリカ人アーティストは気分屋で、開演時刻の19時になっても全然ステージに現れません。
あなたは「そんなの許せない!」って帰りますか?
帰らないですよね。
そして、よりによってそのアーティストは2時間も遅れて21時にステージに登場します。
あなたはぶーぶー文句を言うでしょうか?
待たされた分、より熱狂的にそのアーティストを迎えると思いませんか?

例えば、職場の後輩が『ねえ、先輩、これ分からないんです~。教えて下さい~♪』って甘えてきたとします。
もし、あなたがその後輩のことを可愛がっているならば、きっと「しょうがないなあ」と思って教えてしまうでしょう。
でも、逆に、あなたがその後輩のことをあまりよく思っていないとか、今日は朝から旦那とケンカして胸くそ悪いならば、つい「それくらい自分でできるでしょ?わがまま言わない!」って言っちゃいませんか?

例えば、彼とお付き合いし始めでロマンス真っ盛りの頃、彼が待ち合わせに30分遅れてきても「連絡してくれてありがと。大丈夫よ。ご飯行きましょ」って言えるのに、付き合って1年経って最近ギクシャクしてるなあ、と思ったら10分の遅刻でも許せなくなりますよね?

例えば、「自分は頑固で、頭が固くて、融通が利かない!」って責めてるとします。不器用で人とはうまく付き合えないし、「これ!」と思ったらとことんそれにこだわってしまいます。
生き辛いな・・・と思うと、それは短所となります。
でも、周りから「あなたの視点は人と変わっていて素晴らしい」「こだわりの人ですね」「あなたみたいに個性的な生き方がしたい」などと言われると、とたんにそれは長所となってしまい、気分が良くなって「私、こだわりの人なのです。これ、と決めたことは一途なんです」などと言ってしまうのです。

「ずるい」という見方もできる人の事も、その人のことをあなたが好意的に見ていれば「賢い」と評価するでしょう。

「短気で、怒りっぽくて、言葉遣いが荒くて、いつもイライラしている人」も、あなたがその人のことを好きになれば「バイタリティのある、何事にも一生懸命な人」に見えてきます。
他の人には「嫌な人」にしか見えなくてもね。

同じように「だらしないなあ」という人がいても、その人のことが好きならば「自由な人だからね~」と好意的に受け止めます。

『「短所」があるから「嫌い」になる、のではなく、「嫌い」だから「短所」に見える』のが正しいと思うんです。

その中で「絶対にこの部分は悪いところでしょ?」って思うところもあるでしょう?
「嘘をつくのは人に迷惑をかけるから絶対良くないです」とか「感情的になって周りを振り回したら人が離れていくでしょ?」とか。
皆さんも、そんな「強く否定したい要素」を知ってると思います。

でも、それすら「気分なんですよ」って言われたら引きます??

「嘘つかれて傷ついたこと」あるいは「嘘をついて人を傷つけて後悔したこと」がそれを作ります。
「感情的になって周りを振り回して後悔したこと」や「感情的になって振り回されて辛い思いをしたこと」がありませんか?

それは過去の自分の体験によるもの・・・すなわち、それもまた「気分」「感情」によるものなんです。

よく私自身でも思いますし、夫婦関係のカウンセリングをしていても気付くんです。
「旦那さんが、いい加減だからこそ、助かってるところってないですか?」
「奥さんが、お金にだらしないからこそ、助かってるところってないですか?」
「旦那さんが、口先だけだからこそ、助かってるところってないですか?」

旦那さんがきちんとしてたら、もっと家事をちゃんとしなきゃいけないわ。こんな適当なご飯作ってたらきっと嫌われるわ。

奥さんがお金にちゃんとしてたら、小遣いも経費もものすごくしっかり管理されるよな。

私だって旦那に内緒で高いランチ食べたりしてるし、旦那がほんと誠実一本やりだったら、とても私は妻でいられないわ。

いい気分の時は相手の短所も長所に見えてくるのです。
悪い気分の時は相手の長所も短所に見えてくるのです。

だから、あなたが誰かから「これ、直した方がいいんじゃないの?」と指摘されるもののすべては、その人の気分だと決め付けてOKです。
だから、従う必要なんてないんです。
その人が何かが原因で気分が悪かったり、あなたに対して嫉妬してたりしているだけなのです。

もちろん、それは自分自身に対しても同じです。
あなたが自分を否定したい気分ならば、自分の悪いところがいっぱい見え、責めたくなり、そして、なんとかしなきゃと思うでしょう。
でも、あなたがいい気分ならば、短所だと思ってるところを見付けても、責めたり、変えたりしたくなりません。それでも許されていることを感じられるからです。

「あの人が○○だからこそ、助かっていること」

これ、探してみて下さい。

短所じゃないんだ・・・単なる気分なんだ・・・ということが実感できると思います。

逆に言えば自分や人の短所が目に着いちゃうときは、自分がいい状態でないことを示唆してくれます。
相手を変える前に、自分の気分のケアをしてあげたいものです。

その2に続く