愛が受け取れない理由。



ラブ・カウンセリング

もし、あなたが特殊メイクをして超美人に変身したとします。
街行く人があなたを振り返り、出会う人、出会う人に「あなたは素晴らしい美人だ」「あなたほど美しい人に出会ったことがない」「あなたと知り合いになれただけで私は幸せだ」などと美辞麗句を並べられます。

あなたは、それを素直に喜べるでしょうか?
確かにある程度は嬉しい気持ちもあるかもしれませんが、どうでしょう?


ほんとうのあなたを見て褒められているわけではありませんよね。

「周りの人が見ているのはメイクをしている自分。本当の自分ではない」
「きっと本当の自分を見せたら、この人たちはきっと態度を一変させる」
「だから、私は、このメイクのままずっと過ごさなければならない」

そんな風に思ってしまうかもしれません。

そして、そのメイク姿のあなたをどれくらい愛してくれる人がいたとしても、あなたはちっともその愛が喜べなくなります。

「本当の私を愛してくれているわけではない」

と知っているからです。

これは心の物語。

ここで言う特殊メイクとは、あなたが様々な体験(その多くは痛い、辛い経験)を通して、「こうすれば嫌われない」「こうすれば愛される」「こうすれば孤独にならない」などと作り上げた「私の顔」です。

心理学では「仮面」(ペルソナ)と言います。

「わがままを言ったら嫌われる。だから、わがままを言わないように従順でいるようにした」としたら、あなたは「従順さ」というメイクをしています。

そのとき、お母さんから「あなたはわがままを言わなくて偉いわね」などと褒められたら、まずは、嬉しいんです。そのためにメイクをしているわけだから。
でも、同時にこう思うのではないでしょうか。
「もう、決して、わがままは言えない」と。

そうすると、「わがまま」のもうひとつの側面である「自由」「奔放さ」「天真爛漫さ」と言った長所も、表現できなくなってしまいます。

すなわち、「束縛された、窮屈な」毎日を送らなければいけなくなるのです。

でも、それも「嫌われないために」「愛されるために」必然だと自分を納得させようとします。

逆に言えば、それくらい「嫌われること」「愛されないこと」が嫌で、怖いんです。
素直な自分でいて愛されないのならば、作った自分で愛される方がいい・・・そんな想いが動いているのでしょうか。
ちょっと切ないですよね。
でも、これは私たちみんなが少なからずやっていることですよね。

さて、愛されるために、嫌われないためにしてるメイクなわけですが・・・。そのメイクをどれだけ愛されても、本当のあなたは愛を感じられません。

「彼が私のこと好きで、愛してくれているのは知っているんです。でも、なぜか、素直に喜べなくて」

そういうご相談もよく頂きます。

「本当の私を愛してもらっているような気がしないんじゃないでしょうか?」

などと答えることがあります。

「どれだけ彼に愛情を注いでも、彼は全然受け取ってくれなくて」という声もとてもたくさん耳にします。

「彼は、本当の自分は愛してもらってないって感じているのかもしれませんね」と答えることもあります。

もちろん、愛が受け取れない理由はこのケースだけではありません。
けど、意外と当てはまることも多くありませんか?

また、中にはあまりに長い間、そのメイクをし続けているので、素顔を忘れてしまった、なんてこともとても多いです。
時には、そのメイクこそが、本当の自分だと誤解してることも。

「え?私、そんなに情熱的な女性なんですか?全然逆のタイプだと思っていました」

私から見れば、とても情熱的な部分がたくさんあるんですよね。確かに“クールビューティ”も似合ってますし、そういう要素ももちろんあると思うのですが、でも、根っこは熱い女だと思うんですよね。その証拠に・・・(個別ケース)・・・。

本当は感受性が強い女性が思考派になっていたり、明るいお祭り女が大人しく内向的な生き方をしていたり、ユーモア溢れるタイプがまじめで堅い態度を取っていたり、裏腹なことが多いのです。

きっと、感情を感じ続けては、明るく振舞っていては、面白いことを言って笑っていては、やっていけなかった時代が(特に幼少期に)あったのでしょう。

だから、その逆の自分を作り上げたんだろうと思います。

でも、どれだけメイクをしても、その元の顔がベースになるわけですから、すべてを隠すことはできません。
必ず、漏れ出てくるところがあります。

また、長い付き合いの友人にはとっくにバレてるところもあります。
「だって、あんた天然なところいっぱいあるじゃん?隠せてると思ってたの?」と笑われたり。

少しずつ、本当の、素直な自分に戻りたいな、と思ってみてください。
どんな自分かなんてイメージできなくてもかまいません。

素直な自分ってどんなんだろう?って興味を持ってみましょう。
メイクを取ったら、自分はどんな表情をしているんだろうか?
自分が思うほどブスではないし、むしろ、本当はさらなる美しさを持っていることが実は一般的。

もし、メイクの影で寂しがっている女の子がいたら、その子をただ抱きしめてあげられたらいいですね。
その子が笑顔になると、素直な自分がより一層出しやすくなります。

それだけでまずはOKです。
理論的なものではなく、むしろ、こうして感覚的にやる方が、あるとき、具体的なエピソードとともにハッと思い出すことがあります。

「あ、すっかり忘れていたけど、小さい頃は、面白いことをやって家族を笑わせてたな」
「そういえば、何かに夢中になったら、ずーっと飽きずにやってる子どもだったな」

そんな風に気付きがやってくるはずです!

もし、カウンセリングを使ってくださってる方は、きっと多かれ少なかれ、メイクを取った自分のこと、教えてもらっていると思います。

長い付き合いの友達やきょうだいに聞いて見てもヒントはもらえるかもしれません。
「ほんとうの私ってどんなんだと思う?」って。

また、分厚いメイクをしているパートナーをお持ちの方。
そのメイクの向こう側のほんとうの姿を探してみてください。
そして、その部分を愛してあげようと思ってみるといいですね。

メイクを取った自分を愛してもらえたら、100%受け取れると思いませんか?

そんな自分をまた、イメージしてみてくださいね!
きっと受け取れるようになっていきますから!


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