震災で蘇る元彼の存在感。



ラブ・カウンセリング

震災で揺れるのは地面だけではなく、私たちの心も大きく揺れ動きます。

実は、震災後、こんな相談が増えたんです。

「1人でいることが辛くなってきて、そろそろ本気で彼が欲しくなって・・・」

余震や計画停電などの影響を直接受ける方はもちろん、報道などによって不安を掻き立てられている方々も多いのでしょう。

1人で居る不安、怖れ、寂しさ。
人肌の恋しさ、懐かしさ、ありがたみ。

今、人と人とのつながりが今、求められていると思うのです。


しかし、それ故に、こんな話も耳にします。

「元彼のことが急に心配になって『大丈夫?』てメールをしてしまった」

「安否確認と称して、彼から電話がかかってきた」

「『大丈夫』と言われてグラッと来て、せっかく手放したのに、また元の関係に戻ってしまった」

震災の恐怖で、それまでのことが全部吹っ飛んでしまった方もいらっしゃいますね。

特に人恋しい1人の夜などは、ほんと切実に彼の存在を求めてしまうこともありますし、震災後の恐怖や不安感で、本来の自分らしさを失ってしまってることもあるようです。

でも、ほんとあれだけの震災ですから、「そりゃあ、今はしゃあないよなあ」と思っているんです。

例えば、1年頑張って、ずるずると関係を続けていた彼をようやく手放した方もいるんです。でも、この震災で元に戻ってしまって、また離れられなくなってしまったりもするんです。

おずおずと「すいません・・・」という彼女に、「だめじゃないですか・・・」とは到底言えないですよね。

「今はしょうがないですよー。こんな状況だしね。まだ彼が受け入れてくれて良かったじゃないですか。しばし、お休みして、自分の心のケア、震災のケアをしていきましょうよ。」

ケースバイケースですけれど、一度ある程度まできちんと手放せていたら、この震災絡みの混乱がおさまるにつれて、また同じようにプロセスを進めることもできるのです。
つまりは、一度「手放し」という道が出来ているわけですから、またそこを辿れるんです。

だから、そんな自分を責めないで欲しいんです。決してその1年が無駄になることはありませんから。

もちろん、震災を経験して「やっぱり彼じゃなきゃダメ!」と執着が大きくなってしまった方もいるでしょう。
ここで紹介した彼女のように、彼が受け入れてくれたらいいですけど、頑なに拒絶されたり、今は連絡すらできなかったりしたとしたら、その執着も、1人でいる不安も、増幅されてしまったかもしれません。

そしたら、その苦しい気持ち、ぜひカウンセラーや友だちに話してくださいね。
そうして、少しでも「安心」を感じていくと、徐々に自分を思い出せるのです。

こうした大きな災害の後は、みんな知らず知らずのうちに本来の自分を見失っています。
だから、「ふだんの私だったらこうはならない」ということがよく起こるんです。
でも、それで自分を責める必要はないんです。

むしろ、「それだけ大きなインパクトのあるできごとだったんだよな。そりゃあ、しょうがないか」くらいの寛容な気持ちで自分自身を見てあげて欲しいのです。

今は、自分を押さえつけたり、「こうあるべき」という姿に固執するのではなく、心の動き、その気持ちの流れを素直に受け止めてあげて欲しいな、と思うのです。


あわせて読みたい