次の恋に進めないのは「彼」に執着しているから???



ラブ・カウンセリング

以前、ご紹介した「執着してるのはその彼?その恋? 」の続編とも言える内容です。

失恋後にしつこく付きまとう“執着”という感情。

「どうしても彼のことを思い出して苦しくなってしまう」
「彼以上の人が現れるとは思えない」
「今の彼氏と元彼を比べて落ち込んでしまう」
「彼が他の女と付き合ってしまったら、と思うと絶望的になる」
「早くよりを戻して、以前のようなラブラブな関係になりたい」

そういった気持ちがあるときは、少なからず“執着心”があると言えるんですね。
そして、その執着心は、次の恋に進ませることを妨げるだけでなく、時には彼の幸せを妨害することにもなってしまいます。

それは「彼じゃなきゃダメ」とか「彼が私にとって最高の人だった」という思いから生まれる“欲求”の一つと言えるのですが、この執着、よくよく見つめていくと必ずしも「彼」への思いだけでないことが分かって来ます。


例えば、こんなケースたちです。

「多忙な仕事を抱え、走り回っているビジネスウーマン。仕事のプレッシャーもきつく、また、後輩達の取りまとめも任されている立場上、帰宅が深夜に及ぶことも少なくない。そのとき、2つ年下の彼の存在はとても心を和ませてくれるもの。色々と愚痴を聞いてもらったり、優しく慰めてもらったりすると本当に心が安らぐ。一緒にいると疲れが自然と溶けていくのが分かり、また、彼のためにあれこれしてあげることも全然苦痛でなかった。ところが、ある日、彼に別れを告げられた。訳が分からず、それ以来、私は自分を見失ってしまっている。」

「ずっと家族が仲が悪く、学校でも人間関係がうまくいかずに辛い思いをしてきた。でも、彼と出会ってからは、そんな家族のことも、いじめのことも忘れられたし、愛される喜びを知り、将来に希望というものを持つことができた。このままずっと一緒にいられると思っていたのに、徐々に彼と連絡が取れなくなり、自然消滅のような形で気がつけば、また独りぼっちになっていた。」

「厳格な家に育ち、いつも自由がなかった。過干渉気味な母親に、あれやこれやと指示をされ、プライバシーもなければ、自分の意志を持つことも苦手になっていた。でも、優しい彼は私を自由にしてくれた。自然に振舞えたし、何よりも私を大事にしてくれた。でも、彼は他に好きな人ができたらしく、徐々に笑顔を見せなくなった。義務感のようなものに駆られ、私は自分から彼に別れを告げた。」

「彼はめちゃくちゃだった私をちゃんと見捨てなかったし、叱ってもくれる存在。ずっと居場所がなくて、強がって生きてきたけれど、本当はすごく寂しかったことに気付かせてくれた存在。いつもきついことばかり言ってたけれど、本当は大好きで、かけがえのない存在だった。でも、私から彼が離れていったのはしょうがないと思う。自業自得。もう、あんな人っていないと思う。」

大事な彼の存在はもちろんなのですが、その「彼」を通じて与えられたもの、また、「彼」と一緒にいることで感じたものも、たくさんありますよね。。

上の例から言えば、「安らぎ」「希望」「自由」「居場所」。

彼を通じて得た「安らぎ」があったとして、それが自分の今にものすごく必要なものだと気付いたとしたら、私たちは「彼」に執着すると同時に、その「安らぎ」に執着をします。

例えば、自立した女性ならば、「なんで自分はあの人にそんなに執着してるんだろう?本来の私ならば次にさっさと向かうはずなのに」と感じることもあるでしょう。

でも、「彼」に執着してるだけでなく、「安らぎ」や「居場所」に執着しているとしたら合点がいくと思いませんか?

「彼」がもたらしてくれたもの、「彼」を通じて得ていたもの。
そこに執着しているとしたら・・・、なかなか忘れがたいのも無理はありません。

だから、このようなケースでは、「彼」を手放すだけでは、なかなかすっきりしないので、彼がもたらしてくれたものにも注目していくことも大切になってきます。

そうすると、私たちのカウンセリングは、さらに深いところに掘り下げていくわけです。

すなわち、

「なんで、そこまで自分を追い込んで、ハードワークをしてしまうんだと思います?彼にしか安らぎがないくらいに。でも、彼でよかったですよね。アルコールとかだったら大変だったでしょう?その理由を見つけていきませんか?だから、まずは家族のこと、育った環境について聞かせてもらえません?」

「家族の中で絶望して生きてきた、辛い思いをしながら育ってきたから、その痛み、辛さ、寂しさ、虚しさ、絶望を癒していきましょう。彼のことはちょっと横において、まずは、その根っこの部分を見つめていきませんか?」

「ずっと束縛されて自由がなかったということは、本当の自分では生き残れなかったんですよね。それを彼が解いてくれたとしたら、そりゃあ、彼に執着するのも無理ないです。でも、そのルーツってやっぱり家族、特にお母さんとの関係かな、まずは、そこに注目していきませんか?」

「それだけめちゃくちゃやってきたとしたら、彼は救いの神に見えたかもね。でも、すごく自分を責めてない?もう自分なんて酷い奴って決め付けてない?そうなっちゃうには理由があると思うんですよ。ちょっと怖いけれど、蓋、開けてみる?過去に向き合って、そこをすっきりさせない?」

なんて風に、「彼との失恋」の問題から、「過去」「家族」の問題へとすり替え?方向転換?いや、掘り下げていく(笑)わけです。

つまり、「彼」に執着するだけでなく、「安心感」「希望」「自由」「居場所」に執着してしまうのは、それは彼との関係だけでなく、それ以前からある“心のパターン”として扱ってみるんです。

そうして、家族との関係なり、過去の恋愛や人間関係で生まれた傷が少しでも軽くなっていくとしたら、彼への“執着”、つまりは、今の恋への執着が軽くなり、次の恋に進み易くなると思いませんか?

そうしたアプローチの結果、「そういえば最近、元彼のことあんまりお話ししないけど、どうなってる?」って質問したら、「ああ、確かに彼のことは今でも好きですけど、前みたいに苦しくないっていうか。それよりも今は仕事とかお母さんのことが結構気になってて」なんて風になっていくわけです。

なかなか抜け出せないなあ、という失恋があったとしたら、一歩踏み込んで、「彼が与えてくれたもの、彼に与えていたもの」を見つめなおしてみてはいかがでしょうか?

そうすると、彼とのことや、彼への執着心をしばらく放っておいたとしても、ちゃんと心の縛りは解かれ、次の恋に向かう準備を着々と進められるのです。
その方が、案外、苦しくないことが多いと思うんです。

参考になりましたら幸いです。


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