飼い犬に腕を噛まれた振られ方。


「彼は私に夢中で、何でも私の事を優先してくれるの」

そう思っていたのに、いきなり彼に「もう別れよ。好きじゃなくなった」と言われたら?

「えーっ!そんなのあり得ないでしょう?嘘でしょう?」と信じられないばかりか、無意識に「なんであんたがそんなこと言うのよ」と怒りが湧き出て来てしまったりするものです。

私が以前カウンセリングさせていただいた女性は、彼からそう切り出されたときに、つい真顔で「それはあなたが言っていいセリフじゃないでしょ。訂正しなさい」って言ってしまったそうです。


もちろん、そこまで上から目線な恋愛をしてる人は少ないかと思いますが、いわゆる“自立側”の立場で恋愛してる人にとっては、“依存側”の相手から「別れる」と言われると、まるで飼い犬に腕を噛まれたようなショックを受けることが少なくないのです。

一般的には“振る”のは自立側の役割の一つですから、「約束が違うじゃない」と感じてしまうのです。

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ここで「自立」と「依存」について簡単に説明します。
関係性はすべからく、自立と依存とに分かれることが多く、恋愛で言えば、次のようなパターンに別れます。

自立・・・相手をリードする側、強い立場。主導権を握る場。愛する立場。惚れられた側。理性的に、冷静に。愛してるのかどうかが分からなくなる。自信はある。「~しなさい」というコントロールが強くなる。

依存・・・相手についてく側。弱い立場。愛される立場。惚れた側。感情を感じる。愛されてるかどうかが分からなくなる。不安、怖れが強くなる。自信がない。「~して欲しい」という欲求が強くなる。

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さて、この飼い犬に腕を噛まれることはなぜ起きるのでしょう?

簡単に言うと、自立側の彼女の自由気ままな態度に我慢を強いられていた依存側の彼氏が起こす一発逆転のクーデターのようなもので、成功すると、自立と依存の立場が一瞬にしてひっくり返ってしまいます。

つまり、依存側の彼に「もう別れる」と言われてショックを受けた自立側の彼女が、それで自分の気持ち(彼のことが好き)に気付いて、それ以来、彼に強い態度を取れなくなってしまうんです。

でも、やはり、自立側の彼女だってプライドや意地がありますし、依存側の彼氏にしても我慢に我慢を重ねた上でのクーデーターなわけですから、たいていは別れてしまうこと多いでしょう。

問題なのは、その後、なんです。

今まで自立側だった彼女からすれば、自分の言うことは何でも通ってきた依存側の彼から振られたわけですから、ものすごく凹みます。

彼に怒りを感じているうちはまだいいのですが、それを過ぎると、自分の何がいけなかったのか?どうしてこんなことになってしまったのか?をものすごく考えるようになったりします。

そして、今までは頂点にあった自信が一気に無くなり、その失恋を境に「自信のない子」に生まれ変わってしまった人もいるくらいです。

もちろん、そうした彼の態度から男の人を信じられなくなり、男性不信・人間不信になることだってしばしば。

これは振られた側はその瞬間から、慣れない「依存」に突き落とされますから(本当に奈落の底に落ちる感覚を味わう人も少なくないはず)、ほとんどパニック状態になってしまうからなんです。

そうすると、自分でも信じられないくらいずるずると引きずってしまったり、普段ならさっさと立ち直って次の恋に向かうのにいつまでも彼のことを思い出して胸が痛んだり、後悔したりします。

周りの友達も「○○らしくないなあ!もう元気になろうよ!」って励ましてくれるのですが、なかなか気持ちが盛り上がらないんです。

それは自立側だった頃の名残(いわば、過去の栄光)がまだ残っていて、失恋した事実をまだ受け入れられずに悪い夢だと思っていたり、まだどこかで彼は自分のものだと思っていたりするところに原因があります。

もちろん、頭では分かっているんですけど・・・心が受け入れられないみたいなんです。

だから、ここでは謙虚さが必要ですね。

彼は私を選ばなかった、という事実を勇気を持って受け入れることですし、自分が恋愛の中で彼に対してとってきた言動を見つめなおし、反省し、改めるところは改める、という作業が大切なんです。

でも、この経験、自分を見つめなおし、自分を磨きなおし、そして、さらに素敵な女性になるための一歩になるんです。

こういうことでもないと、なかなか本気で自分を見つめなおすことなんて無かったのかもしれません。
そういう意味では、この経験を乗り越えた暁には、彼の捨て身の作戦も、私にとっては素晴らしい贈り物となってくれたりするんです。

その結果、パートナーシップの対等性の重要さに気付いたり、彼氏に謙虚な態度を取って接する事ができたり、肩の力を抜いて自然体で恋愛ができたりするようになったりします。

飼い犬に腕を噛まれた場合は・・・慌てず騒がず、まずは冷静に自分自身を見つめなおしましょう・・・というお話でした。

参考になりましたら幸いです。


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