[9/14]今度は私が!?あるはずのない出会いが起きた日。



カウンセリングの実際「浮気と離婚の危機とセックスレスの向こう側にあったギフト」

[9/14]今度は私が!?あるはずのない出会いが起きた日。

カウンセリングを受け始めた頃は、カウンセリングとカウンセリングの間の時間があまりに長く感じられて「この日をクビを長くして待っていたんです。ようやく今日が来て良かったです」とおっしゃっていたのですが、この頃になりますと、まるで月に1度の習い事のようになっていました。

でも、あるとき、ちょっと様子が浮かない・・・。
足取りも重そう・・・。

何かあったな???と思いながらもカウンセリングを始めていきました。


すると、どうも仕事先の社長が友美恵さんに気があるようなんですね。
何かと理由をつけて食事に誘われるし、しかも、二人きりになるシチュエーションを作られるんです。
その社長さん、会社をどんどん成長させていて、仕事は非常にできる人だし、人間的にもとてもしっかりしていて、ご主人にはない(見えない?)大人の男性の魅力(包容力とか色気とか)を持った方なんですね。

そんな社長さんからのお誘いも、友美恵さんは無価値感が刺激されますから「まさか、私に気があるはずはない」と素直に喜べません。
とは言うものの、社長さんの態度もどうもおかしいんですね。

「本気じゃなくて遊びなんだろうな」と思い込もうとするんですけど、意外に目が真剣でドキッとして、とても気持ちが揺れてしまいます。
「もしかしたら?でも、好意は嬉しいけれど・・・すごく困る」といった心境でしょうか。

もちろん、社長さんは妻帯者。奥さんとはあまりうまく行ってないらしいのですが、自分の夫が浮気して傷ついた経験のある友美恵さんとしては、素直には受け入れられない好意です。
しかも、徐々にとはいえ、ご主人もこちらを振り向いてくれるようになってきてるわけですから、今度は自分から関係を壊したくはありません。
それにご主人との関係性を良くするためにカウンセリングにまで通っているわけですからね。

でも、関係性が良くなってきたとは言え、夫からはまだまだ女として見られているわけではないので、本当に久しぶりに「女性としての私」をまっすぐ見てくれる社長の思いを無下にはできない気持ちもあるんです。

言わば「妻の私」と「女の私」の葛藤です。

そうして、止めようにも止められず、いけないとは思いながらも、期待が高まってしまう友美恵さん。
やはり長年放置されていた「女」としての自分が目覚めるのをどこかで感じていたのでしょうか?

社長さんの気持ちに気付いたとき、「とにかく何でもいいから社長さんと一緒にいて、心を落ち着けたい」と思ってしまったそうです。

これが足取りが重たかった理由ですね。
「きっと根本さんに、イジワルを言われるんだろうなあ」と思われたのかもしれません(笑)

ただ、こうした展開はプロセスの流れから見ると決して悪いものとは言えないんです。

友美恵さんと社長さんのことは確かに危ないんですけど、彼ほどの人の目に留まる友美恵さんはとても女性的な魅力が溢れているという証拠なんですよね。
だって、社長から見れば、他にもたくさんの従業員がいるわけですし、中には独身でかわいい女の子だってたくさんいるはずですから。
(もちろん、他の女性にもちょっかいをかけていたのかもしれませんけどね)

だから、とりあえずは「女性として自分が承認されたということですよね?社長さんは友美恵さんのことをかわいい娘やペットとして見てるわけじゃないですからね。」というお話をして、この出来事から“価値”を受け取ってもらうことにしました。

そして、ここが重要なのですが、この出来事は、友美恵さんとご主人との心理的な力学に大きな変化をもたらすことになるんです。

つまり、以前は圧倒的にご主人が強い側(自立)、奥さんが弱い側(依存)で固定化されていたのが、ここ最近の奥さんの変化・成長により、その関係性が少しずつ崩れてきてたんですね。

そして、この社長さんとの出会いにより、心理的には友美恵さんがだいぶ強い立場に立てるようになったんです。
(もちろん、この出来事はご主人は知りません。でも、奥さんが心理的に強くなれば、必然的にご主人は弱い立場になっていきます。これはパートナーシップのバランスなんです)

こうして強い立場に立つと、発言権も大きくなり、自分を見てもらう機会が増えるんです。
そんな「自立と依存の逆転現象」は、どんな問題を解決する上にも大切なプロセスで、今起きている問題にしっかりと向き合う覚悟を決め、それを一定期間続けると与えられる“成功報酬”のようなものなのです。

だから、ここはきっちりその変化を受け取っておくことが大切なんですね。
そういう意味ではここは、「女性としての魅力」「夫婦の間での強さ」の二つを受け取った大きな変化の時期と言えるのです。
いわば、ターニングポイントに当たるところです。

とはいえ、「せっかく落ち着いてきたのに・・・」という彼女の言葉には実感がこもりました。

まさか自らが新しい混乱の種を撒くとは思っても見なかったでしょうし、彼女自身、夫が問題を起こして自分がそれに耐える/対処する“受身側”の経験は十分積んでますが、自分自身が問題を起こす“主体側”は初めてですから戸惑うのも無理はありません。

だから、この心の動揺を鎮めるべく、感情を見つめ、怖れや不安、同様やショック、悲しみや寂しさを癒すイメージワークを試みました。
それで少し落ち着きを取り戻した友美恵さん。

「また一ヶ月なんとか頑張ってみます」とカウンセリングルームを後にされたのでした。

カウンセリングの実際

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