子供時代に植え付けられたコンプレックスはどうしたら解消できるでしょう?~素直な気持ちをたどって本音とつながる~



親の影響は莫大なものがありますから、植え付けられたコンプレックスを解消するのは難しいと思ってしまいがちです。
けれど、シンプルな方法で解決することができるものなのです。
とはいえ、方法はシンプルですけど実践はちょっと難しいく感じるかもしれません。

子供時代に植え付けられたコンプレックスはどうしたら解消できるでしょうか。

幼い頃自分で選んで始められたのがピアノで、高校生までやっていました。でもよく母に「あんたは音大にいけないから」と幼少期からずっと散々に言われ、発表会での失敗も重なり言い訳を作って高校生の頃に辞めました。

正直あまり練習もしていなかったので、人前で失敗するのは仕方なかったのですが、辞めるとき本当はすごく苦しかったです。音楽は私にとって大きなコンプレックスになりました。

その後結局芸術系の大学に進み、コンペに出たりしているのですが、ずっとピアノの痛みが響いている気がします。人生をかけて頑張ることを選んだのに、成功から逃げていると思うのです。

最近思うところあり、一人でピアノ曲を練習し始めましたが、戻れない過去を思い出しては涙が止まりません。

ちなみに母は暴力や暴言で大変な人物で、私は母のおもちゃでした。今は距離を置いてます。

拙い文章ですが、何卒よろしくお願いします。
(Mさん)

親からの言葉は「絶対」なものですから、私たちは“全員”“もれなく”親から言われたことを土台にして生きています。

親から「あんたは○○だから」と言われたら、その「○○」を心の中、深くに刻み込んでるんです。

そもそも生まれてから物心がつくまでは、親と自分だけの世界で生きています。
世界には何十億人もの人がいるなんて知るのは大きくなってからです。

その3人しかいない、しかも、うち2人は大きな人である存在から言われた言葉、取られた態度というのは何にせよ心に響くものなのです。

だから「あんたは音大に行けないから」という母親の言葉は、世界中のほとんどの人からそう言われてるに等しいのです。

そりゃあ、心、折れるでしょ?

だから、その言葉がトラウマとなり、音楽がコンプレックスになり、そして、大人になった今もそれを引きずってしまうのは、ごくごく当然のことだとお考え下さい。

逆に言えば、親からかけられたポジティブな言葉もまた心に刻み込まれることになります。

親の声かけってほんとうに大切ですよね。

とはいえ、ピアノは辞めたけど芸術系の大学に進んでコンペに出たりされてるってことは、別の楽器で音楽を続けたということ?それとも、絵とか彫刻とかそっち系の才能もあるということ?

さらっと書かれてる「その後結局芸術系の大学に進み」という一文がものすごく重要な意味を持っているように思うのですね。

この辺をねちねちと突っ込んでみたいのですけど。

例えば、それだけ否定的なことを言う親だけど、芸術系の大学に行くことは認めてくれてたということですよね?

なぜ?

親も芸術系の方々なの?

親が同じ芸術系でも、音楽ではなく絵画の方に進ませたかったということ?

で、問題を整理していきましょう。

>ちなみに母は暴力や暴言で大変な人物で、私は母のおもちゃでした。今は距離を置いてます。

距離が置けて良かったと思いますし、母親に振り回されて相当たいへんな子ども時代を送られてきたんですよね。

ということは「音楽」のこととは別に「母親との関係」というのを見ていくのが良さそうですね。

「音楽のトラウマ」と「母親との関係」と問題を分けてみましょう。

そして、より重みがあるのは後者の方ですから、音楽以外にもMさんの人生に大きな影響を与えていると思うんですよね。

となると次のような点も考えてみられると良いかと思います。

・両親の夫婦関係はどうでしたか?
・父について母はどのように言っていましたか?
・Mさんの性格についてどのように言ってしましたか?
・Mさんの容姿については何か言っていましたか?
・Mさんの男女関係については何か口を出してきてましたか?
・Mさんの仕事については何か言っていますか?
・Mさんのアイデンティティにどのような影響を与えていると思いますか?
・母の言葉で印象的かつ今もこびりついているものはほかにありませんか?

ひとりで考えるのが辛くなったらそこで止めて大丈夫です。

その上で改めていただいた文章を見返してみるといろいろと疑問がまた湧いてくるんですよね。

・幼少期から母親に否定され続けてきたのになぜ高校生までピアノを続けたの?

・それくらいピアノが好きだったの?

・戻れない過去だと思って涙が出てくるくらい、当時は一生懸命ピアノに取り組んでいたということ?

・ピアノをやめるときにそれだけ苦しかったのはなぜだと思う?

・ピアノで達成したい夢や目標があったの?

・「最近思うところあり、一人でピアノ曲を練習し始めました」とのことですが、そのきっかけは何だったの?思うところってどんなこと?

・今、ピアノは好きだと言える?

こういう疑問に答えていくだけでも気持ちが整理されていくかもしれません。

「素直な気持ち」というのがとてもカギになります。

気持ちってのは時にとても複雑化するものですし、痛みがあれば認めたくない、隠したい、という風にもなりますし、理論武装だってしちゃうかもしれないし、自己嫌悪に取っ捕まって気分がどーんと落ちてしまうこともありますし、素直な気持ちを認めるのが恥ずかしいということもあれば、素直な気持ちに気づくのが怖いというのもあるものです。

素直な気持ち、というのはひとつじゃないことも多いものです。

そして、気持ちというのは基本的に矛盾をはらんだものです。

好きだけど嫌い。好きだけど好きって思っちゃいけない。好きってことが屈辱的。好きなことが恥ずかしい。好きって認めたら負けた気がしている。好きなことを認めたら依存しちゃうから好きじゃないことにしたい。

「ピアノは好きなの?」というシンプルな質問に様々な感情がうごめくわけです。

それでいろいろと考えて「嫌いじゃないと思います」というあいまいな返事をしちゃうこともあるでしょう。

「よく分からない」と思ってしまうこともあると思います。気持ちが複雑に入り組んでいて言語化できないから。

「たぶん好きなんだと思いますが、それを素直に認めたくない自分もいるし、好きだと思ってしまったら自分を責める気持ちになるし、惨めな気持ちや悔しい気持ち、辛い気持ちがいっぱい出てきて耐えられなくなりそうだし・・・」

そういう気持ちを言語化できなくてもいろいろと探っていくんです。

本音は何だろう?と。

まあ、ある意味全部本音なんで、「一番深いところにある本音って何だろう?」って思いながら、様々な気持ちを掘り下げていくんです。

感情というのは記憶とつながっているものですから、掘り下げていくうちに記憶がよみがえってくることもあります。

母に暴言を吐かれてるとき、泣いても全然許してもらえなかったとき、自分を否定するときの母の表情、うまく弾けない自分が悔しすぎて泣いているとき、発表会ですごく緊張している自分、等々。

そうした記憶がよみがえってきたらすごくつらいので、私たちはあまり感情と向き合いたくないのですよね。

だから、自分と向き合っているつもりでも何かの拍子に逃げちゃうことだってあるのです。

感じたくない気持ちがありますから。

でも、そうした様々な感情と向き合っていくと心の奥深くにたどり着くことができます。

心ってとても深いですからね。
どこが底かなんて分からないのですけれど、心の奥深くにある一番素直な気持ち、言い換えれば、ほんとの気持ち、本音、にたどり着くことができます。

そうすると不思議なことにふっと心が軽くなり、温かくなり、安心する感覚がやってくるんです。

いわゆる「腑に落ちる」というのと似た感覚と言ってもいいです。

そうすると一種の「悟り」の境地です。

「そっか。なんだかんだ言ってあたしはピアノが好きなんだ。嫌いになんてなれないし、なりたくないんだ。」

もう自己嫌悪の層は潜り抜けているので、そこで自分を責める気持ちは出て来ません。
責める気持ちが出てくるのであれば、もっと奥があるんです。

ただただその思いがそこにある、というだけです。

ただ、浄化の涙がただただ流れてくることはありますが。

この状態を別名「自分とつながっている状態」と言います。

心というのは様々な感情が地層のように折り重なっているのですが、一番深いところには必ず「愛と親密感と才能の層」になっています。

その愛の層とつながることができると、ふっと軽くなり、温かい気持ちになり、安心感がやってきます。

孤独感も悲しみも罪悪感も挫折感も失敗感も劣等感も競争心も怒りも不安も恐れも恥ずかしさもありません。

だから「悟り」みたいな感覚とも表現しているのですけどね。

そこではもう母のことは許しており、ピアノをやめた自分のこともいとおしく感じられており、後悔する気持ちもすっかりなくなっていて、むしろ、ただただうれしい、と思って喜びの感情が湧き上がってきてニヤニヤしてしまうようになります。

この感覚は一瞬で途切れてエゴに声に再び支配されてしまうこともあるのですが、でも、一瞬でも愛とつながれたことはとても大きいんです。

自分の気持ちに徹底的に素直になる。

思考優位な人ほど難しい“行”なんですけど、芸術家肌のMさんなら案外あっさりと到達してしまうかもしれません。

とはいえ、様々なエゴに邪魔されてなかなか奥深くまでたどり着けないということもありますから、必要に応じてカウンセラーを使ってみるのも良いかと思います。

また、グループの力を使うとより早くたどり着けますし、みんな一緒にプロセスを進めることができますのでリトリートなどのグループセラピーもお勧めです。

そんなMさんですから、なんだかんだ芸術系の世界に身を置き、そこで才能を輝かせていくことがライフワークになっていくと思います。

ちゃんと自分を「芸術家」として扱った方が良いでしょう。

母との関係で傷ついた心が癒されるほどに、前向きな気持ちも強くなっていくでしょう。

改めて「夢」を持ちたいですね。
今の自分が目指したい「夢」。

だからこそ、まずは自分の素直な気持ちを知ることから始めていきましょう。

それで解決しちゃうことだって全然珍しくないですから。

◎自分と深くつながる。深い愛の層とつながる。

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