負けたくないと言うプライドをどうしたら手放せますか?



手放す、ということにしても、自分を変える、ということにしても、「自己否定」から始まると苦しいです。
まずは自己受容(自己肯定)から始めて、そして、楽しみながら自分を変えることをお勧めしたいのです。

根本さん、こんばんは。
メルマガのない日は、今日はどうしたんだコノヤローと思ってるぐらい楽しみにしています。

44年生きて来て、自分のプライドの高さを思い知らされ、今、がっくしきています。

『このプライドの高さをなんとかしたい。失敗する勇気と叱られても素直に謝れる心を取り戻したい。
失敗するのが嫌なんです。(叱られて色々言われるのが嫌なんです。)
失敗する自分が嫌なんです。(できる人に見られたいから。)
完璧主義が嫌なんです。(いよいよ疲れてきました)』

素直に謝りたいんです。今は、どうしてもなんで私が!ってムカつく心が出てしまうんです。
あ、私がいけないんだ、これ。と思っても、プライドが邪魔しゴネて拗らせてしまいます。(主に夫婦間)

このことを旦那さんに言えただけ進歩なんですが、、、
『』の中を話したら「そんなのは、とっくにわかってます。百も承知です。」と言われ、ムカついてます。
どうしてもムカついてしまいます。
で、ムカつくと「ムカついた時点でまだ分かってないってことだから。」と、言われ、さらにムカつき捻くれると言う拗らせ方を毎度していて、いよいよ、本当になんとかしたいです。

思うに、少し前までは、なんとなく、男に対して罪悪感を感じろ、と思っていたところもあり、罪悪感を感じさせるような行動をとって見たりしてました。
最近は、そこを卒業しつつあるんですけど。。。

この、負けたくないと言うプライド。どうしても出てしまうんです。
ネタになったらネタにしてください。
宜しくお願いします。
(Kさん)

見事です。
素晴らしい表現力です。
まるで心理学の教科書に載っているかのような事例を有難うございます。

結論から言うと

「そんな自分を可愛いと思えばいい」

ということになります。

これだけ素直に自分のプライドやらムカつきやら葛藤を表現できるんですから、これが44歳じゃなくて、4歳児だったら、きっと「超かわいい~♪」で済んでしまう問題だと思います。

あ、いや、バカにしてるわけじゃなくて、ほんとです。

プライドが高い→夫に競争を仕掛ける→負けたくないけど負けた感じがしてムカつく、という黄金法則は、あらゆる夫婦間にあるものだと思っており、また、同僚、友人、恋人、親子間でも頻発する問題かと思います。

「競争」なんですよね、要するに。負けたくないってのは。

で、多くの人はそれを「ダメなこと」として「直す」という方向を見るんです。
でも、「ダメなこと」というのは見てのとおり「自己否定」です。
「お前はほんどにダメなんだから!ほんとにダメなんだから!」と自分で自分にダメ出しをしてしまうとなれば、当然ですけど、やる気は起きません。
むしろ、拗ねたり、捻くれたり、こじらしてしまいます。

※そういう方のためにこんな本も出ております。

「こじれたココロのほぐし方」(リベラル社)

だから、自己否定ってのはあまりお勧めしていなくて、まずは、そんな自分を受け入れるってことをお勧めしてるんです。

それが「そういう私も可愛い」という見方です。

人によってはそれだけでこの問題が解決しちゃう人もいます。

そういう言い方をすると、「じゃあ、直さなくていいの?」ってことになるんですけど、直さないと何か問題あるんでしょうか?

Kさんの旦那様もさらっと流されている通り、Kさんの扱い方を彼はよく知っているようです。
だから、ちょっとめんどくさいなあ、と思うかもしれませんが、旦那さんはそんなKさんを受け入れているようです。

それに、詳しいからくりについて説明するとちょっと理屈っぽく、かつ、長くなるので割愛しますが(本当はめんどくさいだけでしょ?と図星を突かないこと!)、そういう自分に「かわいい」と許可を出すと、実際、競争することも減っていくんです。
不思議ですけどね~

だから、まずは「そんなプライドが高くて旦那に競争仕掛けちゃう私って可愛い(ハートマーク)」と思ってみるところから始めてみましょう。

とはいえ、ダメ出しする=自己否定がある=可愛いなんて思えない、というところだと思いますので、しばし、特訓が必要です。

「そういう自分でもOKなんだ」
「そういう自分がいるよなあ」
「でも、そういう自分って素直だよなあ」
「素直な私って可愛いよなあ」

みたいな感じで、ひたすら、自己受容に努めてみてください。

「それでいいんだ!!」と叫ぶところから始めてみるのもOKです。

そもそも「それがダメだ」と思っているのは個人的判断なわけですし、それは個人的価値観に基づくものですから。

で、その上で、変えたい、直したい、というプロセスに入っていきます。

ここ、皆さん、重要ですよ。

自分を変える、というところでは「自己受容」があって初めて可能なことだと思ってください。

ダイエットするにしても「今の自分でもOK!」から始めて「痩せたらもっとかわいくなる!」というモチベーションにしていくんです。

自己否定や怖れを使った自己改革は1,2か月の短期戦には有効ですが、それ以上の長期戦になるとやや厳しいものがあります。
だって、そんな緊張感、何か月も続かないですからね。

自分を変える=楽しみ、喜び、でないとなかなか成功しないわけです。

さて、自己受容ができたぁ~!!!という前提でここからはお話を進めて参りましょう。

>『このプライドの高さをなんとかしたい。失敗する勇気と叱られても素直に謝れる心を取り戻したい。
>失敗するのが嫌なんです。(叱られて色々言われるのが嫌なんです。)
>失敗する自分が嫌なんです。(できる人に見られたいから。)
>完璧主義が嫌なんです。(いよいよ疲れてきました)』

( )内も含めて、Kさん、めっちゃ素直だなあ、、、と思うんです。それを旦那さんに言えちゃうところもすごく素直でいいところだよなあ、と思うのです。

素直さって最強ですからね、ほんと。
ものすごい魅力なんですよ。

さて、この言葉をお得意の「揚げ足取り作戦」でいじくり倒してみたいと思います(笑)

質問1「失敗して叱られて色々言われたらどうなってしまうと思っているの?」
質問2「できる人に見られないとどんなことで困るの?」
質問3「完璧じゃないとなんでダメだと思っているの?」
質問4「プライドがなくなったらどんな困ることが起きると思っているの?」

カウンセリングの現場ではよく暇なときに(!?)、何階層も掘り下げてこの質問を繰り返していきます。

例えば・・・

質問:「失敗したらどうなると思っているの?」
答え:「あいつは能力がないと思われる」

質問:「能力がないと思われたらどんな困ることになると思っているの?」
答え:「必要ない奴だと思われる」

質問:「必要ないと思われたら、どんなことで困るの?」
答え:「追い出されて居場所がなくなる」

質問:「居場所がなくなったらどうなるの?」
答え:「孤独になる。一人ぼっちになる。」

質問:「孤独になったらどうして困るの?」
答え:「一人ぼっちは嫌だ。みんなと仲良くしたいし、みんなに必要とされたい」

(これらの答えから導き出される思い)
・みんなと仲良くしたい→人が大好きだ!
・必要とされたい→役に立ちたい、与えたい

質問:「どうして一人ぼっちは嫌なの?」
答え:「だって退屈だし、つまらないし。」

(この答えから導き出される思い)
・退屈したくない→人と楽しむことが好きだ。

ここで方向転換。

質問:「失敗したら本当に一人ぼっちになるの?」
答え:「うーん・・・ならないかな?なるのかな?分からない。誰かが助けてくれるのかな?」

(この答えから導き出される思い)
・なるかどうか分からないことを怖れている
・本当になるのか?は検証したことがない

ここから先の展開は、例えば、

質問:「失敗して孤独になったり、惨めな思いをしてきたことってあるの?」

って過去の経験を掘り下げてみることもありますが、ここまででもけっこう気持ちがすっきりすることがあります。

この「失敗したらどうなると思っているの?」から始まる質問からは、自分の心の仕組みがよく見えて来るのですが、本当に自分が求めているもの(人が大好き、仲良くしたい、役に立ちたい、楽しみたい)という気持ちが見つかるだけでもだいぶすっきりしてきます。

また、この流れは一種の「観念」「自分ルール」「思い込み」なわけですが、それをアファメーションなどによって変えていくこともできますよね。
「失敗しても信頼できる仲間がいるから大丈夫!」とか「私は人が好きで、役に立ちたくて、与えたい、楽しみたい人なんだ!」などはいかがでしょうか。

競争心で言えば

質問:「負けたらどうなると思っているの?」

からどんどん掘り下げてみるのもいいと思います。
先ほどのように「思考や思い込みから来る幻想」であることに気付いたり、「自分が本当に大切にしたいもの」に気付けたりするものです。

そうすると、「なんで失敗を恐れるのか?」ということが理解できるので、結果的に、失敗する勇気を獲得することができます。

失敗したっていいじゃない!と頭で分かっていても心が付いてこない方は、こうしてとことん掘り下げてみると、失敗することを恐れる背景が見えて来て、そこで納得した分だけ、失敗したっていいじゃない!という言葉が心に響くようになりますね。

ということで、その情熱をもってぜひガンガン自分の心を見つめて行ってください。

そして、機会があったら「白旗」を振ってみましょう。
ご主人に「私の負けです」と宣言するつもりで。

ちなみにこんな白旗を作ったツワモノもおります。
怨念がこもっていそうなクッキーですね~(笑)

また、そういう自分がなかなか手放せない!という方は「本気の手放しワーク」というセミナーで、「プライドの高い自分を手放す」というプロセスにチャレンジして頂くことも可能です!
https://nemotohiroyuki.jp/event-cat/21271

さて、そんな皆さんにお勧めの本は絶賛重版中のこの本。

「敏感すぎるあなたが7日間で自己肯定感をあげる方法」(あさ出版)


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