『神様のテスト』もう大丈夫、と思った頃に。



ラブ・カウンセリング

失恋してから早3ヶ月。青天の霹靂の如く別れを告げられて、友達に泣きつき、占いにも行って絶望し、ネットを検索して見つけた失恋クリニックのブログ(すなわちコレね)を熟読し、思い切ってカウンセリングも受け、「執着を手放しましょう」とか言われて涙を流しながら頑張って、そして、もう大丈夫だと思えてきた頃のこと。
周りの景色にも色が付き始めて(失恋直後はグレーの世界だったから)、食べ物の味もちゃんと分かるようになって(改めてスイーツは癒しだと確信した)、友だちからも「彼氏の友だち紹介しようか?」とか言われるようになった頃のこと。

仕事帰り。乗り換え駅の改札を抜けたとき、10メートルくらい先をこっちに向かって歩いてくる元彼を発見。

心臓が止まるほどドキッとして、つい、柱の影に隠れてしまう私。彼は私に気付いていません。声をかけるかどうか迷い、でも、もう過去の人と思い込もうと葛藤しているうちに彼は通り過ぎていきます。
追いかけようか、ものすごく迷いつつも体は動きません。

どうして?なんで?こんなところで会うはずもないのに・・・。

チラッと見ただけなのにものすごく鮮明に彼の姿が目に浮かびます。
なんだか懐かしいような彼のマフラーやコートに、不器用な歩き方。一見冷たい表情。
心臓はずっとドキドキしています。

しばらく経って彼の後を追ってみますが、当然、もうどこにもその姿は見えません。
すると、急に「彼どこ行くんだろう?仕事も家もこの駅は関係ないはずなのに」と不安になったりして。

***


神様と言うのは時にイタズラ好き(!?)なところがあって、失恋してしばらくした後に「ほんまにあんた手放せたん?」というテストをしてきたりするんです。

こうして突然会うはずのない場所で出会うこともそうですが、友だちから突然彼の名前を聞くこともあれば、自分の友だちが彼と付き合い始めた、なんてショッキングなニュースとして届くこともあります。
また、直接彼自身じゃなかったとしても、「彼の友だちとばったり」とか「彼の好きだったブランドの店に迷い込む」とか「彼の好きな曲が突然FMから流れる」という間接バージョンに、「二人でよく行ってた店を通り過ぎる」とか「彼とライブを見に行ったアーティストの新譜を見かける」などもあります。

ここで執着心がだいぶ残っていると「彼とはやっぱり運命の糸で結ばれているんだわ」となってしまいます。
また、頑張って手放してきた方の場合「なんでこんなところで会うのよ・・・」と恨み節が全開になって執着がぶり返すことだってあるでしょう。

私たちは失恋の痛みが大きいと、その痛みを手放す一方で、抑圧して心の中に溜め込み、蓋をしてしまうこともあります(詳細は『痛い心に「ふた」をする。』 をご覧下さい)

そして、もうその痛みを無かったことにしてしまうわけですね。

でも、ほんとうに無くなったわけではなく、心の中に溜め込んでいるだけですから、一時的には良かったとしても長い目で見れば次の恋への大いなる妨げになってしまうんです。

意識的には大丈夫だと思っていても、心の中に元彼への執着を溜め込んだまま次の彼氏ができたらどうなるでしょう?
新しい彼と今の彼を色々比較してしまったり、「やっぱり元彼の方が良かった」と改めて執着が出てきたり、「何だか今の彼に夢中になれない」と不完全燃焼になったりするわけです。

そのために、「ほんまに次に進めるん?」って、神様が敢えてテストをして悪者になってくれているわけです。ありがたいことです。

もし、痛みがあれば、ああ、まだまだ執着が残ってるわ。まだまだ痛いわ。と思います。そういうときは、自分をさらに癒せばいいんです。自分らしさを取り戻し、女としての輝きを増し、そして、さらにいい恋をするために。

そして、執着が手放せていて、次の恋に向かえる準備ができているならば、そのテストに合格できるのです。

彼が向こうから歩いてくる姿を見かけたら、「あ、○○!久しぶりやん!めっちゃびっくりしたわー。あんた、どこ行くん?そもそも、なんでこんな駅におるん?もう次の女見つけたんちゃうやんな?」

ま、こういうテンションかどうかは別として、心の動揺をさほど感じることなく(もちろん、柱に隠れることなく)ふつうに会えます。(“ふつうに”というのがポイント)

そのとき「あ、もう私、次のステップに行けるんだな」ということが分かるわけですね。

すなわち、テストに合格!なわけです。

もちろん、テストは1回きりではありません。たいてい、抜き打ちテストですから、油断は禁物です!またいつかやってくるはず。
ですから、自分らしい恋ができるように、より執着を手放しつつ、もっと魅力的ないい女になるプロジェクトを進めていくことが大切なのです。


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