「好きな人ができにくい」というあなたに贈る恋愛講座



思春期に男子にいじめられたり、人間不信に陥ったりするほかに、家族や初恋、コンプレックスなど様々な要因から「好きな人ができにくく」なっています。
その原因と対策をご紹介します。

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わたしが悩んでいることを書かせて頂きます。ネタにできそうであれば使ってください。
好きになれる人がなかなかいない、です。
人として好きな人はいますが、恋愛感情の好きはほぼないです。「難攻不落」と言われたこともあります。
自分で掘り下げて、小学生時代に男の子によくからかわれたことで男の子が嫌いになった→中学・高校でも男の子との接触を避ける→男慣れできなかった、まだ少し男性が怖い、とか、
小・中学生時代に友達との関係で傷つく→人間不信になる→時間が経って癒えてきたけど、まだ完全に心を開けず人と深い関係になることが怖い、警戒心が強くなった、あたりが原因かと思います。

今まで、好意を持ってくれる人がいても、そのときは気づかなかったり(後から「もしかして」と気づく)、
なんとなく気づいてもタイプじゃなくてスルーしたり、
初対面やそれに近い状態で口説かれ、警戒心MAXで「まだあなたのことよく知らないから無理!」「お友達にもなりたくないですさようなら」となることが何度かありました。
なので、たぶんわたしに魅力的な部分はあるんだと思います。どこかはわかりませんが…

わたしが上述のようにチャンスを逃すとか、受け入れられないとか、
あと男性慣れしてないから、気になった人がいても近づき方がわからないとか、そんなことをしていたら、今までの26年で、本当に好きになった人は一人でした。2ヶ月半付き合ってお別れしています。
別れるのってしんどいから、そろそろ最後の恋がしたいです。
大好きな人と最後の恋をするためにやっていくといいこと、なにかありましたらご教示ください。
(Yさん)
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「なかなか人を好きになりにくい」というご相談を実はつい最近頂いたところであれこれと熱弁をふるっていたところ、Yさんからもずいぶん前にリクエストを頂いていたことに気付きネタにさせて頂こうと思った次第です。

「好きになれる人があまりいない」とか「惚れにくい」とか「好きって気持ちが分からない」という場合にはいくつかのケースが想定されます。

Yさんが書いてくださったところから紹介しましょう。

>小学生時代に男の子によくからかわれたことで男の子が嫌いになった

これはね、すごく大きいです。
特に小学生でも高学年。思春期の入りたての頃。
男と女って意識が芽生える頃に男子からいじめを受けたり、からかわれたりするとほんと男性恐怖症になってしまいます。

しかも、その時期の男の子って「気になる子」にばかりちょっかいを出すことが多いんです。でも、いじわるされて「ああ、あたし愛されてるわ」って感じるほど成熟してる女子もいないと思いますので、魅力的なゆえに傷つく、という経験をされる方も少なくありません。

この時期に男の子が怖くなるとその後、男女関係を学ぶ思春期に男子との距離がすごく空いてしまいます。
「共学に通っていたのに心理的には女子校育ち」という方がいらっしゃるんですけど、まさにそのパターンにハマってしまうんですね。

この場合は改めて「男って何?」って心の内側を見ていくと良いです。
もし恐怖心があれば解放してあげることが可能です。

ロールプレイ・セラピーで言えば「男の子にからかわれて震えている女の子をギュッと抱きしめてあげる!」て奴です。

また、この時代に男の子に恐怖心を持つと、その一方で「対抗心」が芽生え、心の中では男性を「(舐められないように)馬鹿にする、見下す」という思いを持っている場合もあります。

そうすると男性に対して実にファイティングポーズを取ってる状態(すなわち敵とみなしている)になって好きになれない場合もあります。

「ほんとは私、男好きかも・・・」なんて目で見てみるのもありです。
超気持ち悪いですけど、敵ではなく対等に見られるように男性への意識を変えていきます。

>小・中学生時代に友達との関係で傷つく→人間不信になる

こっちも意外とパンチが効いていて、人との距離を縮める際にブロックがかかりそうです。
私のセミナーではよくそういう「距離が縮められない方」にとって「親密感を学ぶ」というセッションをやります。
例えば会場内から「この人は大丈夫かも」って人を3人くらい選んでいただいて、一歩ずつ近づいてみたり、「お近づきになりたい人」を選んでもらって逆に近づいてもらったり。
グループを作るセミナーだったらグループの中でそういう実習をしてもらうこともあります。
「名前を呼んでもらって近づくワーク」ってのがあるんですけど、ものすごくシンプルなんだけどものすごく感動したりします。
(こうしたセッションは問題解決セミナーもしくはリトリートセミナーで体験していただけます)

思春期の頃のYさんはだいぶ傷ついてきたところがあるみたい。
そうすると、どうしても基本的な人との距離が遠くなり、その分、近づきにくく、親密感を感じにくくなります。
距離がある分、相手の好意にも気付きにくいし、気付いたとしても疑いを持ってしまいますね。

怖いんですね。傷つくことが。
またあんな辛い思いをするんじゃないか?って心が震えているわけです。

すなわち、インナーチャイルドが傷ついている、という表現もできます。
その子をそっと抱きしめてあげる、というのが一つの方法ですよね。

そんな風に癒し、許しを通じて人との心の距離を縮めていき、それでパートナーシップを受け入れるようになることも可能です。

さて、「好きな人ができにくい」という心理、他にもケースはあります。
Yさんの事例からは離れてしまいますが、為参考にお読みください。

よくあるケースが「実家が居心地がいい」というパターン。
これ、別に両親が仲良しだとか、親子関係がいいとか、それに限った話ではありません。
親とは犬猿の仲だけど自分の部屋は確保されてるし、なんだかんだご飯も作ってくれるので独り暮らしよりはよほどマシ、なんて感じてるケースだってありますし、経済的事情により出ていきたいけど出て行けず、結果実家に住み続けてる、という場合も当てはまることがあります。

もちろん、それ以上にずっと家族が仲良かったりすると、外の世界に出ていく必要をほんとうは感じていないんですね。

思春期に反抗期を迎えます。これは精神的に親から自立を始める時期で、それによって家を出て一人で生きていくための準備を始めます。
だから、中高生くらいになったら「早く家を出たい」というのがある意味健全な状態なんですね。

ところが最近は親子の距離が近かったり、親が優しかったり、または過干渉や心配性などの原因で「反抗期がない中高生」が増えています。
そうすると、その親に反発して自立していくプロセスが体験できない方も出てくるんです。

そして、結果的に「親が一番、家が一番」になってしまいます。
そんな時、外に好きな人を作る、とか、お付き合いする、ということにどれほど興味が持てるでしょう?
もちろん、憧れはあるかと思います。
しかし、実家にいて家族がいると「寂しくない」とか「生活上の不安がない」とかの理由で、パートナーを求める「切迫感」のようなものが少なくなります。

だから、好きな人を作る、ということ自体が遠のいてしまうのです。

このパターンでは「家との適切な大人の距離を取る」ということを目標に「親離れ」を目指していきます。
独り暮らしができたらいいですが、そうでなくても、「家にきちんと家賃を収める」「自分の分の家事は自分がする(炊事含め)」などの生活面で自立することは可能です。

また、大人の成熟した女性になるためにセクシャリティに注目したり、大人の女性としての意識、振る舞いを作っていくこともまた目標としていきます。
「秘密」を持つのもいいですね。
もちろん、大それたものじゃないですよ。
親には見せられない下着を身に着ける、だけでもOKです。

両親の関係に絶望してる場合も好きな人ができにくくなります。
例えば、ずっと両親がケンカばかりだったり、不仲だったり、お母さんがずっとお父さんの悪口を言っていたり、お母さんがお姑さんからいじめられていたり、夫婦関係に全然憧れを持てなかったとするならば、自分がその立場になりたいか?ってことですね。

パートナーができてもお母さんみたいになってしまう、というのであれば、全然いらなくなるんです。

また女性にとってはお父さんが「男の基本」になります。
だから、お父さんに対する印象が悪いとどうしても男の人との距離が空きやすくなるんです。

だから、この点では両親に注目し、両親との関係を見つめなおしていきます。
いわゆる「親を許す」というセラピーの超王道的アプローチですね。

実は、お父さんのこと大っ嫌い!からは意外と「隠れファザコンパターン」が見つかることが多いんです。
認めたくないんだけど、一番好きなのはお父さんで、お父さんから愛されるのをずーっと何十年も待ってる、みたいな現象が起きてることもあります。

幼少期に「感情を抑圧した経験が大きい」と好きになること自体ができません。
この場合は「好き」だけでなく、様々な感情が感じにくい方に当てはまります。

喜怒哀楽がないなあ・・・
無表情って言われるなあ・・・
何考えてるのか分からないってよく言われるなあ・・・

そんな方は感情を抑圧して生きて来た歴史があるのかもしれません。
たいていは3~5歳くらいの間までにできるパターンですけどね。

思い切り泣くことが許されなかった、辛いことを我慢するほかなかった、そんな経験が積み重なって「好きになる」ということを自分に許せなくなるのです。

この場合も今できることからコツコツと、ということで、感情を感じていく、心に意識を向けていく時間を作ります。
意外とこのタイプって本来はとても情緒豊か、感受性豊かな方が多いんですよね。

人との距離感を縮めることも含め、1つ1つ取り組んでいきたいところです。

思春期にコンプレックスが強く、「自分は男の人を好きになっちゃいけないんだ」という呪文を自分にかけてしまった方もいらっしゃいます。

男子からからかわれたことがきっかけ、という場合もありますが、思春期特有の強い情熱を持ってその呪文をかけてしまったために、封印の仕方が分からなくなっちゃった、というケースも多いんです。

これ、呪文解くのは自分自身でできます。
「もう大丈夫よ、好きになってもいいのよ」って逆向きのアファメーションを気長にやってあげるのもありです。
これ、意外と簡単にブロックが外れたケースがあります。

少しオーバーなくらい日ごろから自分を女として演出し、「男」を自分に意識させる、というアプローチも有効でした。

初恋の人が忘れられないパターン!もけっこう強力です。
この初恋の人、というのが6年生の時の○○君、という場合もありますが、お父さん、とか、お兄ちゃん、というケースもあるんです。

そして、初恋!って認識していればいいのですが、全然そんな認識はないケースもたくさんあるんですね。

「心の真ん中にでーんとお父さんが居座って、他の人が入れないんですよ」という場合もあります。

これを解消するにはやはりお父さんを手放しましょう!ということになります。
自覚が少ないのであまり実感は伴わないのですが(それくらい癖になってるので)、意外と効果的で、すごく寂しさがやってきたりします。

実はこの「寂しさ」が恋をするにはてきめんの効果をもたらす感情で、親や元カレを手放した後に寂しさが出てきたら、次の恋に行く準備ができた、と言えるくらいなのです。

ちょっと難しい話も出てきましたが思い当たるところはありましたか?
参考にしていただけたら幸いです。

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