助けを求めたのに助けてもらえない私はどうしたらいいの?



自立系女子にありがちなこの問題。
助けの求め方が分からない等、さまざまな要因が考えられます。
また、同時にこれからどうしたらいいのか?いろんなレベルから提案します。

***
私は「しっかり者の長女」「自立系女子」です。
デッドゾーンに入ったり出たりしているぐらいに自立してます(笑)
「自立しすぎてる人は人に助けを求めましょう」ということをカウンセリング系のブログなどでよく言われていますが「助けを求めても、助けてもらえない」というものは見たことがありません。
中学生の頃にいじめられていたのですが、親や先生に言っても助けてもらえませんでした。
(いじめ自体は学年が上がるのと同時になくなりました。先生方が配慮してくれたようです。また、「人」のことを勉強するいい機会でした。だいぶ捻くれて育ちましたが(笑))
今なら親も先生も余裕がなかったのが分かるのですが、どうしても上記のような文章を見つけると「じゃあ助けを求めても助けてもらえなかった人はどうすればいいの?」という考えが浮かびます。
1番辛かった時、当時0歳の子を育児中で限界を感じても「限界だから何?私に頼れる人はいない。(実家、義実家は遠方。夫も仕事で手一杯。知り合いのいない環境)私が頑張らなきゃ!」という状態でした。
第3者のことも考えましたが、助けの求め方が分からず、また、どうせ助けてもらえない、という考えになり、結局頼ることはありませんでした。
現在、子どもも1歳半になり、夫も余裕が出てきて頼れているのでだいぶ落ち着いてきました。
でも、ふとした時に思い出し、あれは自力で答えを見つけられない気がしたのでリクエストさせていただきました。
支離滅裂な文章で読みにくいかもしれませんが、取り上げて頂けたら幸いです。
(Mさん)
***

「助けを求めても助けてもらえない」というのは自立系の人にとっては「あるある」のような気がします。
私もそういう思いをしたこともありますし、Mさんと同じ思いをした人たちのことも知っています。
ブログでも触れた記憶があるのですが、どこに書いてあるのか見つかりませんでした・・・すいません(笑)

とてもいい機会を頂きました。

「しっかり者の長女」であり「自立系女子」だとそもそも「助けを求める」という発想があまりないと思うんですね。
http://nemotohiroyuki.jp/everyday-psychology/10418

「問題は自分で解決すべきであり、解決できる力を持っている」
「人に助けを求めるのは弱い人間のすることである」
「結局は人は頼りにならないから自分で何とかするしかない」

そんな気概を持って生きてる方も少なくないんじゃないかと思います。

そもそも「自立」というのは、依存時代に頼っても甘えても幸せにならないから「もう人をあてにするのはやめる!!自分で全部やる!!!」という思いを出発点にしています。
だから、自立度が上がれば上がるほど自分の周りに頼らずに「一人で生きる」「自分で何とかする」というスタンスを取りやすいんですね。

さらに長女となるとそういう経験を下の子が生まれてから始まります。
「お姉ちゃんでしょ?自分でできるでしょ?」と言われたり、言われずともそういう空気の中で育ちます。
「弟はちゃんとあれこれ手をかけてもらえるのに私のことは放っておかれた」的な体験を持つ方や「あんたは手のかからないいい子だったから助かったわ」と逆に感謝されて複雑な思いを抱いた方も少なくないでしょう。

親も長女に対しては「初めての子」「初めての女の子」だから、どう接していいのか分からずに試行錯誤して結局は厳しくしちゃったり、放任し過ぎちゃったりするんですね。

だから、そもそも「親にも頼れない」とか「親に助けを求めても意味がない」という体験を幼少期からして育ってきたのかもしれません。
「あの子は大丈夫」って思われながらね。

だから、自立系長女の皆さんは内面的に強い我慢(抑圧)と依存性を持っていることも多いのです。(男子もそうかもしれませんね)

そういうわけで幼少期に「自分で何とかするしかない」という経験をしてきた方々は必然的に「助けを求めても無駄」という意識を持ちますからMさんもおっしゃってるように「助けの求め方が分からない」ということになります。
そんな状態で行き詰っているときに助けを求めると・・・

1.助けを求めてることが周りに伝わらない。

◎深刻なはずなのに明るく言ってしまう。
「いや、全然大したことないんだけど、ちょっと最近ヤバくてさ~。ほんといやいや何とかなると思うし、そんなに言うほど困ってないんだけどさ~」

◎うまく自分の気持ちが表現できずに他人事のように言ってしまって気持ちが伝わりにくい。
「あのさー、あんたなら○○って状況になったらどうする?あたしの話じゃないんだけどさ、知り合いの話よ、知り合いの。」

◎うまく話ができずに何を言いたいのかが相手に伝わらない。
「ここんとこ株価がアップダウン繰り返してるじゃん?あたしの気持ちもけっこうアップダウンでさ。彼氏のことなんだけどさ。いきなり仕事で首宣告!って辛いじゃん?それと似たこと彼氏にされてさ。でも、ほんと○○部長のやり方ってひどいよね?あれじゃあ○○くん、ほんとかわいそうだわ。でも、同じくらい私もかわいそうなんだけどさ」

◎私が何とかしなきゃって思いが強すぎて助けを求めてる雰囲気じゃなくなる。
「まあ、結局は何とかすると思うんだよね。今までもそうしてきたし。だからさ、そんなに悩んでるってわけでもないんだけど、まあ、ちょっと意見を聞いてみたいわけさ。」

助けを求め慣れていないので、その深刻さ切実さを表現するのが苦手、恥ずかしい、どうしていいのか分からない、んですね。
だから、カタコトの「助け求める言葉」になって、相手に助けを求めてるのが伝わりにくいんです。

プライドも邪魔すること多いですよね。
この私が人に相談するなんて・・・という思いがあるとどうしてもうまく言えなくなります。
長女、自立系にはプライドが高い人も多いですから、うまく相談できないってことにもなります。

2.助け求め慣れてない分だけ、命令口調や上から目線になったりしてギクシャクした空気を作り出してしまう。

「いつも私がやってるんだから、こういう時くらいあんたがしてよ」「私が困ってるときくらいちゃんと助けてよね」「こういう時はどうしたらいいわけ?」とついつい威圧したりね。
たいていは行き詰ってお母さんとか彼氏(旦那)とか身近で大切な人にどっかーんと向かうことが多いですね。
それで「ええーっ!?いきなりそんなこと言われてもー!」ってドン引きして「お母さんには何もできないから」とか言われてしまうのです。

3.助けを求めたことがない分だけ、どこに助けを求めていいのか分からず、助けられない人に助けを求めるという矛盾が起こっている。(歯医者に「この腹痛何とかしてくれ」と訴えているような)

なぜか冷たい人とか厳しい人に相談してしまうことってないですか?
私のクライアントさんにも「その友達ってめっちゃスパルタですよね?今みたいな時には相談しない方がいいんじゃないの?」って思う人がいるんです。
あるいは、お医者さんに恋愛の相談して「うちじゃ、そういう話受け付けてないので」と突っぱねられたり。

あと人もそうですが、タイミングがちぐはぐになることもありますよね。
「え?今、その話するの?ちょっと待ってよ」みたいな感じで。
こちらは思い詰めてるので勢いで行っちゃうんですけど。

バランスの法則って知ってます?
http://nemotohiroyuki.jp/everyday-psychology/12128

もしMさんが自立的であればあるほど周りにはどんな人たちが集まってくるでしょう?
(周りにどんな人たちを配置するようになるでしょう?)
そう依存系の人たちなんですね。
だから、

4.いざ助けを求めると周りの人がどうしていいのか分からずにパニックになってしまい、助けてもらえない。

となるのです。ま、3のケースとほとんど同じですけどね。

以前、こんなケースがありました。
恋愛で行き詰った自立系長女が助けを求めようと周りの友達や同僚にあれこれと相談したんです。
そしたら、
「○○さんの相談に私は何も言えないです~」
「あなたが悩んでても私なんかには何もできない。ごめんなさい」
と思い切り無力感を示されて逃げられてしまったんです。何人もの人に。
あるいは、途中まで話を聞いてもらったのにだんだん「私は、私は」と相手が言い出して、結局はいつものように相手の相談を聞く羽目になった、とか。

それで彼女は「助けを求めたのに余計に傷ついてしまった」という体験をしたんですね。
「いつも周りの人は私に相談してきて私は一生懸命応えて来たのに、いざ、私が相談しても誰も相手にしてくれない」と思っちゃったんです。

この彼女の気持ち、Mさんならすごく分かりますよね?
これ、本当に「あるある」なんですよね~(^^)

さらにはこんなケースもあります。

5.いざ、助けてもらったんだけど、その助けを受け取れない。

自立系って自分のやり方がありますから、相手に委ねられないんですね。
そうするといざ助けてもらったとしても、その助け方が気に入らない!なんて思っちゃうこともあるんです。
あるいは助けてもらってることに気付かない!ということもあるんです。
例えば、自分は解決方法が欲しくて聞いてるのに、相手は一生懸命話を聞いてくれる、とか。
「話を聞くだけじゃなくて建設的かつ効果的な解決方法が欲しいだけど」ってなっちゃうんですね。

また、「じゃあ、じっくり話を聞くよ」って誰かに言ってもらうと恥ずかしくなったり、依存するのが怖くなったりして逃げちゃうこともあります。

だから、結局こういう結論に至ることも多いんです。

6.助けと求めるのよりも、自分で頑張って何とかする方が早いし、効率的だし、成長するし、もっと強くなれるから、その方がいいよね!

さて、Mさんはいくつぐらい当てはまるでしょうか???

じゃあ、どうすんの?って話になるんですよね。
Mさんもいじめも育児も相当きつかったと思うんですが、結局は1人で何とか乗り越え、しかも、前向きな解釈をして受け止められているとなると、人に助けを求めることの意味ってあまり感じないんじゃないかと思うのです。

結局は自分で何とかするしなあ、と初めから助けを求めることを諦めていたり。

「スキを作る」ことがそもそも苦手じゃないかと思うんです。
ツッコミどころと言いますか。

助けを求めるのが上手な人ってふだんから「それ、自分でやったら?」ということでも人にちょくちょく相談してたりします。
それが自立系女子のむかつきポイントになるんですけどね。

今回みたいに「じゃあ、聞いてみようかな」ってリクエスト下さるのはいい経験だと思うんです。
そもそも「自立系女子」がカウンセリング受けるときって、かなり追いつめられてることが多いですから。
「あなたみたいな人がカウンセリング受けるって相当勇気要ったでしょ?」って。

道を尋ねる、とか、家電の説明やレストランの料理について詳しく店員さんに聞く、とか、人に質問するレッスンは普段からできますよね?

「自分で調べた方が早いし、いい」とか思わずにできるだけ人に質問する姿勢を採ってみるといいと思うのです。

サレンダーの実習って言うのがあるんです。
ただ身を委ねるだけのワークなんですけど、セミナーとかでたまーにやるとあちこちで悲鳴が上がります(笑)
自立的な方はそれが苦手なんですね。
だから、頑張ってそれをお伝えしたりしています。

Mさん「ありがとう」という言葉はよく使いますか?
感謝するのは「与える」「受け取る」両方の意味を持ちます。
だから、何かと「ありがとう」って思えるのもサレンダーに繋がります。

本質的には「許し」は大切なプロセスです。
いじめの問題も、そのいじめそのものも傷になるんですけど、助けてくれなかった親や先生でまた傷つくんですね。
いじめの問題も「助けてくれなかった親を許す」というポイントが大きかったりするのです。

お母さんや先生のこと、あるいはご主人のこと、許せていますか?

さて、余裕がなくなると周りは依存的な人が多いし、助ける先は間違えそうだし、ということで予め「助けを求めるリスト」というのを作っておくといいですよ。

子育てについてはこの人に聞けばいいな~
病気になったらこの先生かな~
人間関係だったらこの人かな~
旦那との関係だったらこの人かな~

みたいな感じのリスト。
そういうリスト作るのは得意でしょ?自分で調べられるし。
もし良かったら周りの人にも元気な時に聞いてみてください。
「こういうとき、どうしてる?」って。

さてさて、助けを求めるけど助けてもらえない方に一番おすすめしたいのは「弱さを受け入れる」ということ。
自立ってデッドゾーンを招き、さらには死の誘惑に至ります。
そのデッドゾーンや死の誘惑ってのは事故や病気なども入るんですね。

自分の弱さと向き合い、許す。というプロセスがお勧めなのですね。
かつていじめられてる自分に何て言ってあげたいでしょうか?
子育てでいっぱいいっぱいな自分をどう労ってあげたいでしょうか?

すごく頑張って強がってる私の仮面の中に、恥ずかしがりで怖がりで自信のない私がいると思ってください。
自立ってそんな自分を全部否定する生き方です。
そんな自分を優しく抱きしめ、愛してあげましょう。

「それ、できてる」と思うなら、もっと深いレベルの弱い自分を探してください。

「助けを求めても、助けてもらえない」も「投影」なんです。
自分が自分を見捨てているから、周りから助けを受け取れなくなっています。

その弱い自分を愛せたとき、それを周りに投影します。
私が弱さを出してもきっと愛してもらえる(助けてもらえる)って。

いよいよ、自立を手放して相互依存に向かうときがやってきましたね。
自分の中にある、向き合いたくない部分と向き合っていきましょう。
具体的な方法は横に置いといて、まずはその覚悟だけで大丈夫です。

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