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人は特別意識を持っていて、どう愛されるかを常々考えて来た。
しかし、その分、自己不信も強くなり、それが投影されて、他者不信となる。
自分を愛すること、自己肯定感を高めていくことで解決していきます。
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「私でなくてもいいんだ」と冷めてしまう感情についてです。
仲の良かった友だちや、アプローチされて付き合い始めた人、興味を持ってくれてると思っていた人たちが、似たような感じの相談を他の人にしてたり、誘ってたりすると、「ああ、この人は別に私じゃなくてもいいのか」と急にその人と距離を置いてしまいます。
距離を置くから当然疎遠になってしまうのですが、これって信じるのが怖いというのがあるんでしょうか。
でも「私じゃなくてもいいねんな」と伝えるのも気を引こうとするめんどくさいやつになりそうだし、信じるためには伝えないと(相手の本当のところは)分からないし、そうすると気を引こうとするやつになりそうだし??アンビバレンツに陥ります。
仲良くなりたいのに、距離が近づくと怖いというこの矛盾から抜け出すのは、どんな心理が働いているのでしょうか。
(Mさん)
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Mさんのこの思いはけっこう「あるある」じゃないかと思うんですが、いかがでしょうか?
「仲良くなりたいのに、距離が近づくと怖い」という思いは、とてもたくさんの方が思ってらっしゃるように思います。
仲良かった人が同じ相談を他の人にもしてる、とか、誘っているってことを知ると「ああ、私じゃなくてもええねんな」と思うのは「ふつう」のことかもしれません。
私たちの心には「特別意識」という思いがあります。
他人に自分を特別な存在として扱われたい、という欲求で、この特別意識をくすぐられると人は自尊心が高まるし、自分の存在意義が明らかになりますし、購買意欲を高められるし、なんだか鼻高々になるわけですね。
それでホスピタリティを売りにしているホテルなどは「根本さま、お帰りなさいませ」等、名前で話しかけることが多いですよね。そうすると「なんか自分は特別なお客さまとして扱われてる」って感じてますますそのホテルのファンになったりします。
また、百貨店などでも「これは根本さまにぴったりだと思い、お取り置きしておきました」などと言われると、リップサービスと分かっていても嬉しくなって購入してしまうわけです。
しかし、これが逆に出ると「自分は必要とされてない、ここに居場所はない」という感覚に陥るわけです。
この特別意識は自分を自分と認識する幼少期よりありますが、思春期以降、とても強くなります。(いわゆる“中二病”もこの特別意識がすごく強く出ているんじゃないでしょうか。)
子ども時代から私たちは「どうしたら愛されるか?」ということを研究しながら成長します。
自分が特別な存在であることは「愛されてる」証拠になりますが、他人や他のきょうだいと比較されたり、ダメ出しされたり、褒められることなく育つと、特別な存在として自分を感じられなくなるので、アイデンディティに問題を抱えることになります。
いわば「自分がない」という状態ですね。
例えば、小学生でも「学校では仲良くしている子が、放課後は別の友達を誘って遊んでいる」とすごく寂しく、辛くなりますし、分離感を感じます。
「自分はあの子にとって特別な存在ではないから」と感じるからです。
それが嫌なので人目を引く行動を採ろうとします。
始めは「いい子」をして愛されようとしますが、それでもダメだと今度は「悪い子」になって気を引こう(注目を引こう)と思うわけです。
でも、Mさんが書かれているように、大人になると、そうした「注目を引く」と言うやり方はちょっと惨めで、嫌な感じがするので、これもできなくなります。
そして、ただ「自分なんていなくてもいい奴なんだ」という思いだけが残るのです。
家族の中で、または同級生、友達の中で、Mさんもそんな体験を幾度も繰り返してきたのかもしれませんね。
こういう思いを抱えると、やはり自分の存在をちっぽけに感じ、そして、人を信じることも怖くなります。
特にこういう問題ではお母さんとの関係、距離感が影響していることが少なくありません。
コミュニケーションや人との距離感は母親との関係で築かれることが多いですから。
ちなみに意外に思われるかもしれませんが、「他人を信じられない」は「自分を信じられない」の投影です。
すなわち、自己不信が他者不信を作るんですね。
自分をちっぽけな存在だと扱っている思いが、他者からそう扱われているように投影されるんです。
だから、Mさんはこのブログでよく登場する「自分を愛する」というレッスンに再び取り組む必要があるようです。
他人の評価とか扱われ方とは関係なく、自分自身が素晴らしい存在である、ということを実感できるようになるために。
Mさんが自分なりによくやっているな、と思うことを見付けて、自分で自分を褒めてあげます。「えらいなあ、私」って。
「ちゃんと家事やって偉いなあ」「ちゃんと赤信号で止まって偉いなあ」「歯磨きをちゃんとして偉いなあ」「仕事行って偉いなあ」って。
よく「自分で自分を褒めても意味がないように感じる」という声も頂きます。
これがまさに自分に価値を感じてない証拠ですよね~。
そう思ったら、それくらい自分をちっぽけに扱ってるんだ、と気付いて頂けたら幸いです。
そして、自己肯定感を高めるべく、自分のいいところを見付けるレッスンを繰り返していきましょう。
どうでしょう?
今日朝起きてからこの記事を読まれるまでに、自分を褒めてあげられることを10コほど探してみませんか?
どんなことでも構いませんから。
あるいは、過去を振り返ってみましょう。
Mさんが誰かのためにしたこと、誰かが喜ぶと思ってしてきたことの数々を思い出してみてください。
それはMさんが誰かを愛した軌跡でもあります。
相手が喜んでくれるかどうかは相手の問題なので関係なしとしましょう。
「まずは自分自身」という意識で取り組んでみてくださいね。
自己肯定感が上がると、他人にどう扱われようがあまり気にならなくなります。
他の人に相談していたり、誘っていたりしても、「あ、そうなのか」という感じしかしなくなります。
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☆根本本。