大切な人生の一時を過ごした彼・パートナー。
ケンカや裏切りや理不尽なこともいっぱいあったかもしれないけれど、いい思い出もたくさん作った日々。
でも、事情があって別々の道を進むことにしました。
そして、何十年か過ぎて、あなたが今世を旅立つとき、その恋をどんな風に思い返したいでしょうか?
「若いころはそんなこともあったわね」と微笑みたいでしょうか。
「あれさえなければ私の人生はもっと良かったのに」と後悔したいでしょうか。
失恋のカウンセリングで、別れた相手、離婚した相手を手放すとき、そんな視点から眺めていただくことがあります。
「あなたがね、80歳になったとしますね。おばあちゃんになって、縁側でお茶を飲みながら孫に話して聞かせるんです。おばあちゃんも若い頃にとてもいい恋をしたの。その人とは結ばれなかったけどねって。そのとき、どんな顔して話をしたい?」って風に。
失恋してすぐはそんな想像できませんから、少し期間が空いてから。そう、だいたい3,4か月から半年くらい経つくらいに、そんな質問をさせていただくこともあります。
もちろん、内容はクライアントさんによって変わります。
「そんなことより、私、孫できるんでしょうか?」とか「80歳まで生きている気がしないんです」とか、そこに引っかかったら本筋からそれてしまいますから、中身は慎重に選びます。
だから、時には「あなたが今世を旅立って、あの世に帰って雲の上から人生を眺めたとしたら?」という問いに変えることもありますね。
さて、そうした視点を持つと、なかなか手放せない彼への見方が変わることがあります。
「そっか。そう思えば、すっと心が軽くなりました。」
執着心には様々な段階がありますが、時には「執着していることが習慣化される」こともあるんですね。
元彼に執着してるのが「当たり前」になってしまう感じです。
そうすると、手放すことがなんだか惜しいような、寂しいような、不安なような気持ちが出てくるんです。
心って不思議ですよね(笑)
そんなとき、先のような見方をしてみると、「あ、もういらないんだ」と心が感じて、すっと手放せるのです。
もちろん、そんな想像ができない方や、恨みつらみや痛みが出てきてしまう方は、まだその段階にないんだな、と思っていただけたらOKです。
痛みにちゃんと向き合う時間がまだまだ必要なのかもしれませんし、もう少し「今」に注目する方がいいかもしれません。
でも、時々執着の程度をチェックする目的で想像してみられるといいですよ。
彼のことだけじゃなく、あなたの人生全体を俯瞰することも同時にできるでしょう。
すなわち、仕事、お金、家族、友達、住む場所等々、自分の人生を見つめなおしたり、夢やヴィジョンを描くきっかけになるかもしれません。
「縁側で孫に」の設定が、「ロッキングチェアで暖炉の前で、飼い猫に」になってもいいし、「海辺の瀟洒な一軒家から空を眺めながら友達に」になってもいいわけです。
そんな画が浮かんだとしたら、それがあなたのヴィジョンになるでしょう。
いつもとはちょっと違う視点から眺めてみると、当然、違う景色が見えてきます。
そうした見方が心に与える影響も大きいですよね。
ぜひ、試していただけたら幸いです。