「常識」「ふつう」「当たり前」の落とし穴

「普通、ミスをしたら謝りますよね?」
「お世話になったんだから、お礼を言うのが当たり前じゃないですか?」
「やっぱり親や恩師にお中元やお歳暮を送るのが常識だと思うのですが」

等々、皆さんも日常生活のなかで「ふつうはこうするもの」「○○することが常識」と思うことありますよね?

確かに間違ってはいないですし、確かに「ふつうは」そうですし、「常識的に」考えればそのとおりなのですが、しかし、だからって人間関係がうまく行くかどうかは別物なんですよね。

むしろ、その「ふつう」「常識」「当たり前」が相手との関係をこじらせてしまうことも少なくないんです。

もちろん、それで自分を苦しめることだって少なくありません。

「ふつう、この年ならば、結婚して家庭を築いてるものですよね?」

その言葉は自分(他人)を責める言葉として、立派に通用してますよね。
すなわち、攻撃的な発言、になります。


「ふつう」というのは「たいていの人に当てはまるもので、それに当てはまらない人だっている」というものですよね。「常識」「当たり前」も同じようなものです。

しかも、それが「自分が思っている“当たり前”」には、他人から見ると「あれ?」というものだって実は少なくなかったりします。

たとえば、「彼からプレゼントされたものは、次のデートのときは身に着けるのが常識」という女性も少なくないかと思います。
しかし、それは女性側の「常識」であって、男性には通用しないことが多いのです。

また、地域性の違いもあります。
大阪で「アホ」と言われたら、それは愛情表現ですけど、それは関西での常識であって、一歩、その他の地域に出たら、「アホ」はやっぱり侮蔑的に聞こえます。

そうすると、そこで「常識」vs「常識」の争いが生まれてしまいます。

いい関係を築きたいだけなのに、なぜ、争いになってしまうのでしょう。

違いを受け入れる、という言葉、よく耳にします。そして、大切なことだと多くの人が認識しています。

しかし、それを実践するとなると・・・難しいですよね?

でも、難しいと認識できるものはまだいいんです。
私たちの思考回路には、自分では気付かないくらいうまく刷り込まれた“常識”がたくさんあります。

関西で小さい頃から愛情込めて「お前アホやなあ」と言われて育った方が、東京へ出て行き、つい親愛の情を込めて「アホ!」と言ってしまうようなものです。

「その気のないところで、私たちは誰かを傷つけたり、誰かに誤解されたり、誰かを拒絶したり、誰かにレッテルを貼ってるもの」です。

気付いていないわけですから、関係性が悪くなっても(相手の機嫌が悪くなっても)、理由にとんと見当付きません。
まさか、自分の一言が原因だとは思えないわけです。
だって、自分に悪気はないし、正しいとすら思ってるわけですから。

そうしたすれ違いや誤解の結果、気が付けば、様々な問題となって現れてきます。

だから、多くの問題は「なぜ、その問題が起きたのかが理解できない」わけですね。
「当たり前」が問題を引き起こしてるわけですから、気付きようがないんです。

ビジネスの世界でも「常識を疑え」なんて言われますけれど、むしろ、日常生活の、ほんの些細なシーンで、それを実践できたら素晴らしいんじゃないかな?と思います。

常識や当たり前は、私たちの心、思考、感情、行動などを制御する鎖です。
それを打ち破ること、すなわち、手放すことが心を自由にする秘訣でもあるのです。

「自分の持っている、自分でも意識できない常識って何だろう?」
そんなことを思いながら、日常生活を過ごしてみてください。
意外なほど、多くの鎖に縛られてることに気がつけるかもしれません。

そして、その鎖を解くとしたら、人の価値観を受け入れようとすることです。
自分の常識で判断せず、相手の考え、思い、行動、価値観を受け入れることです。

「そっか、お前はそういう風に考えるんだな」
「なるほど、あなたはそういう価値観を持ってるんだ」

これは相手の常識や当たり前を受け入れることでもありますが、その結果、あなたは一気に世界を広げることができるでしょう。

相手の行動を決め付けずに、まずは、受け入れてみるところからはじめてみませんか?

私、カウンセリングやセミナーを通じておそらく1万人くらいの方とお会いしたと思います。
ほんと、人には様々な価値観があることを思い知らされてきました。
すべてを受け入れられるか?と言われると、正直まだ修行途上なので自信はないですが、しかし、多くのことを勉強させてもらってます。たとえば・・、

・夫婦には様々な形があり、二人がうまくいく形を作り上げていくのが二人の仕事であること。

・働き方、仕事への向き合い方も様々な価値観があってよく、その人にあったやり方を見つけていくのがカウンセラーとしての大切な仕事であること。

・生き方、住む場所、人間関係、あらゆるものに対し、私たちは「自由」を持っていること。自由に生きて良いんです。

こういうことを実地で学べたことは、今の仕事の素敵なところのひとつですね。

心理学ミニ講座

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