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距離があるときはいい関係を築けるのに、だんだん親密になってくると別れたくなることって自立系にとってはあるあるなのです。
もちろん、心の傷があるのかもしれませんが、でも、不思議と「こいつは大丈夫」という人が現れるものです。
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長年、私は「フル」ことへの葛藤を感じてきました。
フラれることの相談に比べ、フルことはあまりピックアップされないようですが、これはなかなかやっかいなイベントだと思うのです。
私は接客業を務めています。
とても好きなお仕事ですが、仕事以外でもコミニュケーション=接客を通している面が大きいです。
これは特に男性相手に当てはまります。
接客ですから、心を込めて対応します。
できるだけ相手の話を聞きたいですし、話を聞いてるうちに相手のことがとても好きになります。
でも、親密になることは無理です。
接客を超えた、ここより先のラインに通すことは出来ません。
怖いですし、信じられません。
だから、仲良くなってもすぐにお別れすることになります。
はじめのうちは縁を切ることにただただ罪悪感を感じていました。
けれどこのパターンを繰り返すうちに、私に加害者意識を感じさせる男性陣に無性に腹が立つようになってきました。
彼らの無邪気な要求が、とても無神経だと感じてしまうのです。
彼らからすれば「そんなに悩まなくても」ということらしいですが…
今お付き合いしている男性がいます。
彼は事業をしており、私は右腕として彼に献身的に尽くしてきました。
仕事がうまく回っていない時にやってきた私は、天使のような存在だったみたいです。
でも実際は、天使じゃありませんね。
やっぱり無理、別れよう。
そう思っています。
彼とは、今までお別れしてきた人たちを後ろに重ねながらお話しています。
重ね合わさった彼らは、「どうしてまた繰り返すの?」と問いかけてきます。
そもそも接客をやめなくてはいけないのか。
自意識過剰なだけなのか。
相手のことをもっと信じてもいいはずなのに。
期待に応えたい気持ちと、それに抗いたい気持ちと、
時期が来ると全てを精算したくなる衝動と、
どう向き合えばいいのでしょうか?
拙い文章で申し訳ありませんが、お答えして頂けると嬉しいです。
(Nさん)
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「フル」よりも「フラレル」方が人に言いやすいですよね。
前者は罪悪感をいっぱい感じるので、自分を責めやすく、ゆえに、人に責められるのでは?という思いが出てくるのであまり人に言えないのです。
罪悪感って感情が「フル」場合の一つのキーワードになりますね。
ただ、潜在意識では「フル」も「フラレル」もイコールなんですね。
「フラレル」は「フラセタ」と解釈可能ですしね~
潜在意識では“お互いに同意したから別れが成立する”のです。
彼氏と彼女の潜在意識が打ち合わせするわけですね。
「そろそろ別れる時期が来たんだけどさー、どっちがフルことにする?」
「せやなあ、うち、いつもフルの慣れてるしな、またうちがフルことにするわ。それでええやんな?」
「うん。いいよ。じゃあ、今回は僕がフラレルことにするよ。あとのことはよろしくね」
「りょ。うち、罪悪感には慣れてるさかいな。気にせんといてな。」
みたいな感じで打ち合わせ済なのですね。
だから、罪悪感を感じる必要はなくて「まあ、今回もこの役割ね~」みたいな感じです。
お付き合いしている間も「イコール・パートナー」だったように、別れも「イコール」(対等)です。
さて、Nさんは接客業のプロなんですね~。
プロになると、ついついプライバシーでも仕事意識が顔をのぞかせますね。
「保育士をしてるんですけど、彼に文句を言うときについ子どもを叱るような口調になってしまって・・・」
「料理人をしていると彼女と食事に行っても、会話よりも出てくる料理の方に意識を取られちゃうんですよね。それでよく怒られるんです。」
「ホステスをしてるので、ついついいつも聞き役になったり、彼の飲み物の残りが気になったり、テーブルの汚れを拭いちゃったり、接客が気になったりしちゃうんですよ」
これを読まれてる自立系武闘派女子の皆様にとっては思い当たる節がありありな話でしょう。
かくいう私もついついバーのカウンターでマスターの愚痴なんかを聞いちゃったり、マッサージ師のプライベートを聞いちゃうことがよくあって、「しまったっ!!」と思うことがありました(笑)
だから、Nさんもそのプロ意識には誇りを持ってもいいと思いますよ。
これはすごく大事なことですね。
とはいえ、Nさんもお感じのようにプライバシーではそれが邪魔になることがありますよね。
接客業の技を使って嫌な人と距離を縮めないようにするテクニックは使えますよね?(笑)
でも近付きたい人と近づけないのは辛いですね。
実はプロの仕事人の中には「仕事の人間関係は良好なのに、プライベートはけっこう寂しい」思いをしてる方って少なくないんですよね。
ちょっと距離の空いた関係ではうまく行くんです。
でも、親密感がある距離ではうまく行かなくなります。
心のドーナツ化現象が起きてるわけですね。
>http://nemotohiroyuki.jp/everyday-psychology/13749
近い人とうまく行かないからこそ、ちょっと距離の空いた人とうまく行きやすい側面もあります。
距離があるときはいいけれど、距離が近くなると離れたくなるのは「ヤマアラシ(ハリネズミ)のジレンマ」として有名なお話でもあります。
親密感の怖れというのは自立系な人々にとって大きなテーマとなります。
「セックスはできるけれど心を開いてるとは言えない」とか「彼用の私を作ってしまって二人の時も演技してしまう」とか「彼が好む女を演じることしかできなくて素の顔が晒せないし、素の顔が分からない」とか。
(私)----------------(彼)
はOKだけど、
(私)----------(彼)
はちょっとヤバくなって、
(私)-----(彼)
この辺は「ちょっ、近くね?」となって、
(私)--(彼)
もう駄目、別れたい!!!ってなるんです。
ということはカウンセリングの王道をひた走るのであればNさんのご家族との関係にフォーカスしたくなるわけです。
(私)--(彼)
の距離と言えば、家族との距離。特に母、父あたりです。
だから、
・お母さんとの関係はどうでしたか?
・お父さんとの距離はどうでしたか?
・どんな子ども時代を過ごしてきましたか?
・思春期の頃は同性との関係はどうですか?
という質問をしたくなります。
私のブログをお読みであればもうその辺はお気づきかもしれませんが、良かったら一度振り返ってみてくださいね。
で、必要であれば、その辺の傷を癒していくと良いですよ。
セミナーでもカウンセリングでもOKですし、気になる人に会いに行ってみてください。
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ここは王道から外れた話をします。
まあ、今までの真面目な話が「は?」となるんですけど、私のカウンセラーとしての経験則です。
「根本さん、今度、結婚するんです!!」
「え?ほんま?おめでとう。相手は二足歩行してる人??」
「ええ、そうなんです~。ちゃんと日本語話す人なんですよー!」
「おぉ、それはミラクルだね。で、相手はA君?B君?C君?」
「いやあー、実はD君なんですよー」
「おっ、それはまた新顔だね~。A~C君はどうしたの?」
「やっぱりこの人たちじゃないなって思ってるときにD君が現れたんです。
今までだったら距離が近づいたらダメになっちゃったじゃないですかー。
でも、D君だけは大丈夫だったんですよー。
見た目も特に好みってわけじゃなかったんですが、なんか彼だけは大丈夫なんです~
根本さんのお陰です~~」
まあ、実はこんな会話、とあるセミナー会場にて交わされたんですけどね。
こういうケースが多いんですよね。
この彼女がかつてのお母さんとの葛藤やら、思春期の性的トラウマやら、かつての不倫の経験を癒してきたかと言えば・・・そりゃ、癒してきたんですけど、本人も「まだまだ男の人との親密感が怖くて」なんて言ってたんですね。
で、2,3か月ぶりにセミナーに来てくれたと思ったらコレですわ。ほんま、やってられまへんな~って話ですよ(笑)
ということで、そんなNさんにも「あれ?この人は大丈夫」って人がいます。
そして、その頃には「ああ、昔、根本って人になんかメール送って返事してもらったなあ。あんときは全然信じられなかったけれど今となればほんとだったなあ」なんて思っていると思います。
だから、一応、自分自身のことを見つめることをしつつ、別れたくなったら別れたら良いんです。
必ず「あれ?こいつはイケるなあ」って人に出会えますから。
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