自分から動かないということは、やり直す気はないのか?



私たちはつい「自分だったら」と自分のやり方を人に押し付けてしまいます。
まさに投影の法則ですね。
でも、彼なりのやり方、彼なりの思い、もあるはずです。
そこに意識を向けると、関係性を変えることもできるでしょう。

***
はじめまして。アドバイスお願いします

結婚して1年半で主人の浮気が発覚し、パニックになって実家に戻りました。
別居して二ヶ月。
二回ほど話し合いをしました。
私から日程を設けました。

本気じゃなかった
離婚届にサインはしない
一生つぐなう

と言うわりには、向こうから話し合いの場を設けようとはせず、こちらから連絡しないと音沙汰なし状態。

根本さんのブログを毎日読ませていただき、一度は許して再構築をと決心しかけたところで、ココロが折れました。

今まで全部私から折れていた為、今回も彼は、私が手を差し伸べてくるだろうと思っているのでしょうか?
何だか母親になってしまってる気が…

何の連絡もないので、何を考えているのかさっぱりわかりません。
行動しないということは、彼は本気でやり直したいわけではないんですよね、きっと…
悲しく虚しい毎日にピリオドをつけようとしています。

最後にアドバイスいただけたら光栄です。
よろしくお願いします。
(Aさん)
***

ちょっと疲れちゃったような感じでしょうか?
まあ、この何か月かは相当精神的にアップダウンがきつかったでしょうから、しんどいのも無理ないですし、諦めたくもなりますよね。

でも、悲しく虚しい毎日、ということは、旦那さんへの愛情はまだまだ健在なんですね。

さて、そんなAさんの心を抉るお話をさせて頂きましょうか!!(笑)

>と言うわりには、向こうから話し合いの場を設けようとはせず、こちらから連絡しないと音沙汰なし状態。

いくらか質問をさせてもらわないと確信持っては話しできないのですが、彼、そもそも自分から動くタイプなのでしょうか?
何かあったときに自分から積極的に解決しようと動くタイプなのでしょうか。

>今まで全部私から折れていた為、今回も彼は、私が手を差し伸べてくるだろうと思っているのでしょうか?

と書いていらっしゃるということは、今までもずっとAさん主導で物事を運んできた、という感じでしょうか?

もし、Aさんが「あんたが悪いことしたんだから、自分でちゃんと話し合いの場を設定して、きちんと謝罪し、誠意を見せるべきだ」と考えていらっしゃるとしたら、Aさんは正しいけれど、旦那さんの気持ちは全然分かってないのかもしれません。
もしかしたら、それが浮気の原因になっている可能性も見えてきます。

つい自分のやり方を相手に強要してしまうことってあるんですけどね。
確かに悪いことをして反省しているのであれば、それを誠意を持って示すべきだ、というのは間違いではないんですね。正しいんです。正しいんだけど、それを彼ができるかどうか?は別問題なのです。
彼は果たしてそういう行動ができるかどうか?ってことなのです。

Aさんはできるのかもしれません。でも、だからって彼ができるとは限りませんし、それが正しいからと押し付けるのは心離れに繋がります。

こういう浮気に限らず、交通事故でも何でも、悪いことをした側(罪悪感が強い側)というのは、自ら謝罪に動くことはしたくないものです。
しなきゃいけないとは思いつつも、その罪悪感と向き合うのはなかなか辛いんです。
だから、裁判にしても、示談にしても、第三者が入ったり、強制力のある方法を使ったりしますよね。

彼からすれば「分かってるよ。分かっているんだけど・・・なんか、先延ばしにしてしまって」という感じなんかもしれないです。

さらに言えば、今までもAさんが折れて来たり、今回のように話し合いの場をAさんが設定してきたのであれば、ある意味それは「何かあったら私が動くからいいよ」という「教育」を彼に施してきたことになるのです。

だとしたら、彼が動かないこと=やり直す気がない、とは言い切れないんですね。
逆に、彼のその態度だけ見てやり直す気がないと判断してしまうのはとても危険です。

夫婦の問題に限らないのですが、つい私たちは「自分の想定する形」で相手の気持ちを判断してしまうことがあります。

それはまさに「投影」なんですね。
「私だったらこうするから、きっと彼が同じ気持ちだったらこうするだろう」って。

これって分かってはいるものの、なかなか実践で思い出すのは難しいものです。
だから、一つ一つ検証がいるんです。

人によって愛し方も全然違います。
「愛してるよ」って言葉で愛情を表現する人はそれを無意識に相手に求めます。
そうすると相手が言葉で愛情を表現するのが苦手な人だった場合、「私は愛されてない」って勝手に判断してしまいます。
また、相手の愛情表現に対して「それは愛情じゃない」って断定してしまうんです。

Aさんの旦那さんは、どんな風に愛情を表現する人でしょうか?

ということで、今までAさんがこういう場を主導してきたのであれば、残念ながら今回もその場を設定するのはAさんの役割です。
そして、「彼がほんとうにやり直す気があるのか、ないのか」を自分基準ではなく、彼基準で見極めていきましょう。

それには彼の考え方や思い、その表現の仕方など、彼をよく見て理解する必要があります。
この理解こそ、夫婦の絆を強める絶好のアイテムになりますね。

そして、結婚1年半でこの課題に取り組めるのはむしろラッキーかもしれません。
5年後、20年後のために、今、相手を知るいい機会になるでしょう。

「なんで私が・・・」と思いつつも、彼なりの思い、謝罪を受け止めてあげるといいでしょう。

ちなみにこういう場では「けじめのつけ方」を彼に提示することをお勧めします。
感情的に自分が納得する説明を彼に求めてもそれは難しいんですね。
それができる男性はほとんどいないと言ってもいいでしょう。
だから、「ほんとうに申し訳ないと思ってるんだったら○○してよ。それで許してあげる」みたいな具体的な解決ポイントを彼に提示してあげてください。
○○は「エルメスのバッグ買ってよ」「エステのコース入会させてよ」的なものから、「とりあえず8月いっぱいはサンドバッグになって私の怒りを受け止めなさい!」とか、「さあ、あたしの靴を舐めなさい」「3回回ってワンと言え」まで何でも構いません。
Aさんが納得できる「収束の形」を考えてみてください。
そうじゃないとずるずる、ずるずる、何年も引きずることになりますから。

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