「夫としては完璧。だけど男としては・・・」と思ってしまうのですが(2)



相手を変えるのではなく、自分を変える、そのために少し痛いところに目を向けます。
我慢、犠牲をしているところ、諦めているところはないか。
また、自分を喜ばせること、本気になれるものを見付けること。
自分の人生ですからね。ないがしろにしたくないですよね。

私のカウンセリングスタイルって「主体性」に重きを置くことだと思うんです。
「相手」ではなく「自分」を見つめるために。

だから、今回の命題についても「そう感じている奥さん自身の問題」として見ていくんです。
それは旦那が結婚以来ぶくぶくと太り、いつもよれよれのスーツを着て、休日も寝てばかりでデートにも出かけなかったとしても。

私たちが変えられるのは今の自分だけですから、それでも「自分」を見ていきます。

それが自分の問題だとしたら、どうしたらいいのでしょうか?


「あなたが目を背けていることって何かありませんか?」

そんな問いをよくかけます。「安定、安全、安心」と引き換えに見ないようにしていること、我慢していること、犠牲していること。
もちろん、それが喜びであれば、このような問題は抱きません。
実際そういう方もいっぱいいらっしゃいます。

しかし、そこに問題を感じるということは何かしらそこに本来の自分とは違う行動があるからなんです。

「あなたが本当に望んでることって何でしょうか?」
「もう諦めてしまっていることはありませんか?」
「本当にしたいことは何でしょうか?」

こんな問いに向き合っていくのはいかがでしょうか。

ある人は
「旦那やお姑さんから、結婚したら家に入って欲しいと言われて仕事を辞めました。ほんとうは続けたい気持ちもあるんですが」
とおっしゃっていました。だから、私はこんな話をさせてもらいました。
「もし、あなたにとって仕事がすごく大切なものであり、自分らしくいられる時間であるのならば、ご主人やお姑さんにお願いしてみましょう。根気強く話をして、お互いに納得できるポイントを探しましょう。でも、仕事があなたにもたらしてくれるものって何でしょうね?それは仕事でしか手に入らないものでしょうか?あなたにとって仕事のどんなところが好きだったんでしょう?」

話しが長くなるので省略しますが、結果的に言えば彼女は「仕事」に「居場所」や「役に立ってる/必要とされてる感」を感じていたんです。
それが今の環境では感じにくかったわけですね。
だから、仕事を始めることよりも「居場所」「役に立ってる」という感覚を作っていくことに意識を向けました。今の家の中で、主婦としてできることを探して行きました。

そもそも自分を喜ばせるのは自分の仕事なんですよね。
誰かがあなたを喜ばせてくれることもあるけれど、それをずーっと待ってると依存的になっちゃいますね。
自分が喜ぶものを自分自身に与えてあげる、そういう意味を込めて私はよく「自分を喜ばせてあげましょう」と言うんです。

これ、ちょっと経験値が必要です。
何度かチャレンジしてみて徐々にうまく行くようになっていきます。

これもまた「スキル」が必要なんですよね。
だから、簡単そうに見えて実は難しく感じるかもしれません。

そして、こうしたプロセスを経て「本気になれるもの」が見つかったらコロッとこの命題の意味が変わってしまいます。

こんな愚痴をこぼしていた奥さんにあるとき待望の赤ちゃんが出来ました。
そしたら、旦那さんに対して「こんなに頼もしく、安心できる素晴らしい人はいない」と思うようになり、あっという間に惚れ直してしまいました。

また、結婚してすっかり気を抜くようになった旦那さんを「改造する!」と本気で取り組む奥さんがいました。オシャレな服を選んだり、髪型を指定したり、一緒にジムに通ったりして、旦那を「いい男に変える!」って頑張ったんですね。
でも、結局それは「夫を変える」と同時に「自分を変える」ことになったんです。
なかなか言うことを聞いてくれない夫に対してあの手この手を使うわけですから、今まであまりしなかったこともチャレンジしなきゃいけないんですよね。
でも、彼女は本気だったので、その壁を乗り越えることができたんです。

「本気」になることは最強なので、いろいろな変化を付けてくれます。

参考になりましたら、幸いです。

男と女の心理学

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