被害者でいることを手放す勇気。



ラブ・カウンセリング

「彼のせいでこんな自分になった」という思いを伺うことがあります。
確かにそう思ってしまう事情があり、時には「それは酷い・・・」と言ってしまうこともあります。
そして、その傷が何か月、何年にもわたって続いてしまうことも。

悲劇のヒロインとも言えますが、こうした「被害者」モードになってしまうのは人生において、とても辛いできごとなのです。

被害者は同時に加害者です。
「彼のせいで」と思うことで、すでに彼を攻撃する加害者になっています。
「それだけの目にあったから攻撃することは当然」と正当性を主張するのですが、すでにそれすら加害者ですよね。
そして、その加害者であることを隠すために被害者で居続けなければいけなくなります。
それが本当の悲劇だと思うのです。


ずっと自分をかわいそうな存在、惨めな存在にしておかなければなりません。
どれだけ正当性を主張したとしても、辛いのは自分自身です。
そして、そうして彼を責めている間、彼を手放すどころか執着ばかりが募って、次の恋に進めなくなります。
もちろん、時には次の恋に進まない理由として被害者であることを使うケースだってあるくらいです。

話を伺いながら、うーん・・・それは辛いなあ・・・と何も言えなくなりそうになることもあります。
それだけ辛い思いをしたことも確かだし、逆にそれだけ一生懸命な恋をしたという証でもあります。

ただ、ここはとても繊細な領域です。
無闇に被害者であることを指摘したり、それを手放すことを勧めたりはしません。
自分が薄々そうじゃないか?って思っていながらも否定したい気持ちってありますよね。
被害者でいることが辛くてそこを抜け出したいんだど抜け出せない、そんな葛藤を抱えているときに「あなたは被害者をやってます。手放したほうがいいですよ」なんて言われたら余計に傷ついてしまいますよね。

こういうのって信頼関係がすべてですから、まずはそこに注力します。

だから、できるだけ状況だけでなく、その時々の気持ちや今現在の心境などを聴くことに意識を向けて行きます。

でも、そうすると不思議と多くの方が自分で気付かれるんですよね。

「こんなことしていても意味はないんですけど」
「彼のせいにしていたとしても、自分は幸せには絶対になれないんですけど」
「いい加減、こんな自分の性格が嫌なんですけど」

この発言ってすごく勇気が要ると思うんです。
被害者を手放す勇気、覚悟が出来つつある証拠ですから。

だから、こうなるまで待つことが多いです。私としては。
被害者でいたいときもあるんですよね。
苦しいって分かっていても彼のせいにしたいときもあるんです。
彼によってどれくらい自分が傷ついたかを分かってもらいたい時期もあっていいんです。

それも自分と向き合うことになりますから、そこはじっくりと。
そして、時期が来れば不思議なことに抜け出していくんです。
(ただし、場合によっては多少意志の力が必要なこともありますが)
そこでは、気が済む、目が覚める、そんな表現をされる方が多いかな。

ここまで来るとお手伝いできることがたくさんあります。

じゃあ、彼を手放すためのセッションをしていきましょう。
じゃあ、傷ついた自分をただただ受け入れてあげましょう。
じゃあ、幸せになっている未来の自分を描いていきましょう。

あなたにはこんな素晴らしいところがありますよ。
きっとこういう部分は異性の興味を惹きますよ。
それだけ情熱の女ってことですよね?その愛をもっと信頼していきましょう。

被害者でいることの苦しみに気付いたら、抜け出すサイン。
後はその勇気をちょっとだけ持つだけで流れは変わり出します。
その時はきっとすごく怖いけれど、またちょっと勇気を持つと抜け出して行けます。

「自分の幸せを考えましょう」
「自分の幸せを優先したいですね」

そんな言葉をよくかけさせてもらっています。

いつかは抜け出せるものです。
焦らず行きましょう。

参考になりましたら幸いです。
いつもありがとうございます。


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