愛人ポジション。



ラブ・カウンセリング

「彼には奥さんがいて、それで私と付き合ってるんです。」
いわゆる「愛人」ということですね。

このように「彼」の「本命」になるのではなく、2番手以降のことを「愛人ポジション」と言います。

「ポジション」なので、必ずしも「愛人」に限らない、というのがミソです。

すなわち、こんなケースも存在するのです。

「彼は仕事人間。忙しい人で、いつも頭に仕事がある人。私とはその合間を縫って会っている。あまり会えなくてさびしいけれど、ちゃんと彼の愛を感じてるから大丈夫!」


これが、今、たまたまそういう時期というならばいいのですが、これがパターン化することもあるんですよね。
「いつも、そういう彼と付き合ってます」という風に。

これは恋愛にも限りません。

「直属の上司、いつも同僚のAくんばかりを贔屓して、私をちょっとないがしろにしてるんじゃないかと思うのです。責任ある仕事はAくんを抜擢してばかりのようにも思えるし。」

「B子とC美って昔からの親友がいるんですが、この2人、すごく仲が良くて、時々嫉妬しちゃうんですよね。家が近いし、仕事も似てるってこともあるんですが」

要するに三角関係なんですね。
実は人間関係って、2人の場合は1対1なのですが、3人になると社会になるんですね。
だから、3人の関係って難しく、どんな場でも3人が苦手、という方も多いように思います。
これはそもそもお父さん、お母さん、私の三角関係がベースになっているのですが、特に無価値感タイプの方は3人の関係性が苦手なはずですね。

ともかく、愛人ポジションというのが、必ずしも不倫関係だけに当てはまるわけじゃない、ということに注目してください。

ここから派生してくる問題としては「いつも私は選ばれない」「いつも私は二番手」「実は本命になるのが怖い」などが現れます。

この愛人ポジション。
実は、とても様々な感情を感じる位置なので、“情熱の女”がはまりやすいパターンでもあるんです。

仕事に忙しい彼を追いかけたり、趣味に走る彼のことが大好きだったり、女の子にモテるタイプの彼が好きだったり、悲喜こもごもの感情豊かなポジションなのです。

さて、こうしたパターンの持ち主で注目したいのが、先ほどもちょっと書きましたが「意識レベルでは望んでいるつもりでも、実は本命になることを怖れている」という心理です。

特にこのポジションに慣れれば慣れるほど、手放しにくいところもあるんです。
この愛人ポジションにはいくつかのおいしいメリットがあります。
責任を取らなくていい、将来のことを真剣に向き合わなくてもいい、自分一人で好きなことをやってもいい、綺麗なところだけ見ていれば何とかなる、みたいに。

そういう感覚を味わってしまうと、本命ポジションが「矢面」「逃げ道がない」「自由がない」「捨てられるかもしれない」等々のネガティブなものとして見えてくるのですね。

そうなると、頭では望んでいても、つい、2番手以降のポジションに収まってしまうことになるのです。

さて、では、そんなパターンからどう脱出したらいいのでしょう?

愛人ポジションというのは、私は真正面から愛されるにふさわしくない、と思わせる無価値感なり、罪悪感なりが影響を強く与えています。

子供時代から、いつも誰かと比べられてダメ出しをされていたり、好きになった人に浮気されて自信を失っていたりすることもあれば、強い失敗感や無力感から自分を責めていて、本命にふさわしくないと決め込んでいる場合もあります。
そうした傷を癒していきましょう、というのがカウンセラーとしての王道の答え!です。

さて、どの場合も、自分自身をちっぽけに扱い、自分自身の価値をだいぶ落としてるんですね。
「バーゲン女」なんて表現するのですが、だいぶ、自分の値段を下げてしまってるんです。

このブログでも散々書いてますが、やはり自分は素晴らしく、愛されるにふさわしい存在で、それだけの魅力や価値をたくさん持っている・・・ということをいかに受け取るか?が大事です。

それに、愛人ポジションにはまる人は、情熱の女って書きましたが、それだけ、人を愛するパワーが強く、癒してあげたり、支えてあげたい気持ちが強い上に、本当に相手のために一生懸命になれるタイプが多いと思うのです。
だから、彼氏にしてみれば「こんな彼女がいてくれたら最高!」と思えるものを提供できる可能性を持っているのです。

だから、それだけ素敵なものを持ってるんだ!ということに気付くと、このポジションでの学びが終了し、次のステップへ進むことができるんです。
すなわち、いよいよ、本命君登場です!

以前、このパターンを持つ方に「私はもう幸せになっていい。」と10回ほど声に出して言っていただいたことがあります。
途中からすごく苦しそうになり、嗚咽が漏れ、涙をたくさん流しながら言ってくださいました。

何を感じたの?って聞いてみたら、「はじめ、すごく抵抗があって、そんなこと言っちゃいけない、思っちゃいけないって。でも、同時に、ああ、もういいんだ。もう幸せになってもいいんだって思えて、そしたら、報われたような気がして、涙が止まらなくなってしまいました」と教えてくれたんです。

そう、罪悪感や無価値感から、彼女は自分を幸せにする許可が出せていなかったのです。だから、それを許したとき、涙が流れたわけですね。

だから、この言葉、短いですけど、とてもパワフルで、そして、深いメッセージなんだろうと思うのです。

ピンと来られた方、ぜひ、試していただけたらな、と思います。
できれば、朝晩10回ずつ。

参考になりましたら幸いです。


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