手放せないのは、ほんとうに一人になるのが怖いから。



ラブ・カウンセリング

失恋すれば誰でもその彼のことを少しは引きずるものかと思いますが、ある程度時間が経過しているのになかなか元彼のことを手放せないケースがあります。

この「しばらく」や「ある程度」という時間は付き合った年月や恋愛の中身にもよるので一概には言えないのですが、例えば、1年付き合って別れた場合、半年経っても引きずっているようであれば、このケースに該当すると思っていいかも知れません。

元彼に対し、悲しみや絶望、寂しさを感じて手放せない場合もあれば、怒りや恨みつらみを使って手放さないようにしているケースもあります。

「どうして手放せないのでしょう?」

という心を掘り下げていくと、出てくるのは「一人になるのが怖い」という気持ちです。


でも、一見、おかしいと思いません??

「別れてるんだから、もう一人だよね???」

そうなんですよね。
別れてるから、もう一人のはず。
もちろん、それは分かっています。

でも、執着があるということは「もしかしたら復活できるかも」という淡い期待を抱いていたり、「まだ好きな人がいる」という心の状態であり、それ故に「一人なんだけど一人じゃない」感覚を作り出しているのです。

つまり、別れているのは物理的なもので、心の中に彼はしっかり存在しているんですよね。(だから頭では次に行こうと持っても、新しい彼が入る余地は心の中にはないのです。)

だから、「もし手放してしまったとしたら、ほんとうに一人になってしまう」と不安に駆られるのです。

私たちは「一人」や「孤独」を強く怖れる生き物です。
本当に一人ぼっちになることを生来私たちはずっと怖れてきました。
(それに慣れて寂しさに麻痺してしまっている人も少なくありませんけれど。)

だから、たとえ、別れた彼に執着という手段を使ってでも「一人」を感じたくない心理がここにはあるのかもしれません。

でも、本当に一人なのでしょうか?
友達や家族、仲間等々、あなたを支える人はきっと誰かいるはずです。

このプロセスでのカギは「心を開く」ということ。
カウンセリングを受けられている方ならば、カウンセラー相手にやってもかまいません。

失恋して辛くて、寂しくて、痛くて、苦しくて・・・というとき、私たちは自分の痛みに引っ張られて周りが見えていないことも多いんですね。
自分しか見えていない時に私たちは「孤独」を感じると言ってもいいかもしれません。
だから、顔をあげて、心を開き、誰かを心の中に迎え入れてあげることで、この孤独から解放されるのです。

もちろん、彼との恋に命をかけた分だけ、それ以上の情熱は周りの人には感じられないかもしれません。
だから、それが一層孤独感を掻き立てることもあります。
でも、インパクトはなく、熱さは期待ほどではないけれど、でも、やさしく、温かく、包み込むような愛情がそこにはあるのです。

その温かさ、やさしさをただ受け取ることが、執着を手放す一歩となるでしょう。

「ほんとうに一人?」って自分に聞いてみてください。
「そうだよ、誰もいないじゃん」という声が返ってきたら、顔をあげて周りをよく眺めてみましょう。

そこにはあなたに手を差し伸べている、あるいは、差し伸べてくれる存在がきっとあるでしょう。
心を開いてその存在を受け入れたとき、あなたは安らかで、穏やかな気分に包まれます。
そうして少しずつ心の痛みも癒え、復活へのプロセスが始まるのです。

参考になりましたら幸いです。


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