「いつも○○」の影に痛みがある!?



カウンセリングでは「パターン」を見ていくことが多いんですね。
パターンというのは“いつも○○になってしまう”という“心の癖”のことです。

「就職するといつも上司とケンカしてトラブルを起こしてしまう」というのもそうだし、「稼ぎは悪くないのに、いつも“お金がない”という不安に駆られる」というのもそうです。

すると、恋愛にもいっぱいありますね。

「好きになる人はいつも妻子がいる人」
「付き合う人はいつもダメンズばかり」
「いつも3ヶ月で別れてしまう」
「いつも浮気をされる」
「いつもお金のことでケンカになってしまう」
「いつも自分からではなく、相手から言われて付き合う」
「いつもあと少しでうまくいく、というところで音信不通になる」
「始めはいいけれど、いつもだんだん言いたいことが言えなくなる」
「好きになればなるほど、いつも浮気という手段に出てしまう」
「どれだけ好きと言ってくれても、いつも体が目当てなのかな?と思えてしまう」
「最初は優しかった彼が、いつも暴力的になっていく」
「望んでいるわけではないけれど、いつも我慢して苦しい恋ばかりを選んでしまう」

・・・皆さんにも思い当たる節はありませんでしょうか?


恋をもっと楽しく、面白くするために、こうしたパターンを改善していくことを提案していきます。

望んでいるわけではないのに、なぜかそうなってしまう・・・そこに、私たちが普段意識することの無い、潜在意識・無意識のパターン(心の癖)が眠っているのです。
そして、そのパターンは心の傷が作り出すものなんですね。だから、カウンセラーはそのパターンを見つけ、その影にある傷を癒していくことを目的とするのです。

具体的なケースを紹介します。
たとえば、こんな物語はいかがでしょう?

「お母さんがとても自立的でバリバリ仕事をしていた人。一方で、お父さんは影が薄く、仕事はしていたが存在感はなかった。
お母さんはとても情熱的な人で、何でもこなすスーパーおかあちゃん。だから、憧れでもあり、鬱陶しい存在でもあった。でも、どこかでこんな風にはなれないとも思っていた。
女が自立すること、男に頼らずに生きていくことを早くから叩き込まれたので、男の人には負けたくないし、仕事でも自分のポジションを確立していくことを大事にしている。」

さて、問題です。
こうした生き方をしてきた女性に起こりうる恋のパターンとは何でしょうか???
先に挙げた「いつも~」のリストで言えば、どの可能性が高いと思いますか???

正解は・・・、、、ほとんどどれも当てはまるんです。
「言いたいことが言えなくなる」とか「体が目当て」はまあ少ないかな、とは思いますが(それでもまったく無いとは言えません)、あとはどれも可能性があります。

この彼女の心理構造(?)を見ていくと、「自立」がキーワードで、その自立を元に次のようなことが見えてきます。(これは一例で、他にもいろんな見方ができます)

1.お母さんの影響から自立をせざるをえなかった彼女、男性に対して競争意識を持っている。そのため、男性に対して心を開いたり、距離を縮めることに抵抗がある。特にお父さんが影が薄い人のため、どこかで男性を見下しているようなところもあり得る。
そこで、お父さんを投影する「だめんず」が現れやすい。また、自立して、強い女性である分だけ、バランスの法則で弱い男性が周り多くなり、やはり「だめんず」が現れやすい。
さらに、理想のお父さんを求める目的で「不倫」にはまりやすかったりする。

2.自立をした分だけ、心の距離ができやすい。つまり、人との間に心の壁を作りやすい。そのため、恋愛をしても、彼との間に壁・距離が生まれやすく、そこで「浮気」「お金」「別れ話」「ケンカ」「不倫」「音信不通」などの問題がパターン化しやすいと言える。

3.自立している分だけ、主導権争いも激しくなり、どちらが強いか、正しいかの「ケンカ」も多くなる。そして、言葉では勝てない彼が暴力という手段に訴えることも可能性として考えられる。

そして、こうした点から考えられる彼女の心の痛み(トラウマ)とは、

・かわいい、愛される女の子として生きることができなかった
・異性の親から愛情を十分に受けることができなかった
・早くに自立することで、子どもらしい弱さや甘え、感情的な部分を抑圧せざるを得なかった
・お母さんの影響が強く、自分らしさを発揮するよりも、お母さんが望む女性像を生きざるを得なかった

などが考えられると思います。

実際のカウンセリングでは、問題から入りますよね。
だから、この彼女がカウンセリングを受けるとしたら、こんな相談になることが考えられるんですね。(あくまで一例ですよ)

「実は彼氏ができるんですけど、いつも弱いタイプの男性ばかりでいつもイライラして、ケンカばかりになっちゃうんです。そんな彼も始めは優しいんだけど、中には暴力的な行動に出る人もいて、私、ほんとうにそういうのダメだから、すぐに別れるんです。でも、そうじゃなくても、なんか彼氏との間にいつも距離を感じるというか、だから、浮気したり、浮気されたりってこともありました。むしろ、他に好きな人ができて別れるってパターンが多いかもしれません。両親が不仲だったので、本当はいい彼と結婚して幸せな家庭が築きたいという気持ちは強いのですが、こんなこと言うとあれですが、それに見合う男性がほとんどいないというか、いても妻子持ちだったりして。私どうしたらいいんでしょうか?」

そして、この相談を分析していって、先に紹介したお父さんやお母さんとの関係、心の痛みの問題に行き着くわけです。
もちろん、過去の恋愛や人間関係などもとても影響するので、全てがお母さんに原因あり、というつもりはありません。でも、そのルーツであることは間違いないですからね。
その点に注目するのです。

そして、カウンセリング(癒し)の方向性とすると、

・自立を手放して、男性を受け入れていくプロセスが必要ですね。女性として生きること、女らしさを受け入れることがひとつの目標となるでしょう。これで、無理に強くなったり、頑張らなくても、十分に愛されることを受け入れ、また、女性として愛される喜びに気付くことができるようになります。

・強すぎるお母さんや、存在感のないお父さんと心の中で向き合って許していくセラピーも有効でしょう。これにより、優しいお母さん、強いお父さんのイメージが心に形成されていくことを目的とします。(あの存在感の無いお父さんの中にも、それなりの強さが意外にあったりするんですね。)
そうすると、お父さん、お母さんなりにちゃんと愛してくれたことが確信できるので、心に安定した土台が築かれます。

・子ども時代に十分に子どもらしく過ごせなかったとしたら、その心をちゃんと見てあげること(傷ついたインナーチャイルドのセラピーなど)で、本来の無邪気さ、明るさ、インスピレーション、創造性、自由などが解放され、楽に生きられるようになります。

などを提案していくでしょうか。

今回は「カウンセラー目線」での話をお届けしましたがいかがでしたでしょうか?
ちょっと見方を変えると、自分を客観的に見られてるので、新たな気付きも出てくるのではないか?とテーマに選んでみました。

皆さんのお役に立ちましたら幸いです。


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