強くならなきゃいけなくて。



ラブ・カウンセリング

先週のアンチテーゼとでも言いましょうか。
コメントにもたくさん頂きましたが、今週は「強くならなきゃいけなかった私」を特集したいと思います。

先週の趣旨は「かつて、弱くなったときに助けてもらった経験があると、恋愛でも弱さを使って執着したり、相手を繋ぎとめておこうとしてしまう」というもの。

でも、中には弱さを出しても誰も助けてくれなかった、弱さを出そうものなら思い切り殴られた、と言った経験を持つ方も少なくないでしょう。


たとえば「弟が病弱で入退院を繰り返しているときに、丈夫な私は親からも『あんたは大丈夫』『あんたが体が強くてほんま助かったわ』などと言われていて、少々の風邪や怪我はもちろん、辛いことがあっても『弟はもっとしんどいんだから』と我慢して必死に耐えた」と言う経験があったとします。

そんな彼女はとても自立的な生き方をするのですが、その内面には二つの「愛」があります。
「弟はいつも病気ばかりしてかわいそう」
「お母さんやお父さんに私が病気とかして迷惑をかけてはいけない」

案外、それが「犠牲」や「義務」のように感じてしまうこともあるみたいですが、立派な「愛」から来る思いなんですよね。

このケースは分かりやすいかもしれませんが、たとえ、機能不全な家庭で育ち、親を嫌い、反発していたとしても、その初期の初期の感情は「迷惑をかけてはいけない」「困らせてはいけない」といった思いだったりするのです。
だって、生まれたばかりの子どもはどんな親でも愛してしまうものですから。
(それが思春期の反抗期に入ると、怒り、反発、反逆と言った形に変化することも多いのですが)

そして、自分のことは何でもできるように早く自立を果たし、自分の人生を自分自身で生きていこうとします。
誰にも頼らずに、誰にも迷惑をかけずに。

だから、いつも人に与えることばかりを考えてしまいます。
自分のことよりも人のこと。
仕事でも、後輩が困っていたら、自分の仕事がいっぱいいっぱいでもつい引き受けてしまいますし、上司の期待、取引先の期待に応えるべく、徹夜してでも頑張ろうとするところがあります。

どこか、いつも人のために生きてしまうこと、ないでしょうか?

恋愛でも、つい、強い側の立場に立ってしまうので「弱い彼氏」ばかりに恵まれたり、もしくは「君は僕がいなくても独りでやっていける」と振られたりすることが多いかもしれません。

「いつも意識が“一人”なんですよね」

パートナーシップ、チームワークが苦手。まとめたり、リーダーになるのは得意だけれど、対等な関係性がとても苦手。
そんな特長を持つのかもしれません。

だって、ずっと一人だったからね。無理ないです。

でも、そんな彼女たちの中にも「本当は弱いところを出したいし、受け入れて欲しいと思うけど、そんな人、どこにいるの?」という強い思い(隠れたニーズ)があるんです。

「今まで、小出しにしても、友達も彼氏もぴゅ-っと逃げてしまった。じゃあ、もう出しちゃいけないんだ、と歯を食いしばって耐えた」経験、こういう方は1度や2度はお持ちではないでしょうか?

早くに自立された方は人に頼った経験が少ないので、要は“初心者”なんですよね。
1回や2回のチャレンジで逆上がりができるようになりたいというようなもので、もっともっと失敗があってもいいと思うんです。(もちろん、都度傷ついてしまうかもしれませんが)
何度も失敗して、経験して、頼るのもうまくなっていきます。

とはいえ、失敗するのは怖いですよね・・・。
失敗するのが怖いと、助けの求め方も非常に消極的かつ分かりにくい図になることが多いようです。また、唐突過ぎて相手が引いてしまったり、勢いがありすぎて相手を怖がらせたり。

ので、まずは「自己承認」をやってみましょう。

一人で生きている方。弱さを出したり、助けを求めたりするのも下手ですけど、受け取ることもとっても苦手。

だから、あなたがどれくらい偉大で、素晴らしいことをして、周りの人があなたに感謝しているのかをあまり分かっていないんです。
このタイプの方で「友達は多いけれど、いつも孤独を感じる」と言う方はたいていそうですし、「一匹狼でやってきた」という方は、かなり当てはまります。

友達が今までの恩義を感じてどれくらいあなたを助けたいと思っているか、
周りの同僚が、あなたの成功をどれくらい信じて疑わないか、
あなたの上司や恩師たちが、どれくらいあなたのことを信頼しているのか、
あまり分かっていないことが多いような気がします。

(おそらく、この文章を読まれても、つい「でも・・・」と反論したくなりませんか?)

あなたの行動の元には「愛」があります。かつても、今も。
だから、あなたが与えた「愛」を受け取った人たちは、今度はあなたに「愛」を受け取ってもらいたいと思っています。

「愛」という概念が苦手な方は、「思い」でいいですよ。

孤独が癒されるくらいの「思い」をぜひ、受け取り、感じてみてください。

そうすると、あなたの「愛」は「信頼」へと変わります。
周りの友達や仲間を信頼できるようになります。

信頼できたとしたら???

そう「自分の弱さを見せても大丈夫」になりますし、あなたの周りの人は「あなたが弱さを持ってることくらい、とっくに分かってるって」と言ってくれるはず。

それだけ偉大なことをあなたは成し遂げてきたのです。

強くなるために頑張ってきたあなたの中にはちゃんと「愛」があることに気付いてくださいね。
そうすると「弱さを出しても大丈夫」と周りを信頼できるようになるのです!

今日は少し心理学講座ぽい話になりましたね。
色合いの違いを楽しんでいただければ、そして、参考にしていただければ幸いです。


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