傷つけるのが怖くてずるずる付き合ってしまう。



ラブ・カウンセリング

彼(彼女)を「弱い人」と思ってしまうと、自分の行動が制約されてしまうんですよね。
好きな人、守らなければいけない人、そして、傷つけてはいけない人。

「助けたい」と言う気持ちもあるから、すごく気を使ったり、頑張ったりしてしまいます。
それで燃え尽きてしまうこともあります。やがて。

でも、「傷つけてはいけない」と思うと、そこでまだまだ頑張らなきゃ、と思い、また、頑張れない自分を責めます。

そういうとき、愛情ってあると言えるのでしょうか。
それは愛情ではなく、同情ではないのでしょうか。

そんな疑問も浮かぶかもしれません。(もちろん、答えは出ませんが)

とても恋が苦しいものになっていきます。


「あなたにとっての幸せって何?」

そう疑問を投げかけると、
「二人が仲良くいること。二人で笑っていること」
という答えが返ってくることがあります。

(一番多い答えは「それが分からなくなってしまいました」だと思うのですが)

でも、私から見ると、自分の幸せを見失ってしまっているように思えるんですね。

相手を傷つけてはいけない、と思うと、自分の言動の全てに厳しいチェックが入ります。
この発言はいいのか、この行動は彼(女)を苦しめないか。
これを言ったら、相手はどう思うのだろう?

そうして、自分の気持ちを“後回し”にしていきます。
自分がなくなっていくんです。

そうすると、結果的に相手に振り回されてしまうのが分かりますよね。
彼じゃなきゃダメなの、と彼にしがみ付き、顔色を伺っている女の子のように。

そう、心理的には全く同じなんですね。

いわゆる「依存状態」なんです。

でも、分かり難いと思いませんか?
私は彼を助ける側、傷つけてはいけないと、彼を守ろうとする側。
一見、それは「自立」側にあります。

それに、もし私が依存だとしたら、私に頼ってきてる彼が自立?

いえ、多くの場合、彼もまた「依存状態」にあります。

え?どういうこと?
パートナーシップは自立と依存のバランスなのではないの?

もちろん、そうなんですけれど・・・、でも、こういうケースは“共依存”と言われる状態なのです。

お互いに出口が見えずに負のスパイラルに陥っていく、とても苦しい状態なのです。

確かに彼は傷つきやすいかもしれません。

だから、彼を傷つけないようにすることは間違ってはいないと思います。

でも、傷つきやすいことと、弱いこととは別物なのです。
「あれだけの傷を抱えながら生きている彼は、本当は強いんじゃないだろうか?」
そういう発想もありだと思うんです。

心理学の格言にはこんな言葉があります。

「弱さの中に入れるくらいの強さ」

一般的に言う「強さ」は「強がり」であることがほとんどで、真実の強さではないケースが多いんです。

だから、傷つきやすい彼の、その中にある強さを信頼しましょう、そう提案することが多いんです。
傷ついてもちゃんと立ち直り、生きていける強さを彼は持っている、と。

相手の弱さを信頼していませんか?彼の強さを信頼しませんか?

さらに厳しいお話。
「彼は傷つきやすい人だから」と思えるのはなぜかというと、「自分も同じだから、認めたくないけど」という心理があります。(これを「投影の法則 」と言います。)

つまり、「傷つきやすい」のは私の方なのかもしれない、というのです。
ちょっと抵抗感じますよね。
違う!と言いたくなるかもしれません。だから、一つの案として聞いていただければOKです。

“助けたい症候群”というのがあります。
いつも助けが必要な人とばかり付き合ってしまう人のことなのですが、もちろん、本当に助けてあげたい気持ちもある一方で、潜在意識には「自分が助けて欲しいから、相手を助ける」という心理が隠れていることが多いのです。

さて、「こんな苦しい状況を抜け出したくて、彼に別れを告げたら、彼はダメになってしまうかもしれない。激しく傷つきすぎて危ないかもしれない」と感じているとしたら、それはもしかしたら、自分自身の内面の声なのかもしれないのです。
つまり、自分が傷つくことが怖くて、そう感じてしまっているのかもしれないのです。

すぐには受け入れられない心理かもしれませんが、でも、誰にでもある心理でもあると思うのです。ただ、助ける側、守る側に回ると、そこは自立なので、なかなか素直にこの感覚を受け入れられません。

その結果、意識的には「助ける」のだけど、内面的には「傷つきたくない」という心理によって、ずるずると関係性を続けてしまうことがあるのです。

だから、そうときは、彼の強さを信頼しましょう、と言います。
そして、その上で、自分の幸せを選びましょう、と。見つからなければ、それを探していきましょう。

「彼が傷つくんじゃないかと思って気を使ってしまう」と感じたとき、このブログを思い出していただけると嬉しいです。

「もしかしたら、私の中に、その弱さがある?」と自分を見つめなおすこともできますし、改めて、「いやいや、彼の強さを見つめよう。そこを信頼しよう。」と思い直せるかもしれません。

そして、自分の幸せ、相手の幸せ、二人の幸せを考えた上で、結論を出されるといいと思うのです。
そこで「付き合っていく」を選択したとしても、今までとはまた違う関係性(より深い絆で結ばれた)を築いていくことができるのです。

ちょっと難しかったでしょうか?
参考になりましたら幸いです。


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