優しい彼からの別れ話。



ラブ・カウンセリング

「彼はすごく優しい人で、私の事をすごく受け入れてくれました。私が望むことを何でもかなえようとしてくれるし、本当に大事にしてくれたんです。私、その愛情にあぐらをかいてたのかもしれません。彼の様子が2,3ヶ月くらい前からおかしくなって、先日の1/16(月)に「距離を置こう」って言われたんです。ほんとうに晴天の霹靂でどうしていいのか分からなくなってしまって。今はとりあえず「保留」にしてもらってるんです。何とか彼ともう一度やり直したいんです。」


最近は「優しい男性」「いい人」が多いですよね。
昔かたぎの「黙って俺に付いてこい」というタイプはだんだん影を潜め、よく言えば協調路線、悪く言えば彼女に合わせるタイプの男性が増えているようです。
男性的な面や包容力、彼女のことを第一に考える点など、草食系とはまた少し違う特徴を持つ彼ら。

そういう彼とお付き合いすると、退屈になって刺激を求めたくなることがあっても、でも、そこに流れる優しさはほんとうに温かいので心身ともにはまり込んでしまうことも少なくないですね。

だから、中には「浮気もしてるけど、本命、というか、結婚するなら彼」と思ってる方もいらっしゃったりしますね~(苦笑)

そんな彼が別れを切り出してきたり、距離を空けようと言い出したり、同棲を解消しようとしたりすると、始めは驚き、そんなことないと否定し、でも、その後、ものすごく焦り、不安になり、パニックになってしまうかもしれません。

“あぐらをかく”という表現はこの失恋クリニックでもよく出てくる表現ですが、つい、相手の愛情に甘えてしまい、すっかり安心しきってる状態(=慢心)を言います。

この状態にめちゃくちゃなりやすいんですよね。

だから、別れ話に「ありえない!」と思っちゃうんです。

さて、ここまでのお話は幾度か目にしたことがあるかもしれません。私も書きながら、こういう文章何度も書いたよなあ・・(汗)と気付きました。

でも、今回お伝えしたいことはまた別のことなんです。ここからはフレッシュな文章・・・のはず(笑)

その彼、いつ頃から別れを考え始めたと思いますか?

今回の最初の相談文の例に戻りましょう。文中に距離を置こうと言われのが1/16(月)となってますよね。2,3ヶ月前から何となく様子がおかしいと思い始めたのですから、10、11月頃からちょっと変だな、と感じてた彼女。

じゃあ、その頃からなのかな?その少し前なのかな?というと、私はちょっと違うと思うんです。

10,11月頃に様子がおかしくなったのは、「距離を置こう」とか「もう別れよう」という言葉をいつ、どんなタイミングで言おうかを悩み始めてたからじゃないかな、と思うのです。
つまり、もう、その時点では気持ちとしてはすでに決まってたんじゃないかなあ、と。

でも、10、11月と言えば、ハロウィンはともかくとして来るべきクリスマスという一大イベントを控え、準備を始める頃ですよね。
もし、高級ホテルでロマンチックな夜を、と思えば、もう部屋を押さえるのは遅いくらいですし、プレゼントもそろそろ考えなければ間に合いません。
また街にはイルミネーションが輝き始めて夜のデートを一層盛り上げてくれるわけです。
さらにその後は年末年始、お正月が控えてるとなれば、「そろそろ親に挨拶も」「初詣はどこに行こうか?」とか色々考え始めるかもしれません。

そういう中でキラキラとクリスマスを楽しみにしている彼女に「別れ」を切り出すのは、優しい彼にはとても酷な気持ちがします。(それが優しさなのかの議論は別にして)

優しい彼は罪悪感がとっても苦手。だから、彼女をできるだけ辛くさせないように用意周到に準備を進めていきます。

その結果、言い出すのが1/16まで伸びてしまったのかなあ、と私は考えるわけです。(もちろん、すべてのケースに当てはまるわけではありませんが)

さて、では、いつ頃から別れを切り出そうと考えてたんだろう?という点に戻ると、もっと前、少なくとも、さらに半年くらい前には遡るかな、と思うのです。
つまり、昨年の春頃から別れを考えていたとすると、なんかゾッとしませんか?色々な彼の言動を思い出してみて思い当たるところもあれば、逆にそんな素振りをまったく見せないので気付かなかったこともあるでしょう。
(付き合いが長く、たとえば3~4年以上にわたる場合は、別れを考え始めたのは数年前であることも珍しくないと思っています。)

さて、春から半年以上の間、彼は悶々と葛藤したはず。
彼女のことは嫌いにはなれないので、距離を置きたい、別れたい、と感じている自分にすごく罪悪感を持ち、自分を責めます。
だから、彼女に気付かれないところで、何度も気分を盛り上げようとするでしょう。
そして、その効果もあって、「やっぱりアレは気の迷いだ。僕には彼女しかいない」と気持ちを取り戻したこともあれば、逆に「あの態度は酷い。むかつく。やっぱり別れよう」と思うこともあったかもしれません。
でも、おそらく「一生懸命好きになろうと頑張っていた時期」はあると思うんですね。(それを知ると、彼女の立場としては惨めになるかもしれませんけれど)

そうして、何ヶ月、時には何年もかけて気持ちを固めていくのです。
だから、その結果、別れを切り出した彼はものすごく頑固です。
優しさゆえに「保留」にしてくれることも多いのですが、決意は固いことが多く、「やっぱりダメだよ」「もう無理だよ僕達」などと事あるごとに別れ話をしてきたりします。

因みにこういう彼と付き合う彼女は意外とサバサバしてることが多く、「別れたいと思ったら、即切り出すタイプ」も少なくないので、そんな彼の気持ちや葛藤に気付いたり、理解することは難しいことが多いんです。

だから、彼のそうした葛藤をお話しすると、中には「そんなのあたし、バカみたいじゃん。何ヶ月も愛情がなくなった彼と一緒にいたわけ?信じられない!私ならすぐに別れるのに!」と怒り出す方もいらっしゃいます。

バランスですよね。彼と彼女、ほんと正反対です。

さて、そういう別れ話を切り出されて、彼の気持ちに気付き、自分の言動を反省し、そして、やはりやり直したいと思う方も多いのですが、さて、その道筋は若干厳しいことが多いです。

その障害になるのが、お互いの気質の違い。
例えば、彼がどういう思いでこの半年~1年を過ごしてきたのか、に共感できるかどうか。つまり、彼が今まであなたの気持ちを汲んでくれたように、今度はあなたが彼の気持ちを受け入れ、理解することができるかどうか・・・。

別れたくない思い、そこから生まれる焦りから彼の気持ちを理解したつもりになっていることは多いのですが、でも、実際はどうでしょうか?

だから、「謙虚でいたいですよね」と言います。時間かけましょう、という意味も込めて。
今起きたことを一つ一つ丁寧に受け入れていくんです。
自分の価値観や考え方をちょっと横において、学習していくイメージでしょうか。

それが「まどろっこしいわい!」となりやすいんですが、自分を成長するための“レッスン”だと思って頑張ってみましょう。

さて、焦らずじっくりと自分と向き合っていると、何だかんだ友だちみたいな関係にまで戻れることはよくあります。
メールをすれば、普通に帰ってくるくらいまでは。
その先、男女の関係に戻るには、彼が悩んでいたのと同じくらい時間をかけて「お前、変わったな」と思わせる変化が必要です。

彼は優しいので、あなたのことを嫌いになれないことが多いんです。
だから、心の中ではあなたの幸せを願い、そして、あなたを傷つけた自分を責めています。
そういう態度には見えないときは、意地になってるとき。その頑なな態度を崩したら元に戻ってしまいそうだから。

「そんな悠長なことをしてる間に他の競争相手に取られちゃうじゃないの!」と思うかもしれません。
でも、そこで「それならそのときだよね」と言えるようになることこそが、謙虚さであり、彼を受け入れたことの証でもあるのです。

さて、もし、今、優しい彼とお付き合いしていて、この文章を読んでドキッとされた方。
今のうちに、少し謙虚になってみるといいかもしれませんね。
彼はきっとあなたを愛したい人。だから、もっと大きな愛で包んで貰えるはずですから。

参考になりましたら幸いです。


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