母国語みたいな元彼、の存在。



ラブ・カウンセリング

日本語を長く話していた人が英語を学び、ネイティブとも自由に意思疎通ができるようになった方でも、多少なりとも“日本語訛り”が残ったり、細かい気持ちを表現するときなどに若干不自由さを感じたり、ということがありますよね?

やはり「母国語」と言われる言語は言葉の表現だけでなく、物事の見方・考え方にも影響を与えます。

さて、恋愛にもそんな「母国語」みたいな元彼が存在しているケースがあります。


例えば、あなたに10年付き合った元彼がいたとしましょう。とても長い間、恋人としての時間を過ごしたお陰で、恋愛のあらゆる基準がその彼になってしまうんです。
特に初めて付き合った彼とそのまま長く関係が続いたり、その長い付き合いが20歳前後のとても恋愛が濃い時期と重なっていたら尚更この傾向は強くなります。

もちろん、10年といわず、5年でも、3年でも、「母国語化」することはありますが、やはり期間が長いほうが、当然、その影響は強くなるでしょう。

例えば、その10年付き合った彼がとてもマメに連絡をくれる人だったとすると、あなたの中には「恋人というのはマメに連絡をしてくる存在」としてインプットされます。
無理ないですよね。その状態で10年も続けば、それは立派な“習慣”ですから。

そうすると、その彼と別れ、失恋の痛みから抜け出し、できた新しい彼氏。当然、連絡をマメにくれると思ってしまいます。
でも、新しい彼は連絡に関しては普通の人。すなわち、元彼に比べたらあまりマメではありません。そうすると、あなたは不安になったり、不満を抱えたりしやすくなります。

本当は「その元彼がマメに連絡をしてくれる人」であり、「他の人は必ずしもそうではない」なのですが、頭では分かっていても、体が「恋人はマメに連絡をくれるもの」と思い込んでしまっているので、こういう問題が生まれるのです。

同じようなことは恋愛のあらゆる場面で言えますね。
食事の好み、マナー、笑いのツボ、好きな映画やドラマ、好みのタイプの女の子、仕事観、エッチの仕方、実家の家族構成等々、どうしても、その長年付き合った元彼が基準になってしまうんです。

もちろん、その元彼とよりを戻したいとか思っているわけではありません。

でも、その付き合っていたときの感覚がずっと残ってしまっているんです。しかも、そうと気付かないくらいのさりげなさで。言い方を変えれば「癖」のような姿で。

もちろん、2,3年付き合った彼に対しても同じようなことは起こりますが、その習慣化はぐっと弱くなります。だから、「彼がたまたまマメな人だった」という認識を持ちやすくなるわけです。

私はそのことを「まるで母国語みたいな元彼だね」なんて表現しているんですね。

そんな元彼がいると、何となく恋がうまくいかなかったり、彼ができても収まりが悪いような気がしてしまってすぐにダメになったりするんですね。短い恋愛を何度も繰り返してしまう方もいらっしゃいます。

とはいえ、現実的に母国語の影響を完璧に除外することなどとても難しいなことです。

だから、“そのことを知っておく”ことをまずはオススメしてるんですね。
その彼のこと、忘れよう、とか、過去のこととして封印しよう、とか思わないほうがいいんです。
その彼のことをちゃんと認め、その影響があることを知った上で、新しい恋に向き合った方が現実的。

そうすると、新しい彼との新しいやり方が新鮮で、面白くなっていくんです。
それは、語学が好きな方が、新しい言葉を学び、覚えていく喜びのようなもの。「へえ、日本語では○○だけど、フランス語では△△って言うのか」みたいなワクワク感が味わえるのです。

でも、失恋は過去のことを忘れようとさせます。痛いから。
その恋は封印しようとします。痛いから。
そういうときは、その痛みと向き合っていく時間も大事ですね。
自分を癒すための、時間。

恋がなかなかうまく行かないな、と思える人、母国語化してしまった元彼がいないかどうか、チェックしてみるといいかもしれません。

ところでみなさん、本当の「母国語」は誰か知ってます?

これは全員の方が持っているもので、女の子にとってそれは“父親”なんです。

参考になりましたら幸いです。


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