過去の大失恋が残す影。



ラブ・カウンセリング

1年半ほど前に紹介しました「その恋、ほんとうに過去の恋ですか? 」の続編のような感じです。

過去の失恋が、今のあなたの恋愛に暗い影を落としていることが少なくないというお話を今日はご紹介したいと思います。実は、最近、カウンセリングでよくこのテーマを扱うんです。だからちょっとした流れかなあ、と思い、1年の終わりに皆さんの心を振り返る機会に使ってみてはいかがでしょうか。

「恋愛がなかなかうまく行かなくて」というご相談を受けているとき、「じゃあ、いつからなんだろう?」って過去を振り返ることがカウンセリングの中ではよくあるんですね。


元彼は?その前の彼は?と辿っていくんですが、そうすると、ある時期から恋愛パターンが変わったことに気付くことがあります。

「21歳のとき、2年付き合って別れた彼がいたんです。彼には何でも言えたし、自分がほんとに自然だったんですよね。どっちかというとわがままなくらいで甘えてて。
でも、彼に突然別れを告げられたときには、ほんと頭が真っ白になって、受け入れるのに1年以上かかりました。
すごく引きずって、なかなか立ち直れなかったんです。
それからですね。あまり自分から恋愛に積極的にならなくなったのは。自分のことを好きになってくれる人とだけ付き合っていました。
だから、好きって気持ちが分からなくなりましたし、今の彼のことだって、たぶん、あんまり好きなんじゃないと思うんです。」

私たちはどうしても「今」の恋愛に目を向けがちですが、「今」は当然のように「過去」の影響を受けます。
だから、大好きだった彼に振られて、すごく辛くて、悔しくて、もう二度とそんな辛い思いはしたくないと思ったとしたら、その後の恋愛は「あまり深く好きにならない(本気にならない)」ように自分をコントロールするようになったりするんです。

でも、その痛みを感じたくないから・・・なんて自覚はもちろんありません。
“自然と”痛みを感じないような恋愛を築こうとしてしまうんです。
それは、例えば、あなたが右足が痛いときに、つい、それをかばって左足に負担をかけるのと同じようなもの。

だから、「恋愛がつまんないなあ」「好きってどういうことなんだろう?」「今の彼のこと、ほんとに好きなのかな?」などの曖昧な感覚が出てきてしまうんです。

でも、もし、過去に大きな失恋をしたとしても、それから10年経ってるとしたら、まさか、その影響が今に残ってるなんて想像もしませんよね。

実は私たちの「心」に時間という観念はないんです。
3日前だろうが、1年前だろうが、10年前だろうが、心の中では一緒くたになっているんですね。

だから、10年前の失恋が、今の恋に影響を与えてることだって全然珍しくないのです。

カウンセリングの中で、
「じゃあ、その21歳のとき別れた彼を、10年経った今もまだ引きずってる・・・なんて信じられませんよね?でも、案外、そうなのかもしれないですよ。あのときの自由に振舞っていた自分、何でも言いたいことが言えた自分を、それ以降は、もう隠してしまったんですよね。だから、その失恋の後は言いたいことを言えなかったり、全然自由じゃない恋愛ばかりを繰り返すようになったんじゃないでしょうか?だから、案外、まだまだ痛みが残っているのかもしれませんよ」

そうして、その10年前の失恋を癒しましょう・・・ということになるんです。

クライアントさんとしては「へ!?なんで?」という感じかもしれません。
下手すれば、顔だって思い出せない相手です。
そんな彼が今の恋に影響してるなんて・・・、ふつうは受け入れられませんよね。

でも、セラピーを始めていくと「あれ?なんで私泣いてるんでしょう?」という状態になったりするんです。

「不思議ですねー。なんでかな・・・」という気持ちになります。

10年経っては居ますが、今も、心の中のある部分に彼がいたんです。
もっと言えば、「彼のことを好きな私」が10年経っても心の中にいたわけです。

その部分を見れば、自分が好きなのはその「彼」ですから、他の人を好きになれるわけがありませんよね?

だから、頭ではすっかりその失恋から立ち直って大丈夫だと思っていても、恋愛が苦しいままだとしたら、案外、それが影響していることも少なくないんです。

多く、そんな失恋は「大失恋」と言えるものですよね?

もし、今、恋がうまく行かないなあ、と感じる方、あるいは、結婚したんだけどイマイチ夫婦が盛り上がらない、と感じる皆さん、あなたの「大失恋」を今一度振り返ってみてはいかがでしょうか?

そして、もし、向き合ってみようと思われたら、「その彼」もしくは「失恋直後の自分」にあてた“お手紙”を書いてみるといいかもしれません。(もちろん、出すものではありませんよ。)

意外な感情に気付かされ、そして、まだ少し残っていた痛みが解消されるかもしれません。
そしたらきっと、今の、これからの恋愛が少しハッピーに感じられるはず。

皆さんの恋の参考になりましたら幸いです。


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