執着してるのはその彼?その恋?



ラブ・カウンセリング

失恋して辛い思いをして、そして、もう一度やり直したいと自分を見つめなおし、悪いところは直そう、魅力をもっと輝かそうと頑張っている女の子。
でも、幾度かお話をしていくうちに何となく「あれ?」と思うことがあるんです。

彼のことが大好きで、もう一度やり直したくて、もっといい女になりたくて頑張っているはずなのに、

「恋人がいないというのはすごく寂しい」
「一人になるのが怖い」
「このままずっと誰も現れないんじゃないかと不安」
「周りはどんどん結婚していくのに取り残されるようで焦ってしまう」

などの告白を耳にするんです。


失恋後は、多くの人がそんな思いに駆られると思うんです。
辛い思いがいっぱいだし、これからの人生が凄く不安だし、依存的になったり、藁をも掴む気持ちになったり。
その気持ちもよく分かるんですよね。

でも、その告白ばかりが強調されてくると、「それって必ずしも彼じゃなくてもいいのかなあ?」と、思えてしまうことがあるんです。

すなわち、

「あなたが執着してるのは彼自身?それとも、その恋?」

これ、似ているようで、実は全然違うんです。

彼のことが好きならば、彼に執着が生まれるはず。失恋すると、彼を失った痛みで辛い思いをするんですが、彼のことが好きだったわけで「いい友達でいたい」「尊敬できる関係は続けたい」みたいな彼との関係の継続を望みます。

でも、恋に執着しているとしたら?
大げさに言えば、もしかしたら、相手は彼じゃなくても良かったのかもしれません。

「恋に恋する」という言葉がありますよね?
恋をしている自分が好き、恋人同士であることが楽しい、という気持ち。
そこには「自分」はあっても「彼」がいない関係なんですね。
そういう時は、失恋した後に「彼」ではなく「恋」に執着してしまいます。

彼に執着している場合は、彼を手放して、彼の幸せを願い、自分の幸せを受け取ることなどの方向性でカウンセリングを進めていきます。
彼を手放せば、次のステップへと自然と進めるようになります。
また、彼への感謝の気持ち、彼やこの恋から学んだこと、成長したことを実感して、受け取ることもできるようになります。

でも、恋に執着している場合は、彼への感謝の気持ちは頭では理解できるけれど、心は付いてきません。
次の恋に進もうと彼を手放そうとしてもなかなか効果が上がりにくくなります。そもそも彼に執着してるわけではないですからチグハグになってしまいます。

ところが、これって気付き難いですよね。彼に執着してる、と思いがちですから。
だから、先にあげた項目に当てはまったり、なかなか彼のことが忘れられない(と感じる)場合は、「彼じゃなくて、恋に執着してる?」と思ってみるといいかもしれません。

そして、今をチャンスと、一歩大人になる段階に来ているのかな、と思ってみてください。
ここはちょっと痛いところを通ります。したくないことも出てくるかもしれません。

10代始め、恋愛初期にはまだまだ自我が強い「依存」の時代です。
「恋への執着」というのは、いわゆる「恋に恋してる」の失恋バージョンのため、「彼」はあくまで、自分の恋の演出に必要なパーツ(ちょっと大げさな表現ですけれど)になってしまうわけです。

でも、自立して大人になっていくと、視野が広がって周りが見えてくるので、恋に恋する段階から、彼に恋する段階へと成長を遂げるようになります。
彼をほんとうに大切にしようと思ったり、自分の弱さやエゴ、ニーズよりも彼や二人の関係を大切にすることができるようになります。
そうすると更に、「恋する」ことから「愛する」ことへと進化するんですね。
これにて「恋愛」が完成するわけです。

でも、この大人になる・・・自立する・・・というところに抵抗が出てきたりするんです。
「愛してもらう」から「愛する」ことへと成長するわけで、欲しい欲しい、と思う依存心が激しく抵抗するわけです。

でも、「もう大人になる時期だよなあ」と心の中の駄々っ子を宥めつつ、自分と向き合って行きたいものですね。
そうすれば、きっともっと成熟したいい恋ができるようになるはずですから。

そういう目的で、
「どんな大人になりたいですか?」
「大人の女性を目指しましょうね」
「大人の恋ってどんなイメージがありますか?」
「成熟した男と女の関係を思い浮かべてみてください。どんな感じがしますか?」
などの質問や提案を私たちは良くします。

とはいえ、100%「恋」だけに執着してるケースもまずありません!
30%は彼に、残りが恋に執着、みたいな感じだったりするわけで、だから、結局私たちは両方を見越して、幸せな恋ができるようにあれこれと一緒に考えていくわけですね。

なかなか忘れられない失恋があるとき、ちょっとこのことを思い出してみると、何かヒントが得られるかもしれません。

参考になりましたら幸いです。


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