私たちの心は誰でも欲張りで、とってもいいものが手に入ったとしても、それでずーっと満足できるわけではないんですね。自分自身が変化し続けないと、必ず飽きて、退屈してしまいます。
「美人は3日で飽きる」
という言葉もありますよね。さすがに3日は短いと思いますが、でも、3年だったら、私もなるほどなあ、と思うものです。
皆さんも経験ないでしょうか?
辛い韓国料理を食べたら、何だか口が甘いものを求めていて、ちょっと一つまみとケーキを食べたら、今度は、また辛いものが欲しくなって・・・ということ。
恋愛でも同じですよね。
とってもワイルドで刺激的な彼と付き合った後は、「こんどはもうちょっと落ち着いた恋愛がしたい」と穏やかで優しいタイプの人に惹かれます。
そして、念願叶って「こんどの彼は縁側でお茶を一緒にすするのが似合う人なのー。すごく落ち着くし、優しいのー」と喜んでいたのもつかの間、「やっぱり老け込むには100万年早いわ。もっと男らしくて、熱いタイプの、ほら、ぐいぐい引っ張ってくれる人がいい。だって今の人、優しいんだけど退屈なんだもん。」と浮気心が芽生えたりするのです。
カウンセリングでもほんと良くお伺いします。
もう少し丁寧にみていくと、こんな心理が見えてきます。
ワイルドで刺激的な彼、というのは、ある意味ジェットコースターみたいな恋愛。
楽しくてワクワクして、テンションも上がる一方で、ずっと走り続けてるような忙しなさで、疲れてしまいます。
たまには落ち着いたカフェでまったりしたいわ、と思っても、彼はクラブで踊りまくろうとするんです。
だから、他に女がいるんじゃないか?すぐに切られるんじゃないか?って不安にもなりますし、趣味も友だちも多い彼にはヤキモキさせられることがいっぱいです。
そんな彼に感じる不満は「もっと大人の恋がしたい」「落ち着いてじっくり向き合いたい」「安心が欲しい」というところ。
だから、うまく行かなくなったときに、そういう思いを満たしてくれる相手が欲しくなります。
疲れを癒してくれる優しい男性。穏やかで声を荒げたりしない安心感のある人。私を振り回すのではなく、受け止めてくれる紳士的な大人の男性。
ところが、こういうタイプはしっぽりと過ごすにはいいのですが、カラオケで羽目を外したいときには残念ながら遠慮されてしまいます。
また、アクティブに動き回りたいときに、黙って付いてきてくれるのはありがたいのですが、ぐいぐいとリードしてくれる素振りはあまりなく、「君の好きなようにしていいよ」という、優しさなのか責任転嫁なのかよく分からない反応をしたりします。
落ち着いて安らぐんだけど、でも、刺激が足りなくて退屈してきてしまいます。
「いい人なんだと思うんだけど・・・」というのはこのタイプ。
俗に前者が「恋人にするなら理想的」で、後者が「結婚するには理想的」なんて言われるタイプですよね。
それぞれを行き来する場合もあれば、前者のタイプとかつて付き合って、コテンパンに痛い思いをして、それ以来、後者のタイプしかダメになった・・・みたいな方もいらっしゃいます。
一度、このループにはまると、腰が定まらいまま、ふらふらとしてしまう恋愛を繰り返してしまうんですね。
じゃあ、どうすればいいんでしょう?
カウンセリングでは、こんな話をよくさせていただくんです。
「あなたの中には、スパイシーな部分とスイートな部分、両方が混在していて、常に主導権争いをしているようなものなんですね。そこがうまく統合できてないので、相手を変えざるを得ないわけです。極端に言えば、二重人格みたいなもんだと思ってください。
自分の中で、その二つの部分をきちんと統合して、一つにしてあげる必要があるんです。今はどっちかというと、ライオンかシマウマかのどちらかっぽいですから。同居なんてできないですよねー。
でも、お転婆な私と、おしとやかな私は同一人物。スパイシーでスイートな私も同じ一人の人間。すなわち、甘辛な私を受け入れることを目標にしましょうね。
そうすると、両方の要素を持ったパートナーが現れちゃうんです。いろんですよ、そんな人が。それは今のパートナーがバージョンアップする可能性だってありますし、新たな人が現れる可能性もあるんです。」
このパターンを持つ方は、得てして、心に持つ器が広いことが分かってきています。
広すぎて、溺れてしまうから、どちらか一方に絞りたいのですが、それがうまく行かないようなイメージ。
でも、器が広いということは、同時に不安も招きます。
皆さんも、だだっぴろい空間に一人残されたら、きっと不安が強まると思うんです。何があるんだろう?何が出てくるんだろう?って。
だからこそ、広い器を持つ人ほど、自分自身を限定したく、狭めてしまいます。もちろん、無意識にですよ。
だからこそ、こういう恋愛を繰り返す人というのは、両方持てる人なんですね。逆に言えば、両方手に入れないと、決して満足しない人生なわけです。
それに、一人の人間の中に「天使と悪魔」が同居してるわけですから、とても魅惑的な女だと思いません?
その偉大なる魅力を受け入れること。それが「統合」でもあるんです。
カウンセリングにおいては、こんな風に宣言してください、と提案します。
「両方欲しい、と思ってください。スパイシーで、スイートな、そんな彼こそが私に相応しい、と」