私を攻撃する彼、その真意とは?



ラブ・カウンセリング

この失恋クリニックを書き始めて1年半。ざっと76本の記事を書いてきました。
今回は記念すべき77本目です。(たんなるぞろ目ってことですけど・・・汗)

・・・そして、これ、よくよく思えば本にならない?出版できない?なんて思うようになりました。(まだ具体的な話は一向にありませんけど!)

さて、これだけ書いてくると、同じような内容、重複した話をしてないかなあ、と気になるんですね。今回の話も、もしかしたら、昔の私とネタかぶりがあるかもしれません。(先に言い訳をしています)
もし、それに気付いたら、「いかにも初めて読むようなリアクション」を演じながら読んでもらえれば・・・と思います(苦笑)


別れ話のとき、別れた後、なんかキレる彼。何だかんだと私を責める彼。
罪悪感があるんだなあ・・・と思いつつも、振り回されるし、痛いし、辛い私。

俺が悪いんだ・・・と自分を責めてる姿を見るのも辛いけれど、「全部、お前のせい」と攻撃されるのも辛い。

何でキレてしまうのでしょう?
なぜ、攻撃してしまうのでしょう?

罪悪感があって「ほんとうは俺が悪い」と思っていると、その自己攻撃が転じて他者攻撃となります。でも、深層心理では「自己攻撃」も「他者攻撃」も実はイコールなのです。
(罪悪感以外にも、様々な理由で攻撃は生まれます。本文中に出てきます)

なぜかというと、パートナーは心の鏡。心理的には自分とイコールな存在です。
だから、パートナーを攻撃すればするほど、自分自身がボロボロになり、また、お互いを攻撃し合うことになればノーブローの打ち合いになって疲弊してしまうんです。

カウンセリングでもブログでも「もし二人で話をするのなら、誰か第三者を間に挟んでくださいね」とよくお伝えしている所以はここにあります。

お互いに感情の中に入ってしまうと、自分と相手の区別が付かなくなってしまうんですね。(そうすると、相手を攻撃する自分の言葉で、逆に自分自身が傷ついたりするわけです)

あ、もちろん、これは心理的なものですよ。意識的なものじゃないですよ。

また、パートナーに限らず、親でも家族でも友人でも会社の同僚でも、自分に近い存在ほど、相手は自分の心を映し出す鏡となり、また、何かのきっかけで怒りが吹き出てくると、その怒りに自分自身が振り回されて相手と自分の境が分からなくなっていきます。
だから、相手を攻撃しつつ、自分もダメージを受けてしまったりします。

特に私たちは、これ以上、自分を責められなくなったときに、他者に攻撃を向けるようになります。
誰かを攻撃しているときは、自分を責めなくても済むから。

だから、あなたを攻撃する人がいたら、その目をよく見てあげて欲しいんです。その目の奥に、何が見えるかな?と。
悲しみ、寂しさ、やるせなさ、悔しさ、惨めさ、恥ずかしさ、罪の意識、恐れ、不安、敗北感、屈辱感・・・様々なものが見えてきたりします。その感情を隠すために、攻撃は生まれるんです。

「攻撃はあなたに助けを求めるサイン」と心理学の格言にあります。

だから、表面上の攻撃的な言葉を真に受けてしまうと、なかなか真実が見えなくなってしまうのです。

とはいうものの、攻撃されるのは辛いことですし、冷静なんかではいられませんけどね・・・(苦笑)

そもそも私たちは“どうでもいい人にわざわざ怒りを向けたりしない”ものです。
大事な人だから、大好きだから、分かって欲しいから、受け入れて欲しいから、理解して欲しいから、認めて欲しいから、褒めて欲しいから、攻撃するんです。

だから、あなたの親でも子どもでも、友だちでも、上司でも部下でも、あなたに攻撃を向けるということは、その裏側にそんな欲求(心理)が隠れているのです。

だから、あなたに攻撃が向けられたとき、その人はあなたを傷つけたいわけではないんですね。どんな恨み辛みを表面上感じていたとしても、その裏側には上に書いたような欲求が隠れているわけです。

だから、その欲求、心を見てあげて欲しいんですね。
「彼、何が欲しいんだろう?」
「何を分かって欲しいんだろう?」
「何を受け入れて欲しいんだろう?」
という風に。

皆さん経験があるかと思いますが、些細なことで怒り始めて、だんだん自分でも収集が付かなくなって、さらにイライラして、何に怒ってるのか分からなくなってパニックになり、やらためったら目の前のものを攻撃してしまう、そんな経験ないでしょうか?
暴言を繰り返す彼の中にも、そうした行き場のないやるせなさ、感情が渦巻いているのかもしれません。

特に男性は女性と違って感情と上手に付き合える人が圧倒的に少ないんですね。
怒り、という感情もどう扱っていいのかわからない場合が多いのです。

とはいえ、攻撃中、ケンカの真っ最中にそんなこと思わなくてもいいです。
冷静になったあとに思い返してみて、もしかしたらそうなのかなあ?と思ってみればいいんです。

もちろん、その彼の態度に怒りを感じたり、悲しくなったりしますよね?
でも、やはりあなたも同じだろうと思うんです。分かって欲しかったり、受け入れて欲しかったり、そういう気持ちから怒りを感じたり、寂しくなったりするんだと思うんです。
そこでは二人は同じ感情を感じています。(そうして繋がっていきます)

さて、ケンカの最中に彼の怒りを受け止めることができたとすれば、あなたは本当に感情的に成熟した人。そんなあなたを攻撃する人は、むしろ、ほんとうに助けて欲しい人なんだろうと思います。
だから、そういう時は黙って抱きしめてあげるだけでいいかもしれませんね。

(注)抱きしめてあげる、ということは、怒りを発する相手に対して実はとても有効な手段なのですが、その方法だけを取り上げて実践するのは大変危険です。相手の怒りの裏側にある感情とつながった上でならば、不思議と相手も怒りを収めてくれます。相手にとって自分の本当の感情を受け止めてもらえた、と感じるからです。しかし、形だけやっても「お前に何が分かるんだ」と更に火に油を注ぐことになります。故に感情的な成熟性が求められるんですね。

さて、心が成熟していくと、そうした怒りのコミュニケーションが上手になっていきます。
自分が今、怒りを感じていること、そして、その怒りの裏側にある感情のことを相手に伝えることができるので、余計なケンカはしないようになります。

「今、あなたのその言葉にすごく私の存在を否定されたような気がして、悲しく、寂しくなっちゃった。つい、イラっとしたんだけどバレてるよね?でも、もしかしたら、あなたも今、余裕がなくていっぱいいっぱいなんじゃない?自分をいっぱい否定していない?私も余裕がなくてあなたの気持ち、受け止めて上げられなかったかもしれないけれど、もし、機会があったら話してね」

・・・これが上手いかどうかはちょっとむつかしいところなのですが、これを感情込めて、時に涙しながら話ができれば・・・だいぶ成熟したといえるのかなあ、と思います。

こうしたコミュニケーションには、“対等性”がとても大切なんですね。
“相互依存関係”とも言いますが。どっちかが上から目線、下から見上げる状態だったらうまく行きません。

もちろん、それはどちらかのせいではありません。パートナーは鏡なわけですから。

自分の成熟さが相手を成長させ、相手の成長が自分を成長させてくれます。だから、まずは「自分から」始めてみようと思ってください。

対等な、相互依存なコミュニケーションを目指して、日々、自分の感情と向き合い、表現し、失敗し、学び、成長していこうと思ってください。
こうした成熟したコミュニケーションは、40代でできればかなり早い方、50代ならば理想かな、と思います。

逆に言えば、それくらい難しいことなんですけどね。だから、元々コミュニケーションが苦手な男子にはますますむつかしいことになっちゃうと思うのです。

さて、現実的な話に戻ります。
「攻撃の影に痛みと、助けを求める声あり」
何もする必要はありませんから、まずは、その言葉を覚えておいてくださいね。

あなたの中に、しっかりそのメッセージが溶け込んだとき、自然と次の一歩が踏み出せるはずですから。


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