なぜ、うまく行かないと分かっている恋をしてしまうの?



ラブ・カウンセリング

失恋クリニックで伺う恋のご相談。
始めからうまく行かないと分かってる恋に破れた女性達とお会いすることも珍しいことではありません。

例えば、相手に妻子があったり、とても遠い世界の人だったり、何度もダメになった相手だったり、いわゆるダメンズだったり、遊び人だったり。

それぞれに固有の心理学的見解があるのですが、「うまく行かないと分かっているのに好きになってしまうのはなぜなのか?」をちょっと考えてみたいと思います。


そもそも全ての問題には「目的」があり、「うまく行かないと分かっているのにハマってしまう恋」にも何らかの目的があるんです。

例えば、うまく行かない恋をすると、情熱を強く感じることができます。苦しんだり、辛い思いをしたり、でも、ちょっとしたことで喜びを感じられたり、感情のアップダウンも大きくなります。
もし、それまでのあなたが平穏で退屈した毎日を送っていたとしたら、うまく行かない恋をすることで情熱を取り戻すことができて、その退屈な日々とサヨナラできるわけです。

また、ダメな自分を証明するために、そういう恋を選ぶこともあります。
選ぶ?
ちょっと変に感じますよね?そんな意識はもちろんありませんから。だから、無意識の選択なわけですが、自己攻撃の現れとしてうまく行かない恋に自分を走らせたりすることがあるんです。
うまく行かなかったとき「やっぱり」とか「ほうら、私には無理じゃん」とか、変な、あるいは、妙な“納得感”や“理解”があったときには、このケースを疑ったほうが良いかもしれません。

それから、そこに罪悪感があれば、恋をすることよりも、その恋に苦しんだりすることが目的になったりします。
苦しむことが目的?なんで?と思われるかもしれませんが、罪悪感というのは「自分は悪い奴だ。だから罰せられるべきだ」という感情。
だから、うまく行かない恋を使って“自分を罰する”わけです。もちろん、意識的なものではありません。

特に「なんであの人と付き合うの?」と友だちから言われるような恋をしてる場合には要注意。その恋がうまく行かないことが目的であることも少なくないんです。

またちょっと複雑なケースでは、「うまく行かない恋をすることによって、昔の恋を忘れないようにしている」という場合もあるんです。

『大好きな彼がいて、でも、うまく行かなくなって別れざるを得なくて、しばらく辛くて引きずっていた。でも、それじゃあ、ダメだと一念発起して、別の人を好きになろうとして、今の相手と付き合い始めた。始めからうまく行きっこないと分かっているけれど、今の自分にはそれが相応しいような気がしているし、やはり昔の彼以上の人はいないとも思うので、これで満足しなきゃとも思っている。』みたいな感じ。

これは傷口に塩とレモンとラー油を交互に注いでいるようなもので、ものすごく痛みが激しく、また、消耗してしまいます。
これ以上、自分を傷つけることは終わりにして欲しいな、と思うんですが・・・その元彼への執着が強く、そして、前向きに頑張る女性だからこそ、の辛さなんですね。

では、そういう恋にはまらないために、あるいは、そういう恋にハマってしまったときにはどうすればいいのでしょう?

シンプルな方法ですけれど、自分には愛される価値があり、愛する資格があり、幸せになることができる、ということをきちんと心で受け止めることです。

あなたの魅力、たくさんあること、知っているでしょうか?
あなたを愛したい人、たくさんいること、感じていますか?
あなたに愛されて嬉しい人、たくさんいること、分かっているでしょうか?

もし、この思いに抵抗を感じるとすれば、そこには癒されるべき心の傷があるようです。

ちょっと勇気を出して、その傷を見つめてみましょう。
誰かに聴いてもらうだけで、不思議とその傷が癒されたりもするのです。

心と向き合っていくと、やがて「なぜ、自分がそうしているのか?」に気付くことができます。

「自分は退屈してたんだ。情熱が欲しかったんだ。」と気付けば、その恋をあっさり手放すこともできたりします。

「そうか。罪悪感から彼を愛そうとしてたんだ。だから、うまく行かなかったんだ」と気付けば、むしろ、「今度は真実から彼を愛してみよう」と、より深い愛の存在に気付けたりもします。

もし、あなたが今、うまく行かない恋に悩んでいるとしたら、それにもちゃんと理由があります。それも感情的な理由が。
それを解いてあげれば、理解することができるだけでなく、その苦しさから抜け出すこともできるんです。

ぜひ、ちょっとした勇気を持って心を見つめてみてくださいね。

『なぜ、私はこの恋を、自ら望んで選んでいるのだろう?』

すぐに答えは出てこないもの。だから、1週間~2週間程度、思い出すたびに心に問いかけてみてください。
頭で感じるのではなく、心で感じることが大事です。
「はっ」としたり、腑に落ちたり、なるほど・・・と納得感があるものが答えです。それ以外は想像だったり、思考だったり、頭で考えていること。
ちょっと見分けはむつかしいのですが、徐々に分かるようになっていくと思いますから、焦らずにね。

参考になりましたら幸いです。


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