ごめん、もう頑張れない・・・。



ラブ・カウンセリング

「ごめん、もう頑張れない」
そう別れを告げられた方がいました。

一瞬目の前がぼーっとなって、彼が何を言ってるのか分からなくて、つい、いつもの調子で「あ、そう」と答えてしまいました。

どこかで気付いてはいたんです。
彼のやさしさに甘えていたこと。
彼の愛情に胡坐(あぐら)をかいてしまっていたこと。


その甘え方、決して素直ではありませんでした。
ちょっと気に入らないことがあると彼を責め立てたり、どうでもいいことで彼に突っかかったり。
仕事のストレスを彼にぶつけていたこともあったし、親友とケンカしたときは彼のせいにしたこともありました。

そんな時も彼は優しく聴いてくれたし、いつも「ごめん」と謝ってくれました。彼が悪いわけではないのに。

素直に「辛いから、抱きしめて」と言えばいいところを、「私のこと、全然分かってないじゃない。ごめん、て言えば許されると思ってるの?」と責め立ててました。

彼のこと、正直頼りないと思っていたし、私がしっかりしなきゃいけないって頑張ってたし、だから、口癖は「もっとしっかりしてよ」でした。

彼はずっとそばに居てくれるものだと思い込んでたんです。

そういえば、親友とケンカしたのは「あんた、彼のこと、粗末にしすぎ」と注意されたからでした。彼女の言葉はいつもトゲがあって、分かっていても、ついカッとしてしまうんです。ある意味似たもの同士。

そんな彼が「ごめん、もう頑張れない」って言ったとき、いつもの「ごめん」だと思って、つい「あ、そう」って言ったんだけど、すぐに「違う、違う」と思って、「それ、どういうこと?」って聞いたんです。

やはり、若干上から目線で。

そしたら、彼、もう私とはやっていけない、疲れた、って言ってきたんです。

これ、ほんとうにヤバイ、と思ったんです。その目が今まで見たことないくらい強くて冷たかったから。

でも、そこでも強がってしまって、「あ、そう。じゃ、いいよ」って彼に背中を向けたんです。
もう、胸がドキドキして、そこに居られませんでした。
そして、すぐに親友に電話かけて、「どうしよ・・・」って相談したんです。そしたら、涙が溢れてきて・・・。

* * *

もし、あなたが自立側の立場にいたり、普段から「私ってきついな」とか「彼に無理ばかり言ってるな」とか「彼に甘えてるな」とか気付いていたり、優しい彼を感情の処理に使ったりしているとしたら、要注意かも、です。

「彼、ほんと頼りないんだから」って甘く見ていると、どこかで“飼い犬に腕を噛まれるように” 振られたりするかも、です。

頑張っているんですね。こういうタイプの女性。
仕事にしても、生き方にしても、ハキハキしていて、元気で、前向きで。
友だちもいっぱいいるし、メイクもオシャレも手抜きはなく、周りからは自由に見えて、「憧れの女性」であったりします。

事実「別に彼じゃなくても大丈夫」なんて思ってたり、「ほかにもいい男はきっといる」と思っていたり、あるいは「今の彼以上に私にぴったりな人がいるはず」と物色していたりしてるかもしれません。

でも、その影で起きていることは“依存”なことに気付いていません。

二人のことは何でも自分が決めているから気付かなくなっているだけで、彼の存在に全然感謝が出来なくなっているのです。

かつては、こういうパターンは男性の方が多かったんですね。
仕事や遊びにかまけて彼女を放っておいたら、突然別れを告げられてあたふたするのは。
でも、草食系男子が増えたというか、肉食系女子が増えたというか、最近は、こんなご相談を耳にすることがすごく増えました。

こういうとき、彼はかなり覚悟を決めてることが多いです。
だから、何とか説得して元通りになったとしても、やはりうまくは行かないことが多いんですね。(そう、“説得”は可能なんです。あなたの方が口が立つから)

それに、こういうときの私、けっこうボロボロなんですよね。
いつもだったら、ちゃんと決めてるメイクだって抜けがちだし、挙動不審になっていつもの凛とした風情は影を潜めているし。

だから、ちょっと立場が弱いです。

それに“プライド”が邪魔することも多いですよね。
だから、素直になれません。そして、「やっぱり無理」と思わせてしまう行動に出てしまいます。

「一旦、引きましょう。そして、もう一度、彼を惹き付けましょう」

傷が深すぎて見落としていますが、ここまで彼、あなたのために一生懸命頑張ってくれたんですよね。

なぜでしょう?

あなたが命令するから?怖いから?

確かにそれもあるかもしれませんが・・・、愛情があるからですよね。好きだから、ですよね。

あなたのことが好きだから、あれだけ頑張ってくれたわけです。
もちろん、あなたの目にはそうは映らなかったかもしれませんが(いや、そんなことはありませんよね?)。

そして、あなたに認めてもらいたい、褒めて欲しい、そのために頑張ってくれたわけです。

彼の心にはちゃんと愛情があったわけです。

だから、その彼の愛をこれ以上壊さないように、一旦引くんです。

そして、彼が愛してくれた私、に戻りましょう。

彼はどんなところを好きでいてくれたんでしょう?
思い返してみて、もう一度心の中で受け取りましょう。

彼はどんなことを頑張ってくれたんでしょう?
たくさん思いつきますよね。
その一つ一つに感謝の気持ちを贈りましょう。
もちろん、自分の中でね。彼に伝えるのはもう少し後で。

そうして、彼への気持ちをしっかり確認して、選択のときです。

恥を忍んで、もう一度彼にアタックしますか?
それとも、彼を卒業して、次に向かいますか?

もし、後者を選ぶのならば、また彼との事を学びにしてスタートです。
もう、彼には感謝の気持ちしかなくなっているでしょう。

そして、前者を選ぶのであれば、ちょっと頑張り時。
なんでそうなっちゃったのか、改めて検証しましょうか。

彼を責めてしまったのはなぜ?それは感情的なお母さんの影響?お父さんが甘やかしたせい?

彼の前で素直になれなかったのはなぜ?何か男性に対してコンプレックスがあった?周りが女の子ばかりの環境にいて、彼の気持ちが分からなかった?

彼を見くびっていたのはどうして?胡坐をかいてしまっていたのはなぜ?
自信があったから?その自信、どこから出てきたんだろう。

一つ間違えると自分をひどく責めてしまいますが、でも、これは新しい“教科書”。
彼のこと、いや、男性のことを学ぶ、いい機会かもしれません。

そして、学びつつも、やはり手放しは大切。執着すればするほど、あなたが重たい女になっちゃいます。
彼を自由にしてあげましょう。その間に他の女性に取られるかも・・・という心配は横におきましょう。もしそうなったら、それはそれで仕方が無い、と思えたら最高ですね。

まずは、自分のこと、見つめなおしてみましょうね。
意識を変えるというか。

カウンセリングで、こういう話をしていると、きっと目からウロコがたくさん落ちるんです。
「え?そうなんですか?」という声をよく耳にするんです。
男性心理についてお話したとき、彼の心理を想像してみたとき、に。

「知らなかった・・・。思いもしませんでした・・・。」って。

そう、それが学びなんですね。今、一つ賢くなって成長しましたね。

さて、彼から一旦手を引きましたね。

彼のようなタイプの方、実は“罪悪感”にあまり慣れていないんです。
だから、相当の覚悟をして別れを告げたものの、内心、ものすごくビビッてることが多いんです。自分がものすごく彼女を傷つけたんじゃないか?って強く強く思ってます。
(そのとき、あなたはあなたで自分を酷く責めてるわけですけれど)

だから、さっと手を引くと、後から「その後どう?」って様子伺いの連絡が入る可能性、意外と高いんですね。彼も気になってるんです。
もちろん、その電話やメールに飛びついていません。

短く、さっぱりと「うん。一時やばかったけど、ちょっと立ち直ったかな。自分を見つめなおしてるところ。もっといい女になろうかと努力中」みたいなことを伝えるだけでいいんです。
「そっちはどう?」って聞きたいところだけれど、とりあえず最初は外したほうが得策かな。
向こうから「そのうちまたご飯でも行こう」って誘いを待つために。

あなたがさっぱりと返した分、彼の罪悪感は少し癒されます。
そして、罪悪感が癒されると、以前の感覚が蘇ってきます。二人で過ごした時の。
この辺が男女の違いなんですが、男の方が都合よく過去を捉えることが多いんですね。よく言われる「女は上書きするけど、男は別ファイルに保存する」という感じで。

だから、罪悪感が減って、安心感が増えれば、何となしに以前の空気が醸し出されたりするんです。
だから、つい彼の方も昔のノリで「また、○○行かない?」て馴染みの店に誘ってきたりするんです。

「男ってほんと、単純・・・」と実感できる瞬間かもしれません。

・・・とまあ、すべてがこううまく行けばいいんですけれど(笑)

因みにこうしたご相談。恋愛の別れ話だけではありません。
「離婚」とか「浮気」でも同じ現象、よく起きてます!

皆さんの恋の、参考になりましたら幸いです。


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