[44]私に彼氏ができないのはどうして?



<リクエスト>

男性と付き合った事がありません。少ないながらも機会はあったのですが、いざ付き合うとなるとすごく怖さが募り、何かと理由(相手の短所など)を付けて自分から逃げてしまいます。
「恋愛したい」「幸せな家庭を築きたい」という漠然とした気持ちはあるのですが‥。
何か原因はあるのでしょうか?よろしくお願いします。

(ぽぽさん)


<根本からの回答>

なかなか彼氏ができません・・・というご相談ってたくさん頂きます。
そして、ぽぽさんのように付き合ったことがない、という方も。
お話を伺うたびに、寂しかったり、惨めだったり、将来に不安を感じたり、コンプレックスを感じたり、様々な感情の浮き沈みが伝わってきます。

ただ、こうした相談をされる方に共通してると僕が感じるのは、「すぐにでも出来そうなのになあ・・・なんでかなあ?」というところなんです。
で、よくよくお話を伺っていくと、さまざまな背景が浮かび上がってくるんです。

ぽぽさんの場合は、この「すごく怖さが募る」理由というのに興味があります。
その怖れの背景にあるもの、その怖れがどこから来るのか?を見つめることで、解決案を探っていく事ができるかもしれません。

今日は一般的に思いつく限り、こうした事例の原因とその対処方法についてご紹介しますね。

○過去の失恋によるトラウマ

特に初恋など恋愛初期のトラウマが大きいのですが、思春期などのとても敏感な時期に大きな失恋をしたり、あるいは気持ちを踏みにじられたり、裏切られたり、騙されたり、と、何かしら心理的に大きなショックを受けた場合に、以後、怖くて男性に近づけなくなるケースがあります。

この頃の失恋の記憶は思春期特有の濃い時間の中で忘れ去られていくことが多いので、大人になってからは「失恋は失恋だけど、私も若かったし、そんなに大きな痛手にはなってないはず」と思い込んでる場合もあります。

セラピーなどで、その時代の自分と向き合ったときに、自分でもびっくりするくらい涙が溢れてきて、その傷の深さに気付く方もいらっしゃいます。

発掘調査みたいなんですけど、過去のこうした失恋を癒すことが一つのアプローチです。
ぽぽさんにとっては「初恋」について思い出してみるといいかもしれません。

○性的なトラウマによるもの

小学生の頃に性的ないたずらをされたり、大きくなってから痴漢やレイプなどの性的なトラウマを抱えると、無意識のうちに男性に近づけなくなります。

もちろん、そうした痛みが原因で男性不信や恐怖症になることは予想されると思うのですが、意外に、「私が悪い」とか「私はもう普通の結婚はできない」と必要以上に自分を責めてしまうことで男性を遠ざけてしまうこともあります。

つまり「私はもう穢れてしまったから、好きな人を毒してしまう。だからもう近づけない」という感じです。
(このあたりは心理学講座の「142.罪と罰の心理学3~“自分は毒である”という観念~」に詳しいです。)

やはりこれも無意識的なものが影響しているので、じっくり時間をかけてその経験を癒していくことが必要です。

ただ、こうしたケースを体験される方は一様に素晴らしい、天使のような、ヒーリングの才能はお持ちの方が多いです。

○母親からの教育によるもの

幼少期にお母さんから「男ってのはね・・・」と愚痴を散々聞かされると、子どもはそれを信じ込んでしまいますから、男性に対して一歩引いた姿勢を取りやすくなります。

また、お母さんが過干渉で色々と口出ししてくるタイプだったりすると、初恋の相手のことをボロクソにけなしたり、傷つく事を言われることが多いので、「私は男の子を好きになってはいけないんだ」といった状態になることも少なくありません。

そうして女子高に進んだり、女性の多い職場に行くと、男性に交わる機会がなく時間が過ぎていきますから、なおさらお母さんの助言が生かされることになるのです。

これはお母さんとの癒着を解消すべく、精神的に自立することも一つです。

○父親との関係によるもの

お父さんというのは子どもにとっては「男性観」のベースになります。
そのお父さんが、その機能を喪失していたり、あるいはお母さんを困らす不届き者だったりすると、お父さんを嫌悪するようになっていきます。

そうすると「お父さん=男性」ですから、基本的に「男が好きじゃない」という状態を作り出すので、学校でも男子を遠ざけるようになったりします。

この場合、男性性がとても傷つくので、恋愛だけでなく、仕事もうまく行かなくなる場合も少なくないように思えます。

ここでは、お父さんとの関係を見つめ直すことが鍵で、その嫌悪感を解消していくことが有効なアプローチです。

○環境によるもの

小さい頃から母子家庭で、学校もほとんど女子高、その後もなかなか異性と知り合う機会も無く、気がつけばいい年になっていた・・・。
というケースも少なくありません。
お父さんがいらっしゃらないというよりも、仕事が忙しかったり、単身赴任だったり、実質的母子家庭という場合もあります。

この場合、心の中に「男性」という存在がないので、実際に付き合う、付き合わないといっても、その感覚が分からなくなるんですね。

こういう場合はちょっと“男慣れ”することが必要なので、男性カウンセラー(ボランティア含む)とお話しする機会を増やすことをお勧めすることが多いですね。

この心理は「220.出会いを感じられるようになるために~心の人口比率を見つめてみよう~」に詳しいです。

*実際はこうした事例の複合型であることが多いですし、また、ここには紹介しきれないものもあろうかと思います。
パターンに分けると、こんな感じでも、けっきょくはご本人の「個別論」になりますからね。

参考になりましたら、幸いです。

=お勧め!エクササイズ=

【パートナーがいらっしゃる方へ】

今日はパートナーとの出会いを感謝する日にしましょう。
そして、パートナーと出会って、どんなに素晴らしいことがあったのか、自分の人生にパートナーがもたらしてくれた恩恵についてコミュニケーションしてみましょう。

【パートナーがいらっしゃらない方へ】

今日はそのもののテーマですので、自分自身が異性に対して、どのような思いを抱いているのかをチェックしてみるといいでしょう。

 「男(女)って○○」

この○○に当てはまる言葉を探してみてください。
「怖い」とか「頼りになる」とか「やさしい」とか、思いつく限り、2,30個探してみるといいですよ。
そして、そのリストのネガティブなものを見て、「どうしてその思いを抱くようになったのか?」人生を振り返ってみるといいでしょう。

意外な発見が得られるかもしれませんね!

男と女の心理学


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