なぜ女はしゃべり、男は黙るのか?


男女の違いを2冊ほど本にまとめたのだが、やはり男女は理解し難いと思う現場に遭遇した。
違いを受け入れると理解しようという心理が動くが、同じだと思っているとそれは不満や不安にしかならない。

ある店のマスターが私のオーダーしたフルーツカクテルを作りながらこんな話をしていた。
「女性同士でいらっしゃるとグラス一杯でそれこそ3時間も話し続けられるんですよね。売上云々も気になるんですけど、よくそこまでしゃべれるなあ、と思うんですよね。」

そこで私は「開店から閉店までひたすらしゃべり続ける妻たち」という実話や「本人たちは何らしゃべることに苦労を感じていないらしい」という分析を披露したりした。
向こうはカウンセラーだからその話題を振って来たというより、大阪から出張で来た珍しい客とひとしきり話をしたので奥の席で盛り上がってる女性2人が再び気になったに違いない。
何度かバイトくんがオーダーを取りに行っているが軽くスルーされ続けてる。

女は男よりも10倍感情を感じるらしい、という話をあちこちで聞いたし、本にも書いた。
それはすなわちセックスも10倍気持ちいいという羨ましい話ではあるが、恐怖も、寂しさも、悲しみも、不安も10倍だと思えば、なかなか天秤にはかけられない。

そうすると我々男にはキャッチできない感情を感じ、そして、我々以上の効率で燃やし続けなければいけないわけで、それはそれで大変なことだろうと推測されるのである。

なんせ10倍である。
まことに卑近な例ではあるが、我々が1杯のご飯でお腹がふくれるところ、彼女たちは10杯の飯を必要とするのである。その10杯分のカロリーを消費するだけの胃腸の強さと相当の運動を兼ね備えていなければたちまち大変な体型になってしまうだろう。

米を感情に置き換えればその運動とは「しゃべる」ということであり「ドラマを見て泣き笑いをすること」であったりする。
ちなみに強い胃腸は何に相当するのかを考えてみたところ、ハートの強さか、と1人合点した。
いざとなると女の方が肚が座ってるわけだし、とか、不安だの悲しいだのと号泣してるかと思えば「ああ、すっきりしたー」とあっけらかんとして目の前のスイーツにかじりついてたりするわけだ。

だから、女はしゃべることは必須条項であり、「ああ、今週は仕事のストレスがヤバい。週末は友達誘ってしゃべり倒さないとやっていけない!」などという男には到底理解しがたいセリフが口を突くのである。

感情は感じることで解放される。
しゃべることでその感情が整理され、排出される。
そして、それによって気持ちがすっきりしてよかった・・となる。
だから、女からしゃべることを奪ってしまったら消費できない感情が渦を巻いて大変なことになってしまう。
故にあまりしゃべらない女は時に大爆発を起こしたりする。

そんな女はその思いを男に投影して「なぜ、彼はちゃんと話してくれないのか?」という不満を露呈する。
もちろん、その逆も起きていて、そんなに長いことしゃべり続けることなどできない男は女を評して「いったい何を話してるのか、全然理解できない」とマスターと同じセリフを吐くのである。

一方、男は思考する生き物である。
「1日の終わりに暖炉の火を見つめながら一人思索する時間を男は必要する」
という話を聞いたことがあるが、まさにその通りである。

気持ちの整理を「誰かに話して処理する」のではなく、「一人になってじっくり考えて処理する」のである。
女からすれば、そんなことできるの?と甚だ疑問に感じるであろうが、男はご飯一杯で満足できる生き物である。
1人になって考えるだけで十分処理可能なくらいのキャパしかない。
それにたまに誰かにしゃべって処理することもなくはないが、それとて30分もあれば事足りる。

カウンセラーをしていて何が顕著かというと、女は何が起きたのか、どう思ったのかを延々とシェアしてくれるので分かりやすいが、男はすぐに話が終わってしまうのである。
そして、カウンセラーはその男にあれやこれやと質問をする。

しかし、情報を引き出そうとすればその思考的頭脳からあれやこれやと言葉はあふれ出てくるのに、気持ちを聞き出そうとするとふと口をつぐんでしまう。
自分が感じていることを言葉にしようとして、はてさてどの語彙がハマるのかを思考するのである。

「うーん」と言って考え込む男を見ながら、女が「男の人はすぐに黙り込んでしまって何もしゃべってくれない」というシーンはまさにこれであろう、と思った。

こんな話がある。
女はハートと口が直接繋がっているから、すぐに感じたことを口に出せる。
男はハートと口の間に頭脳があるから、いちいち考えないと口に出せない。

そんなわけで「思考」というフィルターを通った感情はたとえ、それが素直な気持ちで会っても女からすれば「嘘っぽい」ということになる。
「本当のこと、言ってよ」と思う。
フィルターを通した結果、感情がフレッシュでなくなってしまったことをその10倍の感度でキャッチしてしまったのかもしれない。

しかし、男はその意味が分からないから再び思考せざるを得ない。
そして、二人の間に微妙な溝が引かれていく。

とはいえ、男がしゃべらないというわけではない。
ずっとしゃべっている男だっている。
ただ、その内容は女からすればほとんどが退屈な時間に違いない。

知識や情報、あるいは、思考について、男はしゃべる。
先日もモルトウイスキーにあまり詳しくないという後輩に長々と「イギリス北部のスコットランドで作られる、麦を原料としたウイスキーで、その蒸留所はざっと100あって、それぞれが個性的なモルトを生産している」云々の話をあれこれとした。
元々海外好きなその彼は「へえ、そうなんですねー、よく知ってますねー」という反応をして少しは喜んでいたのだが、彼の横にいる女はいつしか興味を失ったようでメニューをめくり、あくびなどをし始めていた。

感情は記憶と結びついていると学んだ。
だから、女は昔のことを正確に覚えていて、男は過ぎたことをすぐに忘れてしまう。

思考は想像や創造を掻き立てる。
だから、男はすぐに未来のことを考え始める。しかし、女はそれは過去がきちんと整理されてからすることだと主張する。

男「もう済んだことだろ?今さらどうしようもないじゃないか。これから先のことをちゃんと考えようよ」
女「そんな先のことなんてまだ考えられない。なんでこういうことになっちゃったのか、ちゃんと考えて、反省して、直すべきところは直していかないと同じことの繰り返しになっちゃうでしょ?」
男「十分反省したし、悪いところも分かってるよ。だから大丈夫だって。もう二度とお前を傷つけるようなことはしないって言ってるんだから信用しろよ」
女「本当に反省してるようには見えないんだけど?前だって大丈夫って言ってたのに、また繰り返したじゃない?」
男「それはほんの魔が刺しただけだって。それまでは全然そんなことなかっただろ?お前のことちゃんと愛しただろ?だから、もうお前を悲しませることはないんだって。」
女「そんなの信用できない。だって話を聞くたびにいつも違うこと言うし、反省したって言いながらその態度だし、あなたのどこを見て信用できるって言うの?」

ま、そういうことである。

だから、この手の話し合いはお互いの手法が違うのだから折り合うはずがない。
不完全燃焼となって、男は「同じことを繰り返すだけ」と逃げたくなり、女は「もう1回話し合おう」と追いかけたくなる。

一説には女は金星出身で、男は火星出身だという。
だから、元々が異星人同士なんだから何もせずに理解し合えるわけがないらしい。

それが本当かどうかは別として、良いアイデア、だとは思った。

国際結婚したカップルがお互いの文化の違いを理解し合おうとするように、違いが分かっていればその違いを埋めようとするからである。

本にもそんな趣旨を書いたのだが「違う」と思って初めて理解しようとするが、「同じ」と思っていれば自分の思いや反応と異なる態度を取った瞬間に「不満」になってしまう。

自分が思っていることと、異性が思っていることとは違う。
そう思えば、じゃあ、相手が思っていることは何か?に興味が移る。

自分がいいと思うやり方と、異性が思うやり方は違う。
それを知っていれば、お互いのやり方を創造することができる。

それは試行錯誤の連続かもしれないが、でも、お互いが自分の土俵に執着して溝を掘り続けるよりはずっとマシだと思うのだが。

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