なぜ、ダメ夫(ダメンズ)と分かっているのに離れられないのか?



罪悪感や無価値感が引き金になっているケースもありますが、もう一つ「依存症」の気が影響していることも。
彼以外の存在に依存していくことで、改善していくことが期待できます。

本日も昨日に引き続き、情熱的自立系女子についてのお話でございます。
さて、私の主要なお客さま層であられますダメンズ・メーカーの皆さまにおかれましては、「なぜ、ダメンズと分かっているのにこんなに離れられないんだろう?」というご質問を兼ねてからよく頂いておりました。
昨日も、このようなご相談を複数件頂きましたゆえ、本日はこれをテーマとして取り上げさせていただく所存でございます。

さて、皆さまご自身も過去のような経験はございませんでしょうか。

「働かないのに、
 借金癖があるのに、
 ギャンブル依存症なのに、
 女ぐせが悪いのに、
 モラハラするのに・・・なぜか、別れられない・・・。」

という。これが「結婚」という形になりますと、問題はさらに深刻化していることも少なくありません。

頭ではこの人といても幸せじゃない、未来はない、と分かっています(分かっているつもりです)。
また、相談した親きょうだいはもちろん、親戚、友人からは「離婚した方がいい」という大合唱が聞こえます。
でも、なぜか、離れられないのです。

中には、離婚(別れ)を勧められることを怖れて、逆にじっとひた隠しにしている方も少なくないですね。まさに自立系女子の面目躍如と言ったところでしょうか。

実は私も「なんでそんなに自分を追いつめるようなことをするのかな?」とずっと考えて来ました。

罪悪感があるんだろうか。
助けたい症候群だからだろうか。(=私が何とかしてあげなきゃいけない)
自己価値(自己肯定感)が著しく低く、だから、そういう男性から離れられないんだろうか。(自分にはその彼くらいしかいない、という思い込み)

もちろん、これらの可能性も高いのですが、もう一つ、「こんな場合もあるんだ」ということに気付いたのです。

それは『旦那依存症』(彼氏依存症)という状態。
「症」とついてますが、そういう診断名があるわけじゃありません(たぶん)。

そもそも「依存症」というのは何かに強く依存してしまうことを言いますよね。
アルコール依存症、ギャンブル依存症、買い物依存症、恋愛依存症、みたいな。

ところが、依存症というのは「自立してなきゃなれない症状」でもあるんですね。
つまり、アルコールにしか依存できない人のことを「アルコール依存症」って呼ぶんです。だから、アルコール依存症の人は外では礼儀正しく、仕事もきちんとした人だったりします。(もちろん、症状が深刻になると働くことができなくなっていきますが)

アルコールにしか依存できない、というのは普段はいい人を演じていたり、きちんとしていたりして全然弱みや悩みを人には見せられないんだけど、アルコールを飲むとそうしたブロックが外れて弱さを出せるということです。

だから、アルコール依存症を治療していく場合は、アルコールに向かっている依存性を他のものに振り替えていきつつ、アルコールを手放していくことを目指すのが一般的です。
いきなり酒を取り上げてしまったら、行き場のない依存心が今度は別のモノに向かう可能性が高いからです。

さて、話を戻しまして、旦那依存症。
自立系女子って言うくらいですから、職場でも家族でも友達に対しても「自立」のポジションを取ってる方が多いんです。

・迷惑をかけるのが嫌い
・人の相談には乗るが、人に相談するのは苦手
・1人で何でもこなしてしまう
・人のために頑張るのが好き
・我慢しぃだと思う
・誰かをアテにするのは怖いし、恥ずかしいし、苦手
・役に立つのが得意
・面倒見がいい
・何でも1人で背負いすぎることがある
・みんなから頼られている

みたいな傾向のある方です。
だから、自分の弱さや苦しみ、悩みを出すことができず、どんどん自立してしまうんですね。
その結果、実は本当に行き詰って、けっこう苦しくなってることが少なくないんです。

そこに現れるダメンズくん。
より一層手がかかりますし、不安にさせられますし、嫌悪感も抱きますし、痛みます。
さらに言えば経済的な打撃を受けることも少なくありませんよね。

でも、それがいいんです。
はい。それがいいんです。
そうじゃないといけないんです。

他では出せない依存心をダメンズくんには出せるんです。
だから、彼の存在が必要不可欠になり、別れられないんです。
その結果、ダメンズくんとの関係が共依存状態になることも少なくないですね。

ただ、依存するといっても、素直に甘える、とか、頼る、という方法ではありません。
そんな方法を自立系女子は知りませんし、知っていたとしても恥ずかしくてできません。

ダメンズくん相手なら、他の人には見せない攻撃性を出せることもあります。
ケンカして、他の人には出せない嫌な感情を彼にぶちまけることができるんです。
もちろん、表面的には従順していても構いません。心の中で攻撃できれば。

ダメンズなところを見るとなぜか不思議とホッとする、というのもあります。
自分が出せない弱さを彼らはいっぱい出してくるからです。
これが実はかなり強く出るんです。

自分が踏ん張ってずっと隠している弱いところ。
ダメな自分、強くない自分、泣き虫な自分、自信のない自分、不安ばかりの自分・・・。
そんな自分は決して出せないんだけど、目の前の彼はそれをいとも簡単に出してしまう。
それによって自分自身もまた解放されるのです。

だから、離れられなくなります。
分かっていても別れられないのです。

どうしたらいいのか?
アルコール依存症のところに書いたのとだいたい同じです。
親、きょうだい、友達に頼るってことをしていくんです。
「実は全然大丈夫じゃないんだ」って素直に告白するんです。
難しいでしょ?
だから、カウンセラーを練習台に使ってもいいですよ。

もし、誰にも言ってなければ5人以上の人に今の状況を話してください。
ふだんから相談していても依存症が改善しない場合は、もう少し強めに頼る意識を持つといいかもしれませんね。
「助けてください」って言えますか?

そうして、夫(彼)に一極集中だった依存心を分散させていくんです。
そうすると、彼にかかる負担を軽くしていくことができます。
案外これがダメンズを矯正する手段になることも多いですね。なぜか。不思議だけど。

言ってみれば、自立を手放す、というテーマですね。
白旗を揚げて、援軍を待つわけです。

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