嘘だらけのプレイボーイくんを愛するには?

男性として尊敬でき、頭もよく、仕事もできる彼。でも、他にも女性が複数いるプレイボーイ。彼は子ども時代大きく傷ついてきたからこそ、そうなってしまうのですが・・・。
そんな彼に無償の愛を贈るにはどうしたらいいのでしょうか?

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 根本さん、こんにちは。
私には7年ほど交際している、16歳年上のまもなく還暦のパートナーがいます。
部署や立場は違いますが、同じ会社で働いています。既婚者ですが、妻とは十数年別居中と聞いています。
彼は還暦とはいえ、見た目はかなり若く、気持ちも若く、頭脳明晰、話もうまい、仕事も出来て、信頼もあります。そしてマメで、優しく、困った人を助けてあげる人です。
そんな人なのでモテますから、かなりのプレイボーイで、交際相手が切れたことはなく、常に複数人と交際していました。
元々よく話したり食事に行ったりしていて、そういう人だと知っていたので、私は彼から交際を申し込まれても、まず婚姻状態にあり、他にも交際相手がいる人とは付き合えない、とはっきりと言いました。
ですが、彼は全否定、離婚はしていないけど、婚姻状態にはない、他に付き合っている人なんていない、と物凄く熱烈に言って引きませんでした。
そこまで言ってくれる人、そして一緒にいたらとても楽しい人、そんな人の熱烈な申し込みを断れる私はそこにいませんでした。
でも、結局私も今までの女性達と同じだったんですね…。

彼はシングルマザーの彼女と私と付き合う前から家族ぐるみで交際しており、それは今も継続しています。その他に、ここ数年は30歳差の若い彼女もできています。
両方とも、それぞれの家で生活する事はもちろん、旅行に行ったり、かなり親密に交際しています。もちろん私とも、です。

結局彼の全てがウソだったんです。

年老いたお母様がいるのですが、そちらの面倒を見に行ってると言っていて、実は彼女の家にいる。
彼女と旅行に行く時は、出張と偽ったり、自分の家族を巻き込んで、大嘘劇場を繰り広げて出かけて行く。
そして最近気づいたのですが、もしかしたらシングルマザーとの間に、赤ちゃんが生まれている可能性があります。
そういった諸々の事を1年ちょっと前に知ってしまってから(偶然知ってしまいましたが、その後しばらくは追跡してしまいました)本当に毎日辛いです。

最初に知った時はあまりに衝撃で体が震え、夜も眠れず食事も摂れず痩せました。
その日のうちに荷物をまとめて出ていく事も考えましたが、自分がどうしたいか深く考えた結果、結局今も交際しております。

もしも今終わりにしたとしても、私は次もきっと同じような事が起こるだろう、というのもあります。

彼は母一人子一人、そして、非嫡出子として生まれました。
父親は養育費は出さず、お母様が頑張って朝から晩まで働いて、彼を養ってきました。
ですので、一番母親に甘えたい幼少時代を、小さな男の子は、1人で淋しさに耐えて辛い毎日を過ごしていたようです。
私はフラフラになりながら彼の特徴や行動パターンをインターネットで調べている内にインナーチャイルド、回避依存というキーワードと出会いました。

この2つが彼に関連しているとすると、幼少時の淋しさがずっと癒されないままだったとすると、彼との交際をやめる選択は私にはなく、ありのままの彼を受けとめ、尊重し、無償の愛を与えたいと思うのです。

そう決意してから1年以上経つのですが、ウソをつかれても、彼の行動が全く気にならず、幸せに穏やかに過ごせる日もあれば、いちいち気になったり、ウソがわかってどん底につき落とされる日もあります。
覚悟を決めたつもりでも、何度も何度も繰り返します。
そしてその都度自分に聞いてみて、結局もう一度覚悟をするのです。

ウソは私を守る為、という意見もあるかもしれませんが、私には彼女たちを守るため、のような気がしてしまうのです。単に自己保身、彼女たちの保身のような気がするのです。

仕事柄、本当に仕方のない部分はあるのですが、彼が言う「仕事だから」の言い訳はもう信じるのはやめてしまいました。
でも、本当に仕事かも?と期待してしまう自分もいるのです。
何度も何度も信じて傷ついているのに、まだ期待してしまう。
でも、やっぱりウソなんですよね…。

何度も傷つくけれど、それでも彼を許したい、受け入れたい自分がいるのです。
その為には自分が変わるだけ、決めるだけ、とよくありますが、それが出来たり出来なかったりで苦しいです。
こんな彼と、心穏やかに交際し、マザーテレサのように彼の全てを受け入れられるようになるには、あとどれくらいかかるのでしょうか?
毎日どのような心の状態を作っておけば楽になれるのでしょうか?
早く楽になりたいです。
長文本当に申し訳ありません。どう伝えたらいいのかわからず、こんな文章になってしまいました。どうぞよろしくお願いいたします。
(Sさん)
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“適当に端折ってください”ってメッセージも頂いていたのですが、どれも大切なところなので、プライバシーに触れる箇所を除いて、あまりカットせずにお届けしますね。

さてさて、Sさんの苦しみはよく伝わってきます。
プレイボーイくん(くん、と呼んでいいかは別として)とお付き合いしたことがある方は、多かれ少なかれSさんと同じ体験をされるんじゃないでしょうか?

彼のようなタイプとお付き合いしていこうと思えば、「助けたい人」じゃないと無理ですものね~。
彼のその孤独さや不信感や心の壁を理解し、癒してあげたい、と思える人じゃないと。

彼のその影の部分に触れると、Sさんとしては放っておけなくなってどんどん彼のことが気になり始め、何とかしてあげたくてしょうがなくなると思うんです。
さすがは情熱の女です。

さて、そんなSさんにとって「楽になる」とはどんなことを指しているのでしょうか?
彼が他の女性をすべて切ってSさんのみを見てくれる状態でしょうか?
また、彼が他の女性と遊ぼうがどうしようが、影響されず、堂々としている状態を指すのでしょうか?

前者を求めるとしたら、それは難しいですね。自分にはどうすることもできないことですから。
マザーテレサのように・・・という下りがありますから、どちらかというと後者かな?

彼のすべてを受け入れられる・・・理想ですよね。

彼が得られなかった子ども時代の痛みを受け入れ、理解し、育み、癒してあげたいと思いますよね。
ということは、Sさんは彼の「母」になりたいんでしょうか?
彼の母になって、子ども時代に甘えたかった彼の心を癒してあげたいのでしょうか?
その場合、「彼女(恋人)」としての地位を失うとしても・・・でしょうか?
彼の嘘で傷ついたり、他の女性の存在が気になる、ということは、「恋人」のポジションにも執着がありますよね。

だから、「母として、恋人として」という二つを追いかけることになると思うんですが、いかがでしょうか?

さて、その母として、恋人としての両立ってSさんにとってはどう感じられますか?
「望むところだ!」と奮い立ちますか?
「自信ないなあ」と凹みますか?

少なくても、それだけの難事業に取り組まれていることを知っておかれるといいと思うのです。

そもそも、彼は今のプレイボーイな人生を変えたいと望んでいるのでしょうか?
彼は自分が傷ついていることを知り、それを何とかしたいと思っているのでしょうか?

もし、その答えがNoであれば、それは自分の「欲」であって「愛」ではないのかもしれません。

愛は時に彼を突き放す勇気も求められます。
彼のしていることが幸せではなく、誰かのためになることでないのであれば、突き放すことも必要です。

また、愛は謙虚です。
自分が彼にしてあげられることの線引きをすることができます。
自分にできることをただ与えるのみ、という姿勢が愛です。だとするのならば、Sさんはもう十分与えて来られてるのではないでしょうか?

それ以上を望むとすれば、それは「欲」なのかもしれません。

彼はその生育過程の中で1人の人を愛することを怖れるようになってしまいました。
プレイボーイくんになるには、そうした幼少期の孤独や愛の不足は必須なんです。
女性を1人に絞ってしまったら、もし、彼女に去られてしまったら、子ども時代と同じ寂しさや屈辱や不安を感じなければいけないでしょう?
だから常に「保険」として複数の女性とお付き合いしないと心が平安にはならないようですね。逆に、こういう状態を作ることによって彼はインナーチャイルドを癒そうとしている、とも言えるんです。
もし、彼がその改善を望むのであれば、手を差し伸べることはできると思いますが、そうでないのであれば、なかなか難しい話になってしまいます。
相手がいらないって言ってるご飯を無理やり食べさせようとするものになりますから。

彼は今もお母さんが欲しいんです。自分が何をしても許して全面的に受け入れてくれ、傍にいてくれるお母さん。
それを他の女性にも求めるのですが残念ながら他の女性では務まりません。「継母」はいらないでしょ?本当のお母さんだけが欲しいでしょう?
いつかあのお母さんが「今日からずっと一緒にいてあげる」という言葉をずっと待ち続けているようなものなのです。

また、自分を愛してくれる女性を傷つけるのもまたお母さんへの復讐の物語と見て取ることもできます。僕はこんなに傷ついたんだ、だから、その痛みを分かってよ、という。

Sさん自身の話をしませんか?

>この2つが彼に関連しているとすると、幼少時の淋しさがずっと癒されないままだったとすると、彼との交際をやめる選択は私にはなく、ありのままの彼を受けとめ、尊重し、無償の愛を与えたいと思うのです。

こう思ってしまうのはなぜなのでしょう?

アダルトチルドレンにしても、回避依存にしても、あくまで彼の問題なんですね。
“Sさんとは関係ないんです。”

そういう線引きが苦手ではないでしょうか?彼のことを抱え込んで、抱きしめて、全部を自分と共有したい、何とかしてあげたいと思ってしまうんじゃないでしょうか?
そういうのを「癒着体質」と私は呼んでます。
そもそも彼のようなタイプにハマってしまう人は例外なくそうなんですけどね~。
だから、長所としてはほんとうにマザーテレサのような豊かな母性を持ちますし、それだけの強い愛の力も情熱も持っています。

こういうカウンセリングって実は少なくないんです。
Sさんと同じく、話のほとんどが「彼の話」です。
彼が言ったこと、したこと、彼の人間関係、そして、生育。Sさんのように「彼のこと」をインターネットで調べまくり、本も読み漁り、セミナーに出ても、彼を念頭に置いて話を聞かれます。
その情報は彼を理解するためには役に立つものなのですが、問題を解決する、という意味ではあまり重要ではないものなんです。

なぜかと言うと、この問題を作っているのは他ならぬSさんだからです。
だから、彼を変えようとしたり、彼に何か期待したりするのは的外れなんです。

「自分」ですから。

だから、Sさんのご相談には私は必ずこんな風にお聞きするんです。

「どうして、彼、なんでしょうね?」

なぜ、彼にそこまで惹かれてしまうのか?
人生をかけてもいいと思えるくらい、彼のことが好きなのか?

彼が複雑な子ども時代を送っていることはよく分かりますが、じゃあ、Sさんはどうなんだろう?と思ってしまうのです。

だから、ネットで調べてほしいのはむしろ「そういう彼にハマる女子の心理」なんです。

そうして、まずは「彼の問題」ではなく「自分の問題」に意識を向けるところから物語を始めていきましょう。
彼はSさんの人生に登場する重要人物ではありますが、主役ではないんですよね。

人生の主人公を「彼」から「私」に戻しましょうね。
そして、彼に対してそうするように、自分に対しても興味を持って、向き合ってみてください。

そうして行くと、彼のようなタイプの人との付き合い方が定まってくるようになります。
なぜならば、地に足が着いて、自分のしていること、自分がおかれている状況に対して、きちんと向き合えるようになるからです。

そこで選択していきましょう。彼とこれからどんな風に付き合って行こうか?どういうスタンスで関わりを持とうか?ということを。

こういう彼とうまくお付き合いしていくには、こうした「線引き」ができるだけの「自立性」が必要だと思っているんです。
彼がそういう人であることを受け入れた上で、突き放せるだけの強さを持っている存在。
だから、ある面ではマザーテレサのようで、別の面では彼のお母さんのような側面を持っている存在が理想なんじゃないかなあ、と思うんです。

その時「私は私」が必要なのは言うまでもありませんし、むしろ、彼を振り回せるような女としての自信や魅力(セクシャリティ)を自分が持つことを許していきましょう。
もちろん、その才能があるから彼に惹かれるわけですから。

イメージは「ママ」ですかね。銀座などの高級クラブというよりも、気軽に入れるスナックのママ的な感じの方が男性は近づきやすいかな。