幼少期に母を亡くした女の子の気持ちって・・・。



自分の子どもを愛せずにイライラをぶつけてしまう、というお母さん。
でも、その陰にはご自身が3歳の時に実母を亡くす、という経験がありました。
3歳の時に母を亡くした女の子。どんな思いで毎日を過ごすと思われますか?

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 先日の記事、「娘を素直に愛せない母親に育てられたらどう心を癒せばいいのでしょう?」を読みました。
このような親子関係の例は他でも見かけるのですが、私の場合ちょっと違い、母を3歳で亡くし、その後継母が来て、妹が生まれました。
母に愛してもらうと言うことは私には関係ないように思え(実際母に愛を求めていません)、むしろいつも家族の中でひとりぼっちだったなという思いがよみがえってきました。
テレビを見ていると、父に「勉強しなくていいのか」と言われ、そういわれ続けてまでテレビを見ていても居心地が悪いので、部屋にこもって勉強をし、年頃になって身支度に時間をかけると「学生なのにそんなことにばかり気が向いて」と言われ、家族で楽しいときを過ごしたという記憶がないのです。リビングでリラックスしていると、何かと怒られたり嫌みを言われていたので、いつも部屋に逃げていたように思います。父は「怒るときは上からだけど、物を買ってやるときも上から」と言っていました。
今、子供がおりますが、上の子を小さいときから虐待だと思うくらい怒り続け、とうとう祖父母宅に行ったまま、帰って来なくなりました(まもなく半年になります)。
怒りながら、私はこの子ではない何かに復讐していると思ったことが何度もあります。子供のことは本当は大好きなのです。優しくしたり、笑って話したいのに出来ず、顔を見ればイライラばかりしてしまいます。
もうこのまま子供は私の元に帰ってこないのかと思うと、自分でしたこととはいえ、本当に胸が張り裂けそうです。
私のイライラはどうしたらおさまるのでしょうか。
(Mさん)
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本当は大好きなのに、優しくできず、笑いたいのにイライラばかりしてしまう、という思いに胸が痛みますね。

また「何かに復讐している」という思いを感じられていることも、Mさんが自分自身と少なからず向き合ってきたことかと思います。
ふつうはなかなか気付くことではありませんので。

3歳でお母さんを亡くした女の子ってどんな思いで毎日を過ごされると思います?
お子さんがいらっしゃるなら、想像しやすいかもしれません。
どんな風にその現実を受け止めるでしょう?
記憶はあまりないと思いますので、ご自身の母としての体験や、あるいは、周りの子どもたちを見て想像して頂いても構いません。

そして、小さい女の子がお母さんの愛を求めなくなるまでに、どれくらいの葛藤や我慢や悲しみや寂しさがあるでしょうか。

「今日からこの人が新しいママだよ」と言われて、それを素直に受け入れられるでしょうか。そして、その“人”の存在を受け入れるまでにどれくらいの時間がかかるでしょうか。

お父さんの「上から」の態度、継母と妹。この家族の中で居場所を見付けろって言う方が無茶だと思うんですよね。ふつうの場合。

もし、かつてのMさんに優しい祖父母の家が近くにあったなら、もしかしたら、Mさんのお子さんと同じことをMさんはされていたかもしれません。
つまり、祖父母の家に行ったっきり帰らない、という。

上のお子さんって「自分自身」なんですよね。
特に同性の子ども(すなわち娘)ならなおさらに。

上のお子さんが3歳になったとき、Mさんの感覚は3歳の時の自分を思い出しています。
ママがある日突然、いなくなってしまうんです。
自分を捨ててどこかに行ってしまうんです。

そして、上からの父親と取り残されました。

その後、自分自身に対してしていたことが、上のお子さんに対してしていた態度です。
イライラして感情をぶつけたのは、当時の私が行き場のない怒りや理不尽さや、その奥の寂しさや悲しさでいっぱいだったからかもしれません。

つまりはそのイライラ、今のMさんの心の中にあるものではなく、はるか昔、子ども時代にお母さんがいなくなったことから生まれたものじゃないかな、と私は思うのです。

それがお子さんが生まれたことで噴出し始めたのかもしれない、と。

イライラは怒りの表現の一つですが、「怒り」というのは「感情の蓋」と呼ばれ、その奥にある感情を隠すために使われるものでもあるんです。
イライラの奥にはどんな感情が隠れているのでしょうね。
「本音」って何なのでしょうね?

少し時間をかけて封印してしまったMさんの心を解いていきましょう。
インナーチャイルドって言葉、聞いたことありますか?
心の中にいる3歳くらいの女の子。
その子を笑顔にしてあげる癒しのプロジェクトを発動させてましょう。

イライラしてしまって苦しいのはお子さんもそうですけど、何よりもMさん自身のはずです。
だから、MさんがMさん自身に愛を贈ることから始めていきます。

今日お伝えした質問を一つ一つ時間をかけて想像してみてください。
「想像(イメージ)」は潜在意識と繋がる有効な方法なんですね。

3歳の女の子がお母さんを亡くしたならどんな気分なんだろう???っていう風に。

そうして、自分自身の心を整理していったとき、お子さんに対する思いも変わっていることに気付けるでしょう。
もちろん、自分がしてしまったことを今さら取り返すことはできません。

でも、お子さんに対して素直に謝罪できたり、この出来事から学ぶことでお子さんの存在に感謝できたり、何よりも素直に、笑顔で、お子さんに愛を与えられたりできるようになるでしょう。

だから、まずは、自分自身の心と向き合うことから始めていきましょう。

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