『頭と心が一致するとすっきりする』応用編



先日の記事にとてもいい質問を頂きました!ありがとうございます!

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本日の根本さん記事の『頭と心が一致するとすっきりする』についてです。
一致したときの結果が社会的に好ましくないときはどうしたらよいのでしょうか?

例えば1、浮気していた→妻に知られて止めた→モヤモヤ→でもやっぱり彼女が好き→また会う→一致してすっきり→浮気継続

例えば2、夫が浮気している→離婚を迫られる→妻はしたくない、でもモヤモヤ→離婚に応じる事に→あれ?すっきり→でも離婚を知った子供がパニック

すっきりはしますが、混乱しちゃいます。
考え方が知りたいです。
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確かにモヤモヤしますね~。
頭と心が一致するとすっきりするのですが、じゃあ、こんな場合はどうなの?というケースが出てきますよね。
それで混乱してしまうことも無理ないことかと思います。

頂いた質問は「応用編」になりますね。
前回より一歩踏み込んだお話をさせて頂きますが、できるだけ分かりやすくお伝えできればと思います。


まずは「一致した結果が社会的に好ましくないとき」というところなのですが、この「社会」と「心」というのはちょっと別次元の議論になってしまうんですね。
つまり、社会的に好ましくないことだから、って心がそれに従うかどうかは分からないんですね。

倫理だったり、社会性というのは、人間が共同社会を築く上で必要になってきたことなので、心は必ずしもそれには縛られないのです。
住む社会によって、あるいは時代によって、その好ましさは変わるわけですしね。

つまり、現代では不倫や浮気は「社会的に好ましくない」とされていますが、それは「心」の世界だとまた別の話になるんです。

すなわち、浮気や不倫はいいの?離婚して子供がパニックになるのは仕方がないの?という点については、社会的にはタブーの風潮がありますが(特に不倫とか)、しかし、「心」から見るとまた違う観点になるんです。

ややこしいでしょ?だから応用編なんです。

だから、その「心」という視点から見ると不倫や浮気であっても、彼女のことが好き、一緒にいたい、という気持ちは素直な気持ちです。
心がそう感じている以上、それが素直な気持ちであることに違いはありません。

だから、例えば1のように「でもやっぱり彼女が好き→また会う→一致してすっきり→浮気継続」というのは、心の世界ではふつうに起きてしまいます。
実際、多いでしょう?
社会的にはNGだと思っても、どうしても心がそれを求めてる!と感じてしまい、行動に移してしまう人もいるのです。
特に禁止されているものほどなぜか魅惑的に見えてしまうのも心の現象の一つ。
理性でどれだけダメだと思っていても、心はそれを求めてしまうこともあるのです。

しかし、よくよくその「心」を見て行きましょう。

やっぱり彼女が好きだからと浮気を継続するA氏。
さて、本当に「心はすっきりしている」のでしょうか?

彼女との関係においては「好きだから一緒にいる」ということですっきりでしょう。
でも、奥さんのことを思うとき、周りの目を意識するとき、また、子どものことを考えたとき、果たしてA氏はどれに関しても「すっきり」なのでしょうか?

もちろん、本人は見ないようにするでしょうけれど、やはり罪悪感を感じると思うんです。(だから、浮気してる本人は自分の態度を正当化したりしますね。罪悪感があるから、正当化するわけです。)
奥さんの前では浮気を隠すでしょうし、会社の人にバレないようにデートをするでしょうし、子どもたちには間違っても言えないでしょう。

だから、その点では全然すっきりしていません。
そういう意味で、たとえ彼女のことが好きでも、心全体から見ればすっきりしないから、それって幸せなことかなあ、と思うのです。
それが心の見方です。

だから、心のスッキリ度から見ても、やはり不倫・浮気はよくないんじゃないかなあ、と言えるんですね。

じゃあ、実際どうすればいいの?となりますよね。
彼女のことは好きなんだし、会いたいし!と。
そこでカウンセリングの登場なわけです。

「どうして奥さんがいるのに、罪悪感を感じると分かっているのに他の女性を好きになってしまったのでしょう?」

という観点から見て行くんです。
社会的にタブーだからダメじゃないの!やめなさいよ!とはならないんです。

「そうなってしまう何らかの原因があって、そうならざるを得なかったのでしょう。
だから、その原因を解消していくことができれば、もっと幸せな選択ができるのではないでしょうか?」
という考え方です。

よくブログで「起きてることはすべて正しいこと」ってお話をしますが、不倫はダメだから辞めなさい、と説いてやめられるならとっくに辞めてると思います。
でも、そこに行かざるを得ない理由があるとしたら、その理由を何とかしなきゃいけないんじゃないの?という方向で見て行くんですね。

※ちなみにA氏の奥さんがカウンセリングに来られた場合も同じように「なぜ、ご主人は他に好きな女性を作らなければいけなかったのでしょうか?」という視点からカウンセリングを進めて行きます。

また、例えば2のケースはどうでしょう?
今度は離婚して奥さんが「すっきり」したけれど、子どもたちはパニックですね。

パニックになった子どもたちを見て、奥さんは「すっきり」なのでしょうか?

「離婚に応じる事に→あれ?すっきり→でも離婚を知った子供がパニック」ではとどまらず、さらに「→パニックになった子どもを見て妻もパニック→全然すっきりしてない!」ということになりませんか?

ただ、実際に離婚がNGかというと、必ずしもそうではないんですよね。
子どもたちにとっては、パパとの関係で苦しむママを見たくない、というのも事実あります。
子どもたちはパパもママも大好きで、パパが笑ってる、ママが笑ってる、というのが最高の幸せです。
しかし、2人ともふさぎ込んでいたり、ケンカしていたりするのであれば、どちらか一方であったとしても、ママが笑顔になれる選択が、長い目で見たときに結果的には子どもたちのためになることもあるのです。

離婚せずにずーっとケンカばかりしている両親を見ながら育つ子どもが幸せか?というと違いますよね。
離婚して片親になってそんな子どもは不幸なのか?というと必ずしもそうではありませんよね。

そんな風に「心」の面で見て行くと、挙げて頂いた2つの事例もちょっと違う見方ができるのではないでしょうか。

理解にお役立てできれば幸いです。

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