無意識に大事にしてるルールがちょっと痛い。



幼少の頃から当たり前のように持ってきたルールを私たちは持っているものです。
ただ、そこにはメリットもある反面、「ちゃんとする」がルールになると人前で弱さを出せなくなるようにちょっと辛い部分も。

私たちは子どもの頃から当たり前のように身に着いた習慣を持って生きています。
癖、と言ってもいいでしょう。
行動の癖もあれば、考え方、感じ方の癖もあります。

例えば「何でも前向きに捉える」という癖を持ってると、いいですよね。問題が起きても前向きに捉えられます。

でも、逆にそのルールが自分を苦しめることもあるんです。
しかも、それは「良かれ」と思って持っているものだったりするから、少し痛いんです。


「人前でちゃんとする」というルールを持っている人、意外と多いんじゃないでしょうか。
身だしなみももちろん、言葉遣いや態度も。

それは誠実さ、清潔さ、気持ちのいい人、信頼できる人、ちゃんと受け止めてくれる人、話ができる人、いい人、などの高評価を得ることに役立ちます。

でも、このルールを持っていると、自分がしんどいときになかなかそれを表現できない、という問題が出て来てしまうんです。
だから、得てしてこのタイプの人は

「問題(悩み)がなさそう」
「しっかりしてるから、何でも自分で解決しちゃいそう」

などの評価に繋がってしまいます。
そんなタイプの方が勇気を出して人に相談しても

「私なんかが○○ちゃんの悩み解決できないわ」

と拒絶されてしまうこともあります。

これは切ない話ですね。

また人前ではちゃんとしなきゃ、という癖が付いているから、カウンセリングの中でも気丈に振舞ってしまいます。
無意識だから、癖だから、なかなかそこが崩せないんですね。

だから、そういう方には敢えて“崩して”頂くようにしています。
カウンセリングルームではソファに座って頂いてお話をするのですが、
「リラックスするんだったらソファにどう座りたいですか?」
などとお聞きして、その通りにして頂くんです。

敢えて「ソファの上に正座してみてください」なんて言うこともあります。
寝っころがりましょうか?なんて言うときもあれば、胡坐をかかれる方もいました。

そうするところでもちょっした「崩し」になります。

そういう方がカウンセリングの中で、あるいはセラピーの中で涙が出てくると、それだけでびっくりされる方もいます。
人前で泣く、と言うことがなかなか許せなかったのかもしれません。

でも、それがきっかけで心がパーッと開いて楽になるのです。

泣く、と言えば、男性がよく持ってるルールに「感情は抑圧するもの」というものがあります。
だから、カウンセリングでもセミナーでも、泣きたくなったときにグッとこらえてしまうんです。
でも、それを越えて、少しでも涙を流すと、それだけで人生が変わり始めた例によく遭遇します。

私たちはこうした無意識のルールを数百、数千持っていると言われています。
どれも子ども時代から無意識に身に付けたもの。
だから、それが存在していることにも気付かなかったりするのです。
自分にとっては当たり前の物だから、それが原因だとは思わないんです。

「ちゃんとしなきゃ」というルールがある方は、他人にもそれを無意識に強要してしまいます。
それが不和の原因になることもあるんですね。

だから、問題がそれを教えてくれるんです。
「そっか、ちゃんとしなきゃ、って思いすぎていたんだ」と。
それは長所でもあるんだから、直す必要はありません。

ただそれに気付いて「緩和」してあげるだけ。

「ちゃんとできないときがあってもいい」って許可を出してあげるんです。

これだけでね、ほんと、もう、すごく楽になっちゃった方がいました。

とはいえ、無意識なんだから気付きようがないんです。
だから、焦らなくても大丈夫。
問題がそれを教えてくれるから。

それくらい余裕を持っていても大丈夫なんです。

出てきたときに、何とかする、
気付いたときに、何とかする、でいいんです。

毎日使える心理学講座

こじれたココロのほぐし方 頑張らなくても愛されて幸せになる方法
 ★好評発売中!根本裕幸の近著。


あわせて読みたい