しんどいところに留まる、という選択もあっていいんです。



下手に何とかしようとして余計に深手を負うこと、ありますよね。
それならば、いずれこの苦しみは去っていくもの、とじっと待っているのも前向きな選択なのです。
なぜならば、そこには信頼があるからです。

先日、台風8号が来日の際、沖縄で大変なことになってましたよね。
で、すごいなあ、と思ったのが、沖縄に滞在していた複数のフェイスブック繋がりの友人が外の様子を動画でアップしていたんです。
それはもうすごい風、雨で、すごい・・・こわい・・・と思ってしまったのですが、ある方が「停電」を実況中継されてました。

停電して何時間か過ぎ、部屋の温度は上昇中。
蒸し暑いけど、エアコンも扇風機も使えず、冷蔵庫は機能を停止中。
窓を開けたらえらいことになるのでそれもできず、ぬるい空気の中でただ嵐が過ぎ去るのを待っていらっしゃいました。

夏の暑い最中に(沖縄は梅雨明けしてますからもう真夏です)、そんな中でじっとしてるって・・・想像するだけでむわーんと汗がにじんできます。

でも、だからって外に出るのは危険ですね。
何が飛んでくるか分からない、自分が飛ばされる危険性だってある・・・だから、家の中にいるのが最善。


ある方はこんなコメントを書かれてました。
「沖縄のおじいもおばあも台風が来ると外に出ない。出れば危険なことを知っているから。畑や家が心配でも一切外に出ない。だから、これだけ大きな台風が来ても沖縄では死者が出ない。」

もちろん、台風対策の話をしたいのではありません。

ココロもそういう時があっていいのであないでしょうか。

すごくしんどいとき、辛いとき、絶望しているとき、苦しいとき・・・。
そんな時にそこに留まるってさらに絶望的な気持ちになるでしょう。
不安から一刻も早く抜け出したい、この怖れが早く去って欲しい・・・。

でも、時にはそこに留まることも大切なんです。

慌てて何とかしようと外に出るよりも、嫌だけど、辛いけれど、苦しいけれど、そこに留まり続けるのも一つの勇気であり、選択なのです。

それを早く抜け出したい一心で外に飛び出してしまうと、さらに別の苦難が襲い掛かるかもしれません。

必要なことしか起きないから。

台風も悪いことばかりではなく、浄化の働きをしてくれるそうです。
海の水をかき回し、流れを作り、山や街の空気を浄化します。
珊瑚はその恩恵をとても受けているそうです。

私たちの人生の起こる嵐もさらなる成長のため、自分自身を見つめ直すため、更に大きな自分になるため、(そして、人生の退屈を紛らわすため・・・)、に起こるのです。

なぜ、沖縄の人は家の中でじっとできるのか?
それどころか、これ幸いと家の中で宴会までするのか?

台風はやがて去っていくことを知っているからです。
沖縄の台風は時に停滞しますよね。
何日も居座ることもあります。

でも、1か月もそこにいるわけではありません。
数日経てば、去って行きます。

“台風を信頼している”のです。いずれ、この地を離れて行く。

問題も同じです。
どんな苦しみも辛さも、一時的なモノです。
やがて去って行きます。

だから、そこに留まったとしても大丈夫なのです。

それを信頼してみませんか?

気象庁みたいに「進路予想」を出してくれたらもっと気楽かもしれませんが、私たちは気象庁が出来るずっと前から台風とお付き合いしてきましたよね。
進路予想が出る前から、「この嵐はやがて去って行く」ことを信頼できていました。

ココロも同じです。

自分に起こることは必然、と信頼し、
だから、この苦しみにもきっと必要がある、と信頼し、
やがてこれも去っていくだろう、と信頼する。

それでもいいのではないでしょうか。

家の中は暑くてかなわんと外に飛び出して、飛んできた看板に頭を直撃して、3か月入院・・・みたいなことになりませんように。

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