デッドゾーンを越える~自分を変えるための必要なこと~



行き詰りを越えるには「嫌なこと」をする必要に迫られます。
自分でできることは大抵やってしまってるわけですから、残っているのは・・・ですね。
でも、確実に新たな世界が拓きます。

関係性でも人生でも、いわゆる「行き詰まり」というところに来てしまうことがあります。
どうしていいのか絶望的な状態、もう終わりなんじゃないかと思う状態、もがけばもがくほど状況が悪化していくような状態・・・茫然自失としてしまうような状態。

心理学的に「デッドゾーン」と言われる領域です。

正確には、そうした状態を越えて「もういいよ」と何もかも諦めてしまった状態が「デッド(死)」なのですが、実質的にはもう少し広義に使うことが多いようです。


さて、どうして「行き詰る」のかというと、できることはたいていやったからです。
だから、この状態のカウンセリングは時に押し問答みたいな感じになることもよくあるんですね。

私:「○○という方法はどうでしょう?」
客:「それはもう試してみましたが、ダメでした。」
私:「じゃあ、□□とかはどう?」
客:「それもやってみたんですが・・・でも、うまく行かなかったんですよね。」
私:「じゃあ、△△もやってみたんですか?」
客:「ええ、始めは良かったんですけど、結局は行き詰ってしまって・・・」

こんな感じです。

提案型のカウンセリングを標榜する私自身が行き詰まりを感じる瞬間です。

余談ですけど、クライアントの状態はカウンセラーに伝染するものです。
クライアントが怒りを感じていれば、カウンセラーも怒りを感じ、
クライアントが行き詰れば、カウンセラーも行き詰ります。

そこを先に抜けることでリーダーシップを示すのがカウンセラーに与えられた重要な役割です。

だから、行き詰ったところでカウンセラーが投げ出しちゃいけないわけです。
何かある、何かある、と意識を広げていくのです。

デッドゾーンに陥るくらいですから、できることは全部やって来られてるわけです。
手が尽きたからデッドゾーンなわけです。

でも、実はそれでもやってない領域があるのです。

それは・・・「やりたくないこと」。

一人でやるときって、どうしたって「できること」とか「やりたいこと」とか「この方法なら行けるんじゃないか?」というものを選びます。

嫌なこと、やりたくないことは見ないようにするか、理屈を付けてしないことを正当化します。

だって嫌なんだもの。

例えば、とても自立的にバリバリ頑張ってる人にとっては「助けを求めること」がタブーです。

相手の気持ちを汲んで、相手に迷惑をかけないように先々を読んで行動する気が利くタイプの人は「相手を突き放すこと」ができません。

お父さんとの葛藤を長年続けてきた方には「お父さんに対して負けを認めること」は屈辱的過ぎて絶対にしたくありません。

提案する方も勇気要るんですよ。
だって、へたすりゃ、嫌がらせでしょう?(笑)

もちろん、理屈はこねますよ。私も(笑)
理論武装には理論で挑みます!(嘘です)

自立的に頑張ってきた人にはこんな口説き文句を使います。
「あなたの近くであなたを見てる人が、どれくらいあなたの役に立ちたいか?あなたがピンチな時にはあなたを助けたいか?気付いていますか?」などと。

気が利くタイプの方にはちょっと脅しっぽく聞こえるかもしれません。
「そこまで面倒を見てしまうと、相手の人は自分で何かをすることができなくなります。つまり、自分で問題を解決することができなくなってしまうと思いませんか?その人のために突き放してあげることも愛なのではないでしょうか?」とか。

お父さんとの葛藤については・・・
「そろそろ、気付いているんじゃないでしょうか?お父さんのこと、ちゃんと扱った方がいいって。向き合っておいた方がいいって」と、外堀を埋めた後に伝えたりします。

『根本さんって性格悪いよね・・・』

そう思った人、、、、正解!(笑)
カウンセラーって「ああ言えばこう言う人」ですから・・・。

でも、そうして自分の枠の中から外に出たところに答えがあるのです。
それは新しい人生、新しい価値観、新しい世界を手に入れること。

デッドゾーンを越える秘訣はコレなのです。
「嫌なことをする」

でも、どうせやるなら、堂々と、笑顔でやりたいですよね。
みんなのサポートを受けながら。

もちろん、逃げても大丈夫。
ていうか、逃げるのも大事。
逃げるときは全速力で。

おそらく、いずれはやらなくてはいけないこと。
今逃げても、また今度その機会は訪れます。

なんせ、自分の枠を広げるために自ら望んで起こしてることですから。

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