自分がしんどいときはパートナーもしんどいとき。でも、それが見えなくて問題が大きくなってしまう。



自分がしんどいときって、たいていはパートナーもしんどいときみたいです。
実はこれ、パートナーシップに限らずとも仕事でも同じことが言えるんですけどね。

自分に余裕がないとき、パートナーにも余裕がありません。
ただ、余裕がないからそうと感じられないのが問題で「なんで私ばっかり頑張らなきゃいけないのよ」「あいつは何でそんな呑気でいられるんだ」みたいな文句が出てしまいます。

いっぱいいっぱいの時って、ほんと自分のことしか見えませんよね?
そういう時は感情をぶつけたり、無理難題を吹っかけたり、頼ったり、我慢したり、犠牲したり、をお互いにしてしまい、2人の間に大きな溝が生まれることになるのです。


例えば、初めての子育てに必死になっている奥さん。慣れないことの連続でストレスも溜まります。ご主人のサポートを必要とするのですが、肝心の彼もまた仕事が忙しくなって余裕がありません。
でも、そのストレスを吐き出す先がご主人しかいないので、疲れて帰って来た彼にあれこれ話を持ちかけたり、仕事中にあれこれと悩みをメールしたり、時には感情的に彼にぶつけてしまったり。
彼は彼で始めは一生懸命受け止めようとしてくれていたのですが、ある時、ぷちんと切れてしまい、彼もまた感情的になることが増えました。
子どもが生まれて幸せなはずなのに、険悪な空気でいっぱいな家庭になってしまいました。

彼女は「初めての子育てでいっぱいいっぱいなのに、もっと手伝ってくれたらいい。仕事よりも家庭の方を優先してほしい。」と思っています。
彼は「生まれてきた子どものためにも仕事を放り出すわけにもいかない。何とか頑張って成果を出さなければ」と思っています。
もちろん、余裕が多少でもあるときは「彼なりに頑張ってくれている」「彼女は本当によくやってくれている」と思えるのですが、その余裕がなくなったら不満にしかならないのです。

そんな話を伺うと、やはり切なくなりますね。
まったく悪意のある話ではないですから。
お互いに一生懸命やってるのに、と思えば思うほど、その溝、何とかならないか、と思います。

だから、感情をぶつけあってしまってもしょうがないよなあ、と思います。
お互い必死なんだから。
それで溝が空いてしまったとしても、また埋めればいい、と思います。

だから、まずお伝えしたのは「自分が一生懸命やってることを認めてあげること」。
意外とこれ、できてないです。
相手に認めてほしい、何とかしてほしい、と思うものの「私、えらいわあ~」と褒めてる人、あまりいません。

それから「しゃあないよな」と前向きな意味での諦めも役立つと思って提案することが多いです。
「お互い、いっぱいいっぱいだった。誰も悪くない」って思うこと。

そして、ぜひ、このことを知っておいてください、とお願いします。

『自分だけがしんどいのではなく、そうは見えなくてもパートナーもしんどい時』

物事には流れがあり、いい時もあれば、悪い時もあります。
パートナーって同じ舟に乗ってるわけですから、舟が急流に差し掛かれば、お互い同時に大変な状況になります。
自分だけが舟にしがみ付いて、彼は隣で呑気のトランプしてる、なんてことはあり得ないわけです。
でも、そこで、自分のことばかりに意識が向くと、そのようにしか感じられなくなります。

だから、『今、お互いしんどいときなんだ。』と思うことは、そこでのつながり、協調意識を持つことができます。

そして、『今、できることをしよう』。

しんどいときこそ、今、できることを探して、今できることだけをする、のが一番効果的なんです。

いっぱいいっぱいになって自分を見失ってしまうと地に足が着かなくなるんです。
ふわふわしてしまいます。
『今、できることって何?』という問いかけは、そんな自分を「今」に引き戻してくれます。

もちろん、その「今」がしんどいように思えるんですが、本当は未来だとか過去に意識が向くと苦しくなるのがほんとのこと。
だって、未来も過去も自分にはどうすることもできないものだから。

だから、『今』なんです。そうするとグラウンディングができて不思議と余裕が戻ってきます。
そうするとパートナーも舟のヘリにしがみ付いている姿が見えて来るようになります。

お互いに急流に差し掛かること、人生の中では何度も起こります。
それは成長期であり、変化を促す時期であり、また、お互いの絆を深める時期なのです。

まずは知ることから始めてみませんか。

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