問題が起こるには麻痺があるものです~“ゆでガエル”の話、知ってますか?~



問題が起こってくるところには様々な麻痺が絡んでることも多いです。
ハードワークは、仕事を最優先するあまり、プライベートな人間関係や自分自身の心身については気が回らず、そこで問題が生まれてきます。
ハードワークがたたって離婚したり、気が付けば休日を過ごす友人がいなかったり、病気になったり。

でも、いきなり離婚になるわけでも、体調を崩すわけでもありませんよね。
それまでに何度もメッセージが出ています。
奥さんから、体から、友人、同僚から。
しかし、そこを無視して仕事の方に意識を向けてしまいます。


パートナーからDVやモラハラを受けている場合も感覚が麻痺していくでしょう。
客観的に見れば「どう考えてもおかしいことをされている」のに、ずっとその場にいるともうそれに気付けません。

同じようなことは母子癒着、アルコール依存、借金、ギャンブル、過食・拒食、セックスレス、様々な問題に出てきます。

“ゆでガエル”の心理ってご存知でしょうか?
沸騰したお湯にカエルを放り込むと、あまりに熱いのでカエルは必死にそのお湯から脱出しようとします。
しかし、冷たい水にカエルを入れ、そこからじわじわゆっくり温めて行くと、カエルは温度の上昇に鈍くなり、やがてゆで上がって(死んで)しまいます。

ハードワークにしても、モラハラにしても、アルコール依存にしても、いきなり今の状態になることってありません。

徐々に徐々にそのハードさが増していきます。

始めは機嫌が悪いときに怒鳴る程度が、だんだんその言葉がきつくなり、頻度が多くなり、気が付けばまるで軟禁状態になっているかのようにパートナーを怯えるようになるのです。

それが当たり前になってしまう状態です。

そして、この麻痺してる状態には必ず自分なりの正当化が付きまとうことも多いのです。

「みんな同じように頑張ってる。みんなに迷惑をかけたくない。それにこの仕事が好きなんだ」
「彼を救えるのは私しかいない。子どももいるし、彼だって本当は悪い人じゃない。私さえ頑張ればきっと何とかなる」
「あの子は私がいてやんないといけない。母親だから、後悔のないようにさせてあげたい」
「いつも頑張ってるんだから、これくらい飲む資格はある。」
という風に。

この状態になると“常識”が変わってしまっているので、なかなか気付けないんですね。
だから、周りが忠告しても「この程度ならまだ大丈夫では?」と思います。

じわりじわりと水の温度が上がって来てるので「まだまだ大丈夫」と思えるんです。
実際は沸騰寸前なのに。

客観的に「今」をちゃんと見つめる勇気、が大切です。

「あれ?おかしくない?」
と気付くこと。

そして、その感覚に正直に、素直でいることが大切。

「いやいや、まだ大丈夫」「自分はそんなことない」とゆでガエルは思うものです。

でも、本当にそうでしょうか?

本当は気付いているのにどうしようもならないと諦めていませんか?
それならば声を上げてみましょう。
勇気を出して誰かに話してみましょう。

誰かに話すことで、状況をより客観的に捉えることができるのです。

それが変化への第一歩。
状況を変える一歩になります。

カウンセラーとしてそんな告白を耳にすることと、思わず「話すこと、勇気が要ったでしょう?素晴らしいことですよ」とお伝えすることも少なくありません。

カウンセリングやワークショップでご相談を頂く時、よくそんなになるまで我慢できたよね?頑張ったよね?というケースに出会います。

時には10年、20年とそのような状況に居続ける方もいらっしゃいます。

まずは「あれ?おかしいのかな?」って気付くことから始めていきましょう。

さて、皆さんの「今」に、そんな“麻痺”はありませんか?

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