一人で生きることが前提になってしまう人たち。



「恋人が欲しい」「結婚がしたい」というお話を伺っていると、そんな願望とは裏腹に「一人で生きることを前提にしてきた」という方にお会いします。
そういう意識がある方もいらっしゃいますが、そのほとんどは無意識的なもの。
子ども時代、家庭環境から自立が早く、何でも自分でこなせるように頑張ってきた方に多いかもしれません。

・人に頼ることが苦手で、何でも自分でこなしてしまう。
・誰かに助けを求めるよりも、自分が誰かを助けてる方がずっと多い。
・相談できる相手もいるが、むしろ、自分が相談に乗ることの方が多い。
・家事は一通りできる。
・何でも話せる友人はいないか、少ない。
・恋愛が長続きしない。
・一人でカラオケにも行けるし、旅行にも行ける。
・正社員か自営業で仕事はある程度安定している。
・きちんと貯金をしているし、保険もきっちり入っている。
・人恋しいと思うけれど、一人になるとホッとする自分もいる。
・大きな夢は持っていない。(堅実な目標はあっても)
・結婚って大変だなあ、という印象がぬぐえない。

思い当たりますか?


本当はもっと感覚的なもの、潜在意識に入っているものなので、この項目に当てはまるからと言って「一人で生きることが前提」とは言えないんですけどね。

ただ、そういうマインドがあっての婚活は結構厳しい結果になりますね。
パーティに行っても、ネットでお気に入りの人を探しても、なかなか付き合いが継続しなかったり、どこか腰が引けていたり、あまり乗り気でなかったり。

「しなきゃいけないからする」という感覚がいつも付きまといます。

だから、カウンセリングでも結婚や恋愛にそれほど強い熱意が出てこないんですね。
どこか「一人でもいいや」と思っているような。

大抵は子供時代の家庭環境に原因を求められます。
子どもはふつう、親に頼り、甘えますし、それを親は叱りつつもある程度受け入れてくれるものです。
しかし、そこで誰かの力を借りること、助けてもらうことを学ぶわけですが、親が決して頼れる存在でなかったとしたら、ほんと自分一人で何でもこなさなければならないわけです。
家庭は愛を学ぶ学校でもありますから、そこで学び損ねると、非常に早く自立して、一人で生きて行くことを心に誓います。
誰かといてもしんどいだけ、と思うようになってしまうんです。

そういう方は「寂しさ」がマヒしてしまってることが多いように思います。
だから、そうした時代にフォーカスしてセラピーをしていくことが多いですね。

寂しそうな女の子(男の子)。
ひとりぼっちで俯いている子ども。
その子に近づいて話を聴いてあげます。
始めは目を見てくれない、その子に辛抱強く付き合ってあげます。
作り笑いをするその子に「素直になってもいいよ」て言います。
でも、素直になれなくてそっぽを向いてしまうその子に「偉かったね」って言ってあげます。

心が開いてきたら、「寂しい」って声に出して言ってもらいます。「ずっと寂しかった」とも。

「誰か、そばにいてほしい」という言葉が言えない方にもたくさん会ってきました。
「助けてほしい」って言えない方にもたくさん会ってきました。

深呼吸して、ゆっくりと意識を自分に向けて、「お母さん、こっちを見て」と言ってもらうこともあります。

子どもであればごくごく自然な言葉。
でも、その言葉を封印してしまうと、大人になった今もそこに留まってしまうのです。

少しずつですが、時計の針を動かしていきます。

そうした言葉は感情を込めて言わなくても心を軽くしてくれます。
涙腺が崩壊しなくても、軽くなったような気分がします。

その感情が少し解放されるし、「言ってもいいのか」という許可がおりるからかもしれません。

誰かと生きることを受け入れる心を築いていきます。

一人で生きて行くことが悪いことではありません。
そう決めて生まれてきた方もいますから。

でも、そういうプランはなかったのに、過去の経験がそう思わせてるとしたら人生はちょっと苦しいものになってしまいますね。

私は自分らしい人生を生きるお手伝いをさせてもらっているので、少しずつ無理を修正していこうとします。

こういうセッションをした後に付け加えること。
それは「今日からちょっと“寂しい”と思うことが増えるかもしれません。でも、それは正しい状態なので、うまく行っている証拠、と思って下さいね」

人を受け入れる準備ができると寂しさがやってくるものなのです。

参考になりましたら幸いです。
いつもありがとうございます。

心理学ミニ講座


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