この角を動かすために、まずはこの歩を進めて、そこに銀を動かす。
でも、そうするときっと相手はあの飛車を動かして中央に睨みを利かそうとするか。
いや、単純に角の交換を主張してくるか。
その場合は素直に応じて、あそこに角を打つと・・・
将棋盤を前にああでもない、こうでもない、相手がこうしたら、自分はこう受けて、と様々なシミュレーションを頭の中で繰り返します。
それがゲームで、わくわくしたり、楽しかったり、面白かったりします。
だから、好きな人は人生をかけてしまうくらいハマります。
しかし、人間関係がそんなシミュレーションになってしまっていることはないでしょうか?
彼にこんな話をしたらきっと切れて怒るだろうなあ。だから、言えないなあ、とか。
上司がウンというためにはこの資料だけでは物足りないだろうな、もう少しデータをそろえなきゃ、とか。
このメールを送ったらきっと気分を害してしまうだろうから、もっと言い方考えた方がいいのかな、とか。
そんなシミュレーションが延々と続きます。
自分の行動、相手の行動を「読む」ということをしてしまうんです。
「どうしたらいいんだろう?」
「相手はどう思うんだろう?」
これは思考的作業。
やはりそれがわくわくすることならば、楽しいことならばきっと疲れません。
でも、人に気を使いすぎる方はよくこの罠にハマり、疲れてしまいませんか?
何とかうまくやりたい、と思う気持ち、
相手に迷惑をかけたくない、という気持ち、
思いやりや優しさの現れです。
もっと感情に従ってもいいかもしれません。気分屋さんになってみるんです。
もっと直感を信頼してもいいかもしれません。直感は思考よりずっと賢いです。
今、どんな気分でしょう?
何を飲みたいですか?
どこに行きたいですか?
実際に動ける場所ならば行ってみましょう。
そうでなければ、その景色を想像してみましょう。
誰に会いたいですか?
何て言いたい?
何を伝えたい?
この質問を目線を上に向けて“考えてみて”ください。
考え込むと下を向いてしまいます。
上を向くと、ネガティブな思考パターンから抜けやすくなり、直感と繋がりやすくなります。
今日はそんな風に一日できるだけ空や天井を眺めながら過ごしてみませんか?
もちろん、事故には気を付けて。
きっと様々な気付きが訪れるはず。
囲碁将棋は楽しんでやるものですね。
楽しくなければ、誰もやりません。