マイナス思考ならば「いいところはない」「変化もない」と思うもの。



「私、マイナス思考なんです」という方とのカウンセリング。
基本的にポジティブな人でも、何かのジャンルに関してはネガティブだったり、人生のある時期にネガティブな場面に出くわすこともあるでしょう。

そもそもマイナスやネガティブというのも、何らかの基準により定められたもので、感情にネガもポジもないんですよね。

気分が落ち込んでる、と言う状態がいいのか、悪いのか。
「ちょっとゆっくり休みなはれや」というメッセージだと思えば、気分の落ち込みも恩恵になります。
そこで「頑張らなきゃいけないのに、しなきゃいけないことがあるのに」と自分に鞭を振るうと、それはネガティブなできごとになります。


さて、マイナス思考だったり、ネガティブモードの状態では、どんな出来事も「マイナス/ネガティブ」に見えてしまいます。

マイナス思考の眼鏡をかけてるわけですから、そういう風に見えるのが自然なことなのです。

カウンセラーが価値を見ても全然受け取れません。むしろ、嫌味に聞こえることもあります。
友達からの励ましの言葉も、プレッシャーに受け取ってしまいます。
ブログや本で紹介されているエクササイズをやってみても、あまりピンと来ないでしょうし、カウンセリングやセラピーを受けても効果があるようには思えません。
もちろん、いい変化だって感じません。感じてしまえば、それはポジティブなことになってしまいますから。

以前、ある方から「1年色々な方のカウンセリングを受けたんですけど効果がないんです」というお話を伺いました。

「自分はマイナス思考で・・・」という話も出ていたので上記のようなお話をしました。
「自分が良くなったって思うのってマイナスじゃないですよね?だから自分が変わったって実感を持たないようにするのもマイナス思考の役割なんですよね」って。

「あ、そうか・・・」といたく本人は納得されていました。
そして、私は「何かうまいことを言った気分」に浸っておりました(笑)

それで、

「だからちょっと意識を変えて見ましょうか。1年前と今の自分でどこが変わったんでしょうか?変化したところが“ある”という前提で考えてみませんか?」

と質問したんです。すると、すぐに「うーん。思い付かないですよね」というお返事。
「そりゃあ、そうですよね。すぐには出てこないと思います!せっかくだからちょっと考えてみませんか?どこが変わったんだろう?って“変化”を前提にしてみてください」と。

するとほどなくして
「人と会話するのは少し楽になったかな」
「ああ、前よりは笑ってるかもしれません」
「いろんな方が褒めてくれるので自分にもいいところがあるんじゃないか?って感じるようになりました」
などの声が。

「おぉ、すごいじゃないですか!」と伝えると、再びネガティブモードになって「いや、すごくないですよ」との返事が。
でも、ちょっと声は明るいんです。

マイナス思考の方は、そのマイナス思考のこともマイナスに見ます。
つまり、マイナス思考であることをダメ出しするわけです。
でも、マイナスであることは必ずしも悪いことではありません。
だから、それを受け入れることができれば、そんな自分を許すことが出来れば、マイナス思考の自分が見る世界をそのまま受け入れることができます。

「私って物事をマイナスに見るから、褒められても受け取れないんですよね~。だから、受け取れないって分かるから、なるべく、受け取ってあげよう、受け取れなくても覚えておこうって思うんです。」

という風になれます。(もはやこれをマイナス思考と言えるか?というレベルですが)

自分にも思い当たるな、と言う方はぜひ参考にして頂ければ幸いです!

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