人との距離感がうまく取れない?人とうまく付き合えない?の根っこにあるパターンについて。



先日「子どもの距離感と大人になった今の距離感」というお話をしました。
子ども時代に周りの友達や親との親密感を満たしていないと、大人になった今も、その距離感で人と接したくなる心理をお伝えしました。

このお話に加えて、心理学講座「人の評価の中で生きる方法(1)~自分が持っているものをちゃんと評価していますか?~」も合わせてお話しすることもあります。
こちらは、自分がどう思っていようが、自分が持っているもの(外見、お金、パートナー、家族、幸せ、職業、学歴、物等)を人が羨むことがあり、そういう周りからの視線をちゃんと意識しておきましょう、というお話です。

例えば、子ども時代に親との間に十分親密感が無かったとします。それは家庭の事情が原因のこともあれば、親の性格に問題があった場合もありますし、様々なケースがありますね。

さて、その親密感は学校で友達との間で、大人になれば恋人との間で少しずつ満たされていくものなのですが、大人になるにつれて(自立するにつれて)、子ども時代に比べれば人とは距離を空けて付き合うようになります。
それぞれを尊重することを学んでいくからですね。


ところが、その親密感への欲求が強いと、その大人の距離感での付き合いがうまくできなくなります。

人との距離感が測れず、近づきすぎてしまい、壁を作られることがあります。
あるいは、傷つくことを怖れて距離を取りすぎてしまい、すっかり孤独になることもあります。

また、周りに合わせて付き合っていると、その距離は自分にとっては遠く感じられる(もっと近くで人を感じたい)ので、我慢するのが辛くなります。

そして、「人との距離感が分からない」とか「いつも孤独感を感じる」という問題として出てきたり、「人とうまく付き合えない。なぜか、距離を置かれる」とか「恋愛依存症(?)になってしまう」という人間関係の問題として出てくるのです。

それは心の中の子供がもっと親からの愛情を欲しいとねだっているのです。
でも、もう自分は大人になってしまっています。

その矛盾に苛まれたとき、どうすればいいのでしょう?

一つは「満たす」と言う考え方。

でも、誰かに、ではありません。今の親にしてもらっても、それは違う!となるからです。
私たちはタイムマシンを持っていませんから、今の大人になったあなたが、その心の中の子供を満たしてあげるのです。

クッションやぬいぐるみを抱いて、それを3歳や4歳の子供だと思って、話しかけてあげます。
あなたが子供時代に言ってほしかった言葉、してほしかったこと、あれこれと自由に話しかけてあげます。

誰かに見られるととても怪しい光景ですが、心はすごく喜び始めます。
1回ではなく、しばらく続けてみてください。

もう一つは「与える」という考え方。

「親からもらえなかったものは与えに来たもの」という格言があります。
あなたが欲しい、と思う親密感を誰かに与えてください。
ポイントは「もらう」のではなく「与える」というところ。
パートナーや子供、ペット、観葉植物、花・・・なんでも構いません。

その人(もの)が喜ぶことをしてあげること、それが心を満たしていきます。

こうしたプロセスは人間関係に現れる前に、まず、あなたの心が軽くなり、気分が明るくなり、不安や怖れ、寂しさから解消されていくところから始まります。

そんな体験、ぜひ、してみてください。

心理学ミニ講座


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