「『いい人』を卒業する」



*「こんなとき、どうしたらいいの?」にお答えする心の処方箋シリーズ*

いい人、と言われる方は、優しく、気遣いができて、そして、立ち居振る舞いにも嫌味がない人が多いのかもしれません。
でも、そんな長所も、もし「嫌われたくないための犠牲」だったとしたら、やはり心の中には我慢や不満や怒りが溜まってしまうことでしょう。
そうすると、やはり『いい人』でいることに疲れてしまいます。


そして、犠牲や我慢によって作られた『いい人』は周りの意見に基づいて作られるので、トゲや刺激がなくなってしまいます。
人にとって刺激になる部分というのは、当然、ほかにない「個性」です。

だから、こういう風に『いい人』になってしまうと、あなたの本当の「個性」が埋没し、結果、「いい人なんだけど・・・。ごめんなさい」となってしまうんです。

そういう意味でも、『いい人』はなるべく早く卒業したいところですが、でも、その前に、優しさや気遣い、受け止め上手、器の広さなどの長所はきちんと受け取ってくださいね。
たとえ、それが犠牲の結果だったとしても、それを作ることができるわけですから。

その上で、『いい人』を手放すには『もっとわがままになっていい』という許可を出してあげましょう。

もちろん、そう言われたって一朝一夕にはできません。

だから、少しずつ、少しずつ、まず、自分自身にわがままになってみるんです。

・今、食べたいものは何?
・行きたい場所は?
・聴きたい音楽は?
         などなど・・・

すぐに分からなくてもいいので、少しずつ少しずつ。

実は『いい人』を卒業するには、ありきたりですが、『自己愛』のパワーをもっと上げる必要があるんですね。
自分のことを大事にするから、犠牲したり、我慢したりしないんです。
だから、自分を愛すること、自分をもっと許してあげること、が『いい人』を卒業するための、中心的なテーマになるんです。

自分を喜ばせてあげること。
自分に嬉しいことを与えてあげること。
自分が好きなことをさせてあげること。

普遍的なテーマなのですが、特に『いい人』にとっては大切なものではないでしょうか。

さて、もし、ここまでなら出来てます!という方は、次のテーマへ進みましょう。
対人関係に関するテーマです。

・近しい人に、普段言えないけれど言いたいことを一つ伝えてみる。

ちょっと解説が必要です。
これ、不満やわがままを言え、ということではないんです。
すぐにはできませんからね。
むしろ、始めは逆です。
ふだん言えていない、相手の「長所」「魅力」「価値」「感謝」などを伝えてみる、ということです。

さらに、その上で、不満に思ってることがあったら、

・「もっと~してくれると素敵だと思うよ」
 とか
 「もっと~だったらいいのに勿体無いな~」
といった相手を上げる表現で不満を伝えてみます。

そして、さらにさらに

・「~してくれると、私はすごく嬉しいんだけどな」

とわがままを伝えてみるんです。

これはほとんど公式のように使いまわしてみるといいかもしれません。
急にやってみるのは難しいものですから。

心の処方箋


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