*「こんなとき、どうしたらいいの?」にお答えする心の処方箋シリーズ*
依存が強く出てきてしまうとき、あるいは、弱っていて藁をも掴みたいとき、私達は誰かの存在に助けられ、自分自身を取り戻していくことができます。
しかし、それが強くなると、今度は頼りすぎている状態になって、相手にとってはもちろん、自分にとっても負担になってしまうようになります。
でも、カウンセリングやワークショップでこうした疑問を持っていらっしゃる方は、必ずしも「依存」ではない場合があるんです。
むしろ、「超自立」的な方も、「自分は人に頼りすぎている」と思っていたりするんですね。
「自立」というのは、「もう人には頼らず、自分でやる」という生き方です。
もちろん、大切なことには違いないのですが、実はこの“人には頼らず”の影には“自分は人に頼りすぎてしまうから”という感情が隠れているのです。
だから、自立的な人の中には「自分は人に頼りすげてしまう」という思いを持っている方も少なくない・・・いや、むしろ、とても多いんです。
人に頼る、ということが本当にいけないことなのか、悪いことなのか。
もちろん、それはNoです。
私達は一人で生きることはできませんし、一人で成功することもありません。
誰かの支えがあり、誰かの思いがあり、そして、誰かの存在があって前に進めます。
でも、頼りすぎるとは・・・。
一つは「遠慮」ということがあるんです。
自分は頼りすぎてしまう、と思えば、ちょっとだけでも「頼りすぎた」と思ってしまう。
相手に迷惑をかけた、とか、きっと相手には負担だっただろう、とか。
でも、それは自己判断であることも少なくないんです。
私達は誰かの役に立ちたいとみんな思っています。
だから、助けられたことは、喜びでもあるんですね。
もし、頼りすぎた・・・と感じたら、それをコミュニケーションしてみましょう。
そして、相手が「そんなことないよ」と言ってくれたら、それを“信頼”してみます。
これが難しいのですが、でも、その相手を大切にするために、その人の言葉を、思いを信頼してみるんです。
これでまた、その人とのつながりが深まります。
二つ目、抑え切れない感情が溢れてきたとき。
それは「頼りすぎてしまった」という場合もあるでしょう。
実際、相手に「重たい」とか「迷惑だ」と言われたかもしれません。
そういうときは、自分を責めるよりも、もっと大切なことがあります。
それは自分を理解してあげること。
責めるのではなく、理解してあげること。
感情が溢れすぎてしまったとしたら、なぜ、そうなってしまったのか?
なぜ、そんなにも溜め込んでしまったのか?を考えてみてください。
私達カウンセラーは、それを“不可避な事情があったのではないか?”を受け入れようとします。
だから、あなたも、頼りすぎてしまったとしたら、その自分の弱さを、あるいは、我慢できなくなってしまった感情を許してあげましょう。
いや、許してあげたい、と思ってみてください。
自分への攻撃が少なくなればなるほど、こんどは別の思いが頭をもたげてくるはずなんです。
それは「相手への感謝」。
この気持ちが強くなったとき、きっとあなたは自立の先の世界(相互依存のステージ)に入り始めているのでしょう。
だから、もし、頼りすぎてしまったと感じたら、自分を責めるのではなく、理解しようとすると同時に、相手への感謝の態度を示してあげましょう。
それが自分も、相手も癒してあげることになるはずです。