[13/14]私が変われば、夫も変わる。トンネルの出口が見えてきた日。



そうして、彼女が自分自身、特に、新しい自分を受け取っていくと、ご主人の意識もとても変わり始めたようです。

「自分が変われば、相手も変わる」

というのは良く言われる格言ですけれど、なかなか普通は実感ができませんよね。
自分ばかりが頑張って損をしているようで。

なぜか、この頃から、ご主人も徐々に子どもが欲しくなってきたようです。
それと共にセックスレスのこともより気に始めたようで、前向きな気持ちが出てきました。


だから、イメージワークを使いながら、自分がほんとうに欲しいものを“受け取れるように”アプローチをしていきました。
これは夫を許し、自分を許し、幸せを受け取る、とても解放的なセッションです。

そして、同時にイメージの力を借りて、セクシャリティ(女性らしい魅力)を解放していきます。
しかし、大人になった自分を受け入れて、許すのは友美恵さんにとっても意外に厳しいものでした。

どうしていいか分からずに固まってしまうんですね。
どうも潜在意識・無意識に、セックスに対する、あるいは、セクシャリティに対する、強い怖れがあるようです。
それはまるで小さな子どもが震えているような、そんな感覚すらありました。

この時期、イメージワークの中で、感覚的には幼少の頃に抱いていた恐怖心を扱うことが結果的に多くなりました。

彼女の魅力なのかもしれませんが、大人の女性の魅力と、幼い少女のかわいらしさが混在しているんです。

なぜ、そんなに怖いのか?
彼女自身も記憶に思い当たるところはなかなかありませんでした。
でも、原因を追究しなくても、その怖れという感覚が出てきているのであれば、それを解放し続けることで心は鎖が解かれて行きます。

こうして怖れを越え、セクシャリティを解放し、大人の女性としての自分を受け入れていきました。

そうすると、女性としての魅力がアップするだけでなく、ご主人の態度も、そして、二人を取り巻く環境も大きく変わり始めたのです。

ようやく、長いトンネルを抜け出せそうな、そんな雰囲気も出てきました。

まず、ご主人はしっかりと友美恵さんのことを見てくれています。
その感覚は今までは無かったことであり、そして、それはカウンセリングに通うくらい欲しかったものなんです。

でも、皮肉な事に、欲しいものが手に入ろうとしている(ほとんど手に入っている)のに、友美恵さんはそれがすごく怖いんですね。
だから、きちんと受け止め切れない自分がいるのでした。

そして、つい、そんな自分を責めてしまうんです。

もちろん、私は「まあ、今まで酷い思いをたくさんしてきたんだから、すぐには受け入れられないよね~。しゃあないよねえ・・・」と何度も伝えるんですけどね。
彼女も分かっていながらも、なかなか受け止められません。

そして、そのときには都合よく社長さんという存在もあります。
彼は友美恵さんを100%、女として見てくれてるんです。
いや、女としてしか見ていない、という方が正しいでしょう。
その視線・思いは、彼女をとても官能的な気分にさせてくれるくらいですから、やはり切れません。

もうコレきりにしよう・・・と思いながらも、会い続けてしまう訳です。
今から思えば、よく一線を越えなかったなあ・・・と思うくらい、危ない場面もありました。
それを何とか持ちこたえてる、という感じ。
カウンセリングルームの扉を開けたとき、ホッとして、力が抜けた顔を何度も見ました。

「ここだけがとても安心するところ。家では旦那に気を使うし、外でも社長さんに気を使うし」とため息混じりに話してくれた言葉がとても印象的でした。

彼女が持ちこたえられたのは、何も私に「エッチはしちゃだめよ」と言われてたからだけではありません。

その罪悪感に押しつぶされることだけでなく、
「社長さんとはただロマンスを感じ、セックスをしたい相手。決してパートナーではない。パートナーじゃない人と関係を持っても虚しいし、罪の意識が強くなるだけ」
という気持ちが強くあったんです。

それは彼女がご主人にかつてされてきたことだからこそ、分かることかもしれません。

でも、そう強く思えた彼女は、ある側面でご主人を許してたんですよね。
出来るはずがないと思っていた「浮気をして自分を捨てようとした夫を許す」ということが・・・。

それは一言で言えば、大きな愛をご主人に向けていた、ということなんです。
感情は社長さんに振れ、女としても社長さんの魅力に虜になっていましたが、どこかで、本当に愛しているのはご主人で、その気持ちにブレは無かったのかもしれません。

だからこそ、カウンセリングにも通い続けられたのでしょう。
もし、ご主人に対する愛に蓋をしてしまっていたら、きっとカウンセリングを受ける気持ちもなくなってしまったと思うんです。
カウンセリングというのはいわば、自分の心の中の真実の愛に気付く場所ですからね。

カウンセリングの実際

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